1995年1月、淡路島・阪神地区を襲った阪神・淡路大震災。被災地からは、古く強度の劣った家屋が無残に崩れ落ちた姿が次々映像として送られた。その多くが建築基準法改正以前の耐震性の弱いことが原因で、比較的新しい瓦屋根の建造物は残っていたにもかかわらず、「屋根の瓦が重いせいだ」とされた。
これを機に、一時敬遠されたが、実物大モデルによる振動実験など業界の地道な広報が効を奏し、震災による倒壊の本当の原因が浸透するにつれ、逆に粘土瓦の良さが見直され、近年では人気を回復しつつある。屋根は建築物の中で最も環境の厳しい場所の一つ。耐久性、断熱性、耐塩性、遮音性に優れ、何より、錆や再塗装の必要がないなど長期間機能劣化がないというスレート屋根、板金屋根に比べると大きなメリットがある。
近年では「瓦」という言葉からすぐイメージされる「和型」とは異なる、洋風住宅にマッチしたS型、平型などデザイン重視の商品開発が進んでいる。
日本の三大瓦産地の中で、今最も元気の良い三州(半田、高浜、碧南、刈谷地域)にあって、商品開発力等で地域をリードする企業の一つが野安製瓦株式会社である。
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