企業ルポ あいちの製品Products Appeal
経営戦略レポート
海外支援
中小企業支援等レポート
技術の広場
あいち技術ナビ
あいち産業振興機構中小企業支援
海外駐在員便り
時代の目
特集(トピックス)
企業ルポ
翔 魅力ある愛知の中小企業
あいちの製品ProductsAppeal
経営革新に挑戦する中小企業成功事例集
創業企業に聞く
支援企業に聞く
お店訪問 繁盛の秘訣
科学技術は今
ホームページ奮闘記
スペース
スペース
経営相談Q&A
労務管理Q&A
資金調達Q&A
組織活性化Q&A
環境対策Q&A
省エネQ&A
経営革新Q&A
窓口相談Q&A
IT活用マニュアル
IT特集
どんどん使ってみようWindows Vista
IT管理者お助けマニュアル
ネットワークお助けマニュアル
セキュリティお助けマニュアル
お助けBOX
補助金助成金一覧
施策ガイド
2006.4月までの記事を読む
「ネットあいち産業情報」更新をお知らせします!
  トップ > 企業ルポ あいちの製品Products Appeal > 有限会社 オーパ・クラフト
分割式小型ボートのパイオニア
有限会社 オーパ・クラフト 記事更新日.14.05
■問い合わせ先
有限会社 オーパ・クラフト
愛知県大府市大東町2丁目100番地
電話 0562-57-39011  FAX 0562-57-3902
HP http://www.opacraft.com/
印刷用ページ
 

 今回はFRP(繊維強化プラスチック Fiber Reinforced Plastics)分解ボートの製品紹介です。

製品を紹介する際、素材のFRPが素晴らしいのか、粘り強い探究心がすごいのか、細かい配慮にあふれたアイデアに脱帽したのか、24時間ボートのことが頭から離れない「ボート馬鹿」と表現できる福庭社長のボートに対する熱い思いに感動したのか、どこをフォーカスすべきか非常に悩みました。結局、全てを含めて紹介いたします。ちなみに、福庭社長から「ボート馬鹿」と記載することに快諾を頂いています。

取材中、福庭社長が繰り返し強調されたことがありました。それは平成24年2月に経済産業省の事業認定を受けたことでした。しかも、愛知県のプラスチック技術として認められたけど、プラスチック技術以上に如何にこのボートには緻密な実験の成果と使い易さのアイデアが詰まっているのか、そのことを強調されました。
ネジを使わない分割ボートは目が悪い人への配慮であり、FRPは力の衰えた年配の人でも持ち運びと組み立てを手助けします。海の上でネジを落とす心配もない分割ボートのコンセプトは不変です。

福庭社長は味噌汁椀に例えて表現されました。椀の形は変わらないのと同じで分割ボートの形は変わらない。しかし、機能は大いに進化させていると…。

 

 
 
■ 安心と安全
 

 ご夫婦が社屋へ分割ボートを見に来られました。福庭社長はご夫婦の面前でいとも簡単にボートを分解しました。それを見たご婦人はビックリして購入に猛反対されました。直ぐに折れて転覆することを想像したためでしょう。

 
■ 強度を示すハンマー叩き
 

 福庭正宏社長は先端の重さが約5kgのハンマーを取り出しました。これでボートの側面を強打しました。物凄い音が耳に響きました。多分、5tの力がボートに掛かりましたがボートはそのままです。しかも、複数回ハンマーで叩きました。 今回は取材ということもあり、我々の前で普段はあまり行わない種類の強度実証テストも行っていただけました。


 

 


■ クイズ (多分、福庭社長は来社される方へ同じクイズを出題している想像します)

 

クイズ@:20〜25フィートクラスのボートの船底のFRPの厚さはどれくらいですか?
答 え@:船底のFRPの厚さは4mm〜6mm程度です。この薄さでも折れない強度がFRPにあります。

クイズA:分割ボートのジョイント部分の厚さはどれくらいと思いますか?
答 えA:20〜25フィートクラスのボート船底と同等以上のFRPの厚さ(6mm〜10mm)あります。

写真からわかるようにボートを接続します。前後をつなぐジョイントはフック状になっているためしっかり噛み合います。しかもジョイント部分はFRP積層技術によりかなり厚くしています。その厚みは20〜25フィートクラスボートの船底のFRPの厚みと同等以上です。また、点でなく面で接合しているため、波のエネルギーを分散させ、船体のネジレにも十分に耐えることができます

 
 
■ フェンダーフロート
 

フェンダーフロートは、耐衝撃性や耐久性、耐候性、柔軟性、軽さ、流線形といった条件をすべて満たすべきと考えました。そのため、フェンダーフロートには、30〜50フィートクラスの社製船体保護クッション(US.Polyform社製)を採用しています。だからハードな衝撃に強く、高い耐久性を持っています。しかも、このフロートに特徴があります。

