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餡麩三喜羅〜伝統を守りこだわりを隠し持ち造り続ける

記事更新日16.11

代表取締役 伊藤 かね子

【問い合わせ先】
有限会社大口屋
愛知県江南市布袋町中67
TEL 0587-56-3067
HP http://www.ooguchiya.co.jp/
印刷用ページ

今回は麩饅頭「餡麩三喜羅(あんぷさんきら)」が有名な和菓子の老舗、有限会社大口屋(以下:大口屋と称します)です。現物を見れば、一度は食したことがある和菓子です。伝統を守りながらこだわりを隠し持って造り続ける製品の紹介です。



  



  



大口屋は、文政元年(1818年)創業の和菓子製造会社です。名鉄犬山線布袋(ほてい)駅から徒歩5〜6分の所にあります。布袋は愛知県の北西部に位置する江南市の南端にあります。

布袋駅を挟んで右に岩倉街道、左に旧草井街道があります。大口屋は旧草井街道の中にあります。 布袋は古知野より歴史が古く、昔は丹羽郡の郡役所などが置かれていたこともあるため、歴史を感じさせます。この旧草井街道沿いの街並みは歴史的建造物が醸し出す風情にあふれています。また、駅から大口屋まで歩く中、布袋さまの石像モニュメントが至る所に置かれていました。

戦後の苦しい食糧事情対策として、濃尾平野の中央に位置する布袋、古知野周辺農家が小麦栽培をしていました。そのようなことから布袋周辺の家庭では小麦を使って、角麩を食したと聞いています。また、大口屋周辺には老舗酒蔵が2軒(丸井村瀬酒造、山星酒造)あります。これは良質な水(木曽川の地下水)を得ることができたためです。

生麩には、小麦と水が必要です。地元の原材料から端を発した「餡麩三喜羅(あんぷさんきら)」は、当に「地産地消」から端を発した「あいちの製品」といえます。


  


■ 洋菓子ブームに危機感

今から40年前は和菓子から洋菓子へシフトする時代でした。一例を挙げれば、不二家洋菓子店舗が多店舗展開を行い、またクリスマスケーキは完全に定着化した時代でした。ちなみに1977年にクレープ専門店「カフェ・クレープ1号店(竹下通り)」が原宿にオープンしました。マスコミに取り上げられ、原宿スタイルのクレープとして有名になりました。

先代は蒸し饅頭でない麩饅頭に着目しました。京料理に「麩饅頭」はありますが、あくまでも和食料理人が作る和菓子でした。ここに菓子職人の血が騒ぎ、研究に没頭しました。菓子職人が作る「麩饅頭」の取り組みが40年前に始まりました。


■ 麩の魅力

生麩(なまふ)は、鎌倉時代末期に精進料理の食材として用いられたと言われています。肉食を禁じられていた禅僧にとっては、貴重なタンパク源でもありました。生麩は、低カロリーで消化吸収の良い健康食品でもあります。主原材料は「小麦グルテン(小麦粉と水を混ぜ合わせ、でん粉を分離させ残ったタンパク)」となっております。作り方はシンプルですが、そこに見えない職人の技が込められています


■ 職人のこだわり

気温や湿度の影響を受けやすい生麩を職人の技と勘で丁寧に加熱し、仕上げることでなめらかでこしのある独特の食感を生み出しています。また、饅頭の中に入れる餡は自家製です。京都の丹波小豆を使用し、次期7代目(専務取締役 伊藤寛朗)が毎回工程と味を確認しています。めっ たにないことですが、不良な餡が出来れば、捨てることもあります。


■ さんきらの葉

「山帰来」(別名サルトリイバラ)と呼ばれるユリ科の植物の葉です。日本では北海道から九州までの山野や丘陵の林縁などに自生しています。また、四国地方、関西〜九州では、葉を柏餅に包むこともあります。

笹の葉を用いずに、「さんきらの葉」を使ったことは先代の知恵です。この葉を円形にカットし、半年ほど塩漬けにすることで、程良い塩味と葉の香りが麩饅頭本体に移り、味に深みを加えます。
※塩漬けした後、水洗いして葉の選別を行います

    


■ 製造工程は企業秘密

午後からの取材でした。和菓子は朝が早いため、既に製造は終了していると心配しておりました。伊藤専務が電話にて工場へ確認したところ、10分〜15分後に「さんきらの葉」で包む工程が始まるため、その工程だけ拝見する機会を得ました。 鮮度を追求するため、ギリギリの時間まで小刻みに「餡麩三喜羅(あんぷさんきら)」を製造します。 1日およそ5,000個を製造すると聞いて驚くばかりです。必要に応じたジャストシステムは自動車産業に通じるものがあります。

    


蒸して冷まし終えた、何も巻いていない麩饅頭が番重に並んでいます。ベテラン女性パート職人が手早く「さんきらの葉」に乗せて包みます。もちもちとした感触であり、葉に包むには手際が必要です。また、どこに乗せると綺麗に見えるのか、饅頭から餡が見えていないか、さんきらの葉に異物はついていなか等の確認を同時に行い、素早いスピードで作業します。


    


有限会社大口屋 
あいちブランド 平成18年度に大口屋は認定されました。

ものづくり王国と言われる愛知県では、県内製造業の実力を広く国内外にアピールし、愛知のものづくりを世界的ブランドへと展開するため、県内の優れたものづくり企業を「愛知ブランド企業」として認定しております。 愛知県のものづくり企業のクオリティの高さを象徴しています。 マークはAichiの"A"の文字を抽象化し、 海を抱える愛知県の地形をイメージしています。 また、コア・コンピタンス(核となる競争力)をもとに、 飛翔していく姿を表現しています。


■ 取材を終えて
創業198年を迎えた老舗です。店舗内から障子の奥に大きく立派な仏壇が垣間見えました。脈々と世代が続く重厚感が伝わってきます。製造現場の取材は入口までで、その奥は企業秘密です。笑顔の奥には伝統を守り抜く姿勢を感じました。

第6回 布袋ぶらりん日和(ほていまちあるきイベント:11月6日開催)、2016年江南スイーツフェスティバル(10月30日:すいとぴあ江南 芝生広場)に御菓子処大口屋が活躍しています。麩饅頭を通じて地域貢献しています


    


 

取材・文 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行

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