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塗るだけカンタン セラミックファイバーコーティング

記事更新日17.07

代表取締役 大野 耕藏

【問い合わせ先】
株式会社 INUI
常滑市新開町6-1-35
TEL 0569-35-2955
HP http://inui-coating.com/
印刷用ページ

今回はこの常滑焼の生産工程から出るシャモットの活用から誕生した「あいちの製品」紹介です。
常滑焼は、12世紀末(平安時代末期)から続く歴史ある焼き物です。江戸時代末期に鯉江方寿(こいえほうじゅ)は常滑焼を代表する朱泥の急須作りを導入し、真焼土管(常滑陶管)の国産化に成功し、常滑焼の基礎を築いた人物です。また、急須や土管以外にもタイルや衛生陶器の工業製品も常滑の特産です。

株式会社INUI(以下:INUI)は、名鉄常滑線「りんくう常滑」駅から車で5分の場所にあります。「りんくう常滑」駅は、中部国際空港セントレアの一つ手前にあり、駅前にイオンモール常滑、そして海岸近くにはコストコホールセール中部空港倉庫店などがあります。
大野社長は常滑焼に戦後の高度経済成長時期から長年にわたり携わり、この常滑焼から派生する製品を手がけました。


  


■ 2006年耐火物メーカー向けの加工業として創業

工業炉の断熱材に使用されているリフラクトリーセラミックファイバー(RCF)用コーティング材「リフテクト・ノンメルト」を「あいち産業科学技術総合センター」と共同で開発し、塗布するだけで溶湯温度を保持する保温蓋の温度を下げる「リフテクト・ガード」を「知の拠点あいち重点研究プロジェクト」を通じて開発しました。

■ 常滑焼シャモット

焼き物の産地愛知県常滑市では、数多くの製品が企業から生み出されています。しかし焼き物の性質上、過度の収縮や成形不良による不良品が出てしまいます。近年窯工業の発展に伴い、このシャモット(廃陶磁器)の増加が地域の問題となっています。

シャモットを粉砕して再利用します。具体的には「ピザ窯」「焼却炉」「パン窯」の内側に貼る補強材や焼成機の中で使用するトロッコ台車があります。廃棄された陶器やタイル混合材料のため、見栄えが悪い、収縮が大きいなどの欠点がありました。

シャモットをもっときめ細かく粉砕する、シャモットをノリ状にして型に流し込む等の改良を試みました。その結果、鋳込み成型が容易になり、複雑な形状でも成型が可能になりました。


  


■ シャモットの弱点を補強

シャモット(廃陶磁器)で作られたトロッコ台車を焼成機の中で使用すると、収縮が生じて台車として機能できないことがあります。高温による収縮を抑えられないか、ここから製品開発が始まりました。
この開発は、平成27年度「あいち中小企業応援ファンド」に採択され、行われました。
支援テーマ:「常滑役シャモットを使用した高温用耐火物の開発と販路拡大」

■ 従来の高温セラミックファイバー向けコーティング材の問題点

グレードの高いファイバー(アルミナファイバー)は強度が脆く単価も5〜10倍します。体に悪影響を及ぼさないファイバー(生体溶解性ファイバー)は収縮しやすく、強度が脆く、耐食性に劣ります。 リフラクトリーセラミックファイバーは強度が脆く耐食性に劣ります。しかも人体に吸収された場合には健康リスクもあります。

試行錯誤する中で1500℃の高温でも劣化せず安定して使用できる水性の耐火物コーティング材の開発に行き着きました。写真はリフラクトリーセラミックファイバーにコーティングしたものです。塗布する厚さも薄いことが分かります。

  


  


  


■ 塗るだけカンタン断熱コーティング(薄くて強い)

コーティング材は耐熱性・施工性・分散性・浸透性が高く、特に低粘度のものを得意としています。長期間の保存性に優れ、加熱時の煙の発生もありません。また、熱によるセラミックスファイバーへの損傷を低減することから製品寿命を長期化できます。また、薄く滑らかなコーティングが可能でセラミックスファイバーの飛散を防ぐなど、現場の作業環境の改善に効果があり、多くの企業で導入されています。

■ 塗るだけで温度低下

表面に塗るだけでもその効果は大きいです。熱を反射するため表面温度に約300℃の差異が出ました。

    


■ 金属用コーティング材

コーティングするだけで効果が発揮するため、鉄鋼、熱処理業、金属加工、加熱炉など利用範囲は拡大します。2017年7月より「ダイカストのラドル」の破損、交換頻度の抑制に寄与できる製品として発売します。
通常の耐火物ラドルに従来のコーティング材を定期的に塗布します。しかし、現場作業員は、熱源近くで頻度と伴うコーティング作業を嫌がる傾向にあります。そのため、従来コーティング材より塗布頻度が少なくてもラドルを保護するコーティング材として「リフテクト・メタル」を販売します。

■ 社屋もいいね!

製品を製造する社屋は移転により刷新されました。特に仕事を終えた女性が綺麗に身支度ができる環境整備が大きな特徴です。更衣室には大きなドレッサーがあり、コートも余裕を持って収納できる大型ロッカーを備え付けてあります。更衣室で足を延ばせるソファーもあります。もちろんトイレも男女別で清潔です。お断り:工場内の撮影は企業秘密上NGでした。

    


■ 展示会への参加

知の拠点あいち重点プロジェクトのブースにて、ネプコンジャパン、あいち産業科学技術総合センターのブースにて、メッセナゴヤに展示されました。

    


    


■ 取材を終えて

大野社長の父親は27歳の若さで戦死(太平洋戦争)されたため、大野社長は父親との記憶が多くありません。そのため、父親の名前から社名をINUIとされました。地場産業を次世代へ残した気持ちの表れと感じました。

製品開発に当たり、あいち産業科学技術総合センターの存在が大きく寄与されていることを何度も言われました。小規模企業では製品に関するデータ収集等は非常にハードルが高いこと、専門知識からのアドバイスなどが製品開発の後押しとなっている現場の姿を垣間見ました。

    


参考  株式会社INUI
     常滑焼
     あいち産業科学技術総合センターニュース 2016 年 10 月号

     2015年10月29日 セラミックスファイバー向けコーティング材を開発.
     − あいち産業科学技術総合センター が企業と共同で開発 −
     2017年6月29日 金属部材の耐熱性・耐食性を向上させるコーティング材を開発
     − あいち産業科学技術総合センター が企業と共同で開発 −

 

取材・文 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行

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