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時代にマッチした快適を提供したい
内藤誠治 記事更新日.07.08.03
東海機器工業株式会社 代表取締役社長
■問合せ先
東海機器工業株式会社
〒452-0822 名古屋市西区中小田井2-300
TEL 052-501-9321(代)  FAX 052-503-6736
http://www.tokai-kiki.co.jp/
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■日本人に深く根付く「畳」製造機NO1

自宅のフローリング張りの床を歩くとき、スリッパを履いておられるだろうか。それでは、和室(畳敷き)に入るときはどうだろう。スリッパを履いたまま和室に入るだろうか?カーペット敷きの場所ではスリッパのままなのに、多くの方は和室では脱いでいるのでは?どうも我々日本人には「畳は清潔で履物を履いてはいけない場所」という意識がどこか奥深くにあるようだ。

日本人に深く根付いた「畳」の製造機、国内トップシェア45%を持つ企業が東海機器工業株式会社である。単純計算で、日本の畳の半数が当社の機械で作られていることになる。

■畳職人から大反発

当社は高度成長期の昭和34年、先代の木村日出雄社長により設立された。

畳の芯をつくる畳床製造機械につづき緑を縫いつける畳製造機械を開発。しかし、「俺たちの仕事を奪う気か」。畳製造機を売り込みにいった畳店ではこう怒鳴られた。「何年も修行してやっと独立したのに、こんなもの作られて俺たちはどうなるんだ」。

当時の家はすべて畳敷きの時代。高度成長とあいまって「あれば売れる」時代であった。人手不足で徹夜続き。当初は、激しい拒絶反応だったが「仕事を奪うのではなく、仕事をサポートする道具。導入すれば仕事もこなせるし、お客さんを待たせずにすむ」という認識が浸透し、受け入れられ始めた。

■キーワードは「サポート機械」

基本姿勢は、「畳製造機をつくるのではなく、畳店が使いやすい『サポート機械』を作る」こと。畳職人の作り方をそっくりそのままマシンに載せた。サイズは何尺何寸何分何厘で測る「尺貫法」を使い、標準サイズからどれだけ違う寸法か、例えば「江戸間の標準長5尺8寸から2寸小さい」という職人独特の採寸方法に対応している。さらに職人が使う「甘め(その寸法からちょっとだけ小さい)」「強め(ちょっとだけ大きい)」という「感触」の部分も対応できるようにした。「甘め」と設定するとその寸法に対して「刃物の内側で切り、わずかに小さな裁断となる程度」の微調整が可能になる。

両用機ロボット(ロボリード)とタッチパネル

■畳需要減少のピンチ

高度成長期の畳といえば黒い縁(へり)の1種類。それでも売れた。縁の色にバリエーションが出来ただけで目新しかった時代である。畳店も、ゼネコンや住宅メーカーからの注文に頼っていれば、問題なく受注でき、それにつれ畳製造機も順調に売上を伸ばし、シェアを拡大していった。

他社との競争の中、シェアの拡大を図ることができたのは、当地域に産業インフラに恵まれ、織機や縫製機器の協力会社が数多くあり、技術力も量産への対応力も高かったことも要因の一つである。

 しかし、住宅の洋風化が進展し、1993年をピークに畳の製造品出荷額は減少し始める(工業統計表より)。

 そうした傾向に追い討ちをかけたのが「畳床のワラからダニが発生する」という現象であった。従来の日本家屋にないほど住宅の密閉度があがり、大掃除の際の畳上げの習慣も減りダニの発生しやすい住環境になったため、一挙に顕在化することとなった。

ダニ対策は、畳床にワラではなくスチロール材、木材チップなどを使うことで一定の成果を得るのだが、住宅に対する価値観の多様化による需要減少の流れは変えられなかった