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清潔な空間づくりのエキスパート
記事更新日14.09

代表取締役
石田 慎一郎

【問い合わせ先】
アスカテック株式会社
愛知県岩倉市大地町上千15-1
TEL0587-65-3655・FAX 0587-65-3633
HP http://www.asukatec.co.jp/index.html
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 今回は光触媒に銀の効果を加えた「光ギンテック」の製品紹介です。「洗えない」「手が届かない」場所の「抗菌」「防カビ」「防臭」に効果を発揮します。新幹線の喫煙車両を禁煙車両に変更する際に利用されたと聞けば、思わず「えっ、ウソ〜!」と声を発すると思います。

光と聞けば、筆者はなぜか子供の頃の「夜店の金魚すくい」を連想します。夜店の金魚を自宅で飼うとき、水道水を半日ほど日光にさらしてカルキ臭さを取り除いて使用しました。太陽の光が水の中で作用すると…学校の先生から教わったからです。

触媒とは化学反応の際に、自分自身は変化せず、他の物質の仲立ちとなって反応の速度を早める物質のことを言います。

1970年代、東京大学「本多・藤嶋効果」により光触媒が知られるようになりました。水中に二酸化チタン電極と白金電極を置き、二酸化チタン電極に光を当てると水が分解され、二酸化チタンから酸素、白金から水素が発生するとともに両電極間に電流が生じる発見です。

植物に似たプロセスで有機合成を行なっていることから、「夢のエネルギー源」として注目を集めましたが、実用化が難しく有機物の活性化へと発展し日常の中に活かされています。

夢のエネルギー源でなく、日常生活の中で「抗菌」「消臭」「防カビ」を目指した製品が「光ギンテック」です。


植物の光合成は、光に反応して起こる化学反応です。光触媒もこれと同じような仕組みです。光触媒自体は、分解作用等で消耗しないので、長期的効果が期待できます。ただし、光が必要です。


■ 目からウロコ 銀の活用

 二酸化チタン(TiO2)に光を当てると光触媒が生じ、強力なヒドロキシラジカルを生成し、有害な有機物などを無害な水と二酸化炭素に分解します。この時、電子の不足によってできた正孔(相対的に正の電荷を持っているように見える)が生まれます。あたかも「正の電荷をもった電子」のように振舞うため、「負の電荷を持った電子」と「正孔」は再結合しやすく、ヒドロキシラジカル生成作用を維持するのが難しくなります。

そこで着目したのが銀でした。古今東西、銀は利用価値の高い金属でした。韓流ドラマの中に「チャングムの誓い」があります。王の食事を作る部署内での物語です。調理シーンも多く、銀の食器や銀の箸、そして毒の混入を調べるときも銀の箸を使う場面がありました。

この銀を使って「正孔の問題」を解決しました。銀に「電子」が集まり、「正孔」との再結合が抑えられます。そのため光触媒単体より安定してヒドロキシラジカルを発生します。これはコロンブスの卵でもあります。銀を使うことで、光が届かない場所では銀の抗菌作用が働きます。当に一粒で二度美味しい結果となりました。


塩素系カビ溶剤は、カビ細胞の中に溶剤が入り込み、組織等を破壊する仕組みです。カビが発生しやすい環境は変わらないと再度カビが発生しやすくなります。
他方、光ギンテックの場合は、銀のコーティングをしてカビが発生しづらい環境を作るため「防カビ」につながります。

■ 元素表

ヒドロキシラジカルの説明には元素記号と元素表が出てきました。呪文のように覚えた「スイ・ヘイ・リー・べー・僕の船」です。元素には元素表の順番と同じ電子を持っています。これが上手く結合できるか否か、対・不対の説明を丁寧に石田社長から頂きました。

石田社長は、大同特殊鋼(株)の開発した光触媒抗菌剤(銀メタル担持の酸化チタン:暗所でも抗菌性がある)プロジェクトに関わっていたこともあり説得力がありました。


■ 用途に合わせた製品

 ニッチな技術のため、「液体による製品開発」へと進展しました。ニッチな市場は「中小・中堅企業」の得意分野です。しかも、BtoCよりBtoBに軸足を置いた製品です。だから店頭販売で見ることもなく、通販で少し露出がある程度です。業務用として製品化しています。

・医療・介護
介護施設では臭いが気になります。施設内でオムツを使用することが主な原因です。臭いは蓄積されるため、定期的に除去作業が必要です。しかし、入所されている利用者を施設外へ移動させることは出来ません。そこで開発されたのが「クリスタルシールド」です。
フロアーごとに数台設置できます。そのため、フロアー単位でリクレーション等の活動時間を使って、施設内ホールや集会場へ移動している数時間で施工は終了します。


 ・公共機関
新幹線や電車の中の嫌な臭いを取り除くことに使用されています。

 ・車のディーラー車検
新車の販売から車検・メンテナンスまでディーラーの仕事は多様です。車検の差別化として「抗菌」「消臭」「防カビ」は有効な手段です。

 ・中古車
中古車はエアコンから独特の臭いがします。また、過去の持ち主のタバコ臭が染みついている場合もあります。これらの臭いを瞬時に消し、車内の空気をリフレッシュするのに役立ちます。

 ・その他
ホテルの客室や賃貸マンションにも「抗菌」「消臭」「防カビ」として使用されています。紙面には書けませんが、多数の賃貸・分譲物件を扱う複数の企業です。
意外な所では「ファミレスのカーテン」「弁当配送車」に噴霧されています。

 当に用途に合わせて「形」「容量」「霧の状態」に合わせて製品化している結果です。そして、一般の消費者が目にする機会が少ないがその恩恵を多分に受けている製品であることを実感しました。


■ 鉄道車両へ導入

 某鉄道会社では「お客様からの声」を定期的に聴取しています。その中に異臭に関する声が平成9年頃より出てきました。
平成10年〜15年は車内燻蒸試験、車内ダクトや座席シートへの消臭噴霧試験、車内空調措置虫干し試験等を実施しましたが目に見える効果を得ることができませんでした。その後も薬剤を利用した噴霧を試みましたが短期間の効果しが得られない状況でした。

 平成21年から「光ギンテック」粉末を特殊加工したスプレー缶の開発に着手し、平成24年に光ギンテックを使用した鉄道車両空調異臭対策消臭剤が完成し、いくつかの運行車両に試験施工を行いました。

 車両屋根上ユニットクーラー内噴霧、ユニットクーラー内熱交換器部分噴霧、車体空調ダクト噴霧、車内冷風口出し部噴霧等により12か月後にも強い「抗菌効果」が維持されている結果が出ました。また、人間が感知する「6段階臭気強度表示調査」でも高い効果を発揮しました。これは全線、全車両への展開の第一歩でした。


■ 2020年 東京オリンピックに向けて

 オリンピックは世界各国から大勢の人々が日本を訪れます。よりよい環境を提供するために、ホテルや電車・バス・タクシーなどは気配り(お・も・て・な・し)を心掛けます。その一つが「抗菌」「消臭」に関するサービスです。
1969年のオリンピックは「ホテルのユニットバス」の普及や「ステテコで町を歩かないマナーの徹底」など様々なオリンピック効果を生んでいます。

 おもてなし向けた「抗菌」「消臭」「防カビ」のニーズは間違いなく高まるでしょう。

 

取材・文 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行

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