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株式会社 齋藤工業 記事更新日 2013.11
■問い合わせ先
株式会社 齋藤工業
知多郡武豊町沢田新田89-5
電話 0569-73-4488 FAX 0569-73-7200
HP http://www.geocities.jp/saito_kogyo2008/
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非鉄金属とは、鉄および鉄を主成分とした合金である鋼以外の金属のすべてを指します。日本工業規格では、さらに軽金属として、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、チタンを区分しています。今回は非鉄金属の素材加工を知り尽くした「あいちの製品」紹介です。しかも取材中に複数のキャッチコピーが浮かびました。

・「チタン製品の試作品開発企業の製品」紹介
・「非鉄素材加工を知り尽くしたチタン製品」紹介
・「チタンや非鉄金属の奥にある隠れた技術力を含んだ製品」紹介
・「職人のチャレンジ旺盛な気質が支えるチタン、マグネシウムなどの非鉄金属製品」紹介

 チタンと聞いて私は、1984年のアメリカ映画の『ターミネーター』をイメージします。チタンではありませんが、未来の超合金製の骨格を露にした姿のロボットが放つ金属の光沢を連想します。また、福井県鯖江の地場産業が開発した硬いけど軽い「チタンメガネフレーム」です。しかし、今回は鋳造ダイカストで使用する耐熱チタン合金のラドルです。

 
 
■ ラドルとは
 

溶かしたアルミニウム合金を鋳型に入れ、高圧を掛けて鋳造する方法がアルミダイカストです。また、その製品は精密で薄肉、大量生産に向くため自動車の部品などの製造に広く使用されています。
溶解炉から溶けたアルミ(680℃〜700℃)を柄杓(ひしゃく)ですくい、鋳型に入れ、高圧を掛けて鋳造します。この柄杓をラドルと呼びます。

高温のアルミ溶解炉の中にラドルを入れるため、ラドル自体が消耗します。消耗を少しでも遅らせるために、従来のラドルは作業中に表面をコーティングしていました。日に何度とダイカスト製造現場でコーティングするため、そのメンテナンス作業は負担です。逆転の発想でそれを解決したのが今回の耐熱チタン合金のラドル(実用新案取得)です。
 
■ チタンの特徴を活かす
 

チタンとアルミは溶融点が大きく異なるため、アルミの溶融温度(650℃)では化合しません。耐熱チタンで作られたラドルは、熱伝導が悪い特徴もあります。そのため、溶解温度低下を防ぎ、そそぐときに溶解したアルミがラドルに付着することを少なくします。
また、高温(700℃)時に耐熱チタン素材からアルミ溶損に強い酸化皮膜を形成し、ラドル全体をコーティングする役目を担います。そのため、従来、人の手で行っていたメンテナンス作業が少なくなります。当に非金属の性質を知り尽くした逆転の発想です。

従来のラドルは、アルミ溶湯内で鉄分の溶出するため、溶けた金属が製品に混入したり、ラドルに酸化膜が付着してそれが製品に混入するなど、アルミダイカスト製品品質上の悩みがありました。また、今までの消耗部品類の寿命と比べて耐熱チタンラドルは施用も部品類の寿命を伸ばすこともできます。アルミダイカスト製品製造における生産効率の向上とコスト削減の両面にも寄与することができる製品です。
■ チタンとの出会い
 

チタンとの出会いは35年前の創業時にさかのぼります。”童夢ルマン24時間耐久レース用モノコックフレーム製作”に携わった際、「今までの鉄のアクセルペダルでは重い」ということで”チタン”という話になりました。当時チタンの入手が国内では困難な状況であったが、たまたまイギリスから来ていたメカニック技術者が自分の道具箱の中からひっぱり出してきて「これで作ろう」ということになり、指導を受けて作ったのが、チタンとの出会いです。
平成に入り、愛知学院大学歯学部から歯のインプラント素材について相談を受け、開発のお手伝いとしていろいろ加工しました。
またこの頃、ハイテク研究会(異業種交流)で知りあった企業と連携して、現在醸造用チタンタンクを製造販売しております。
このような経緯からさらにチタンの新たな活用について研究しました。そこで生みだされたのがこの「耐熱チタンラドル」です。