※船体保護クッション…港で停泊中のクルーザー同士がぶつかり、擦れることを防ぎます。

※フェンダーフロートは分割ボートの転覆防止機能です。
 
■ フェンダーフロートに隠された秘話
 

 FRPを何層に重ねる技術も必要です。それ以上にFRPにフェンダーフロートを固定するための技術に秘密があります。FRPに金属を付けると、そこに負荷が掛り、金属を付けた辺りからFRPが割れます。
分割ジョイント部分と同じようにFRP積層技術を使っても良い結果が得られません。そのため、金属の間隔を前後させる等実験を繰り返しました。インターネット規制が緩やかな時代でもあり、アメリカから研究論文を比較的自由に入手できました。様々な論文を読み漁った結果、今の構造に落ち着きました。

 福庭社長は、大学時代に研究者を目指したことがあり、力学的・物理的・科学的分析の視点から課題に取り組みます。実際、開発内容をある大学の先生に見せたところ、その内容に驚嘆と称賛を受けたそうです。門外不出の技術のためこれ以上の取材ができませんでした。

 外側の金属は直接ボートに固定していません。ボートと金属の間に緩衝材を挟んでいます。それにより、フェンダーフロートがボートを当たる力を分散させます。ここにも隠れた工夫がありました。


■ 脱着が容易なフェンダーフロート
 

 片手でフェンダーフロートの挿入・脱着が容易にできます。その秘密はフロートを差し込む金具にあります。差し込み式金具(オス・メスセット)のため、自動ロックが掛かるが片手で脱着できる構造です。しかもネジ一つ使用していない構造になっています。

 
 

■ 工夫が隠れているフェンダーフロート

 

 海には海苔養殖用の竹竿が海面から出ています。弾力性を備えたワイヤーがフェンダーフロートについていることにより、竹竿がフェンダーフロートに挟まることがありません。ちなみに白いカバーは、ボートの上で波しぶきが掛からないためのカバーです。
※養殖用の竿を見立てた棒を当てて撮影しました。竿がボートに当たり、続いてワイヤーに当たります。そして流線型のフェンダーフロートへと当たり、難なく竿がボートに絡まない情景が想像できます。

 
 
 

 転覆防止を目指したフェンダーフロートは、福庭社長の安心・安全なボートを提供したい情熱の表れでもあります。

 

■ 独創的発想 オリジナルドリー
 

フェンダーフロートの先込み金具と共有しています。そのため簡単にドリー(タイヤ)脱着できます。ボートの両サイドにあるため、水際まで楽に移動できます。しかも、ボートの重心に差し込み金具があります。ドリーをつけると片手でボート押すことができます。また、外したドリーを格納できます。しかも、凹凸にはさむだけです。ネジはありません。

 
 

 ネジを使わない脱着・格納は、目が悪い人、不安定な海の上でも安心です。また、年配の人でも持ち運びが楽です。

 

■ 「そこで私は考えました」
 

 

取材中、福庭社長は「そこで私は考えました」というフレーズを4回発しました。その笑顔に満ちた表情は、困ったこと、問題が生じた時に工夫して対処したことをご自身が振り返っている瞬間でもありました。
問題は何か?それを先に出して、それを潰してから次に移ることを基本姿勢としています。しかし、現場では新たな問題や課題が生まれています。それを真摯に取り組み、製品の差別化につなげています。そのふり返りを象徴するフレーズが「そこで私は考えました」でした。この言葉の裏には難題を克服した自信が隠れています。

 また、使い勝手の良し悪しについてはユーザーから意見を聴いています。その答えを出すために「そこで私は考えました」とフレーズが登場します。

ユーザーが自然に2階に集まりました。しかも誰が幹事役? 誰が会計役? と決める訳でもなく、自然発生的にサロンは生まれました。(多種多様な職業の方がいるため、このサロンの簡便な会計ノートまで備わっています)
毎週週末は会社の2階がサロンと化し、釣りとボート談義に花を咲かせています。サロンから出るボートに対する要望は刺激的と思います。なぜなら「ボート馬鹿」に「ボート好き」が吸い寄せられ、「ボート馬鹿」の集団が生まれる発想には夢があるからです。その要望に応えるため「そこで私は考えました」のフレーズが出てきます。

 

中部経済産業局では、平成19年〜平成25年7月までに203件の事業計画を認定しており、直近である平成25年10月の認定5件を加えると、法施行後の中部経済産業局認定件数は208件となりました。
http://www.chubu.meti.go.jp/keiei/sesaku/new-nintei.htm
※ 第18回(平成24年2月3日)をクリックすると有限会社オーパクラフトです。

 

   
取材・文 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行

あなたのご意見をお聞かせください
この記事を友人や同僚に紹介したいと思う
参考になった
参考にならなかった
 
Aichi Industry Promotion Organization 財団法人あいち産業振興機構