新日本製鉄と住友金属は2012年10月1日に統合し、新日鉄住金が誕生しました。この少し前、リーマンショックの最中のまだ、新日鉄のときです。研究論文を調べていると、「800℃でも大丈夫な耐熱チタン材」の論文を書いた研究員が富津研究所に見えました。その研究員へ相談したところ、研究用の耐熱チタン材の提供を快諾され、耐熱チタン合金製ラドルの開発に取り掛かることができました。

隠れた技術としてラドルへの形成技術(絞り加工技術)も見逃すことができません。

絞り加工とは板金加工のひとつで、一枚の金属の板に圧力を加え、絞り込み(圧縮し)凹状に加工し、容器形状にすることです。長年、非鉄金属に携わった技術力がここにも活かされています。また、ラドルと関係ありませんが、熱可塑性カーボンファイバー(CFPTP)の絞り技術も合わせ持っています。
 
■ 耐熱チタンラドルの特徴
 

1.アルミ溶湯による浸食に強く、鉄分溶出(コンタミ)を抑制

素材がチタン合金の為、アルミニウムによる鉄分溶損はなく、アルミ溶湯への鉄分の溶出(コンタミ)量は、ほとんど抑えることが可能です。

2.温度変化の膨張、伸縮に強い

温度変化によって起きる製品の膨張、収縮については、耐熱チタン合金であるため急速な温度変化に強く、破損の恐れが少ないです。

3.衝撃に強い

チタン合金素材であるため容易に破損することはありません。

4.操作終了時のアルミ溶湯のくみ出しが不要

るつぼを用いて間欠操業を行う場合には、毎回操業終了時にるつぼの破損を回避するためにアルミ溶湯のくみ出しが必要となるが、そのまま凝固させることが可能となります。

5.機械加工が容易で、溶接も可能

チタン合金素材であるため機械加工が容易で溶接も可能であらゆる形状での製作ができ、多様な用途への活用も可能です。

■ 製品を生んだ背景
 

冒頭のキャッチコピーが複数浮かんだことには理由がありました。以下の事柄も製品紹介に間接的に関わっているからです。本社社屋の2階、3階には過去から現在まで取り組んだ歴史があります。


 
 


★マグネシウムの接合技術を持っている
マグネシウムは接合・切削時、火花がでる危険があるため総合技術が必要です。

★オートバイレースマシンのフレーム開発
30年前にオートバイレースマシンのフレームを鉄からアルミニウムへの移行期に活躍しました。製品へ技術力を注入する原点がここにあります。

★微細溶接機、自社で開発
1/1000秒から1/10000秒の時間で溶接する微細溶接機を開発しました。レーザー溶接ができない細い線やうす板溶接の技術力をもちました。

★宮内庁御用達
平成天皇が使用される車のシート部分を構成するアルミフレームを製作しました。確かな技術力がなければできない仕事です。

★松下幸之助氏が移動したマイクロバス
晩年、松下幸之助氏が150社に及ぶグループ企業を巡回する際、医療チームと同行するため、バスの中に電動ベッドを備え付け改造したバスを使いました。その中に電動ベッドのアルミフレームの製作に携わりました。電動の介護ベッドの始まりでした。

http://www.geocities.jp/saito_kogyo2008/index.html

上記ホームページ What's New ご覧ください
2013.9.25 日刊工業新聞にチタンラドルが掲載されました
斉藤工業 アルミ溶湯の純度保つ チタン合金製ラドル 耐熱温度800℃

 
   
取材・文 YAビジネスサポート 杉本 安行

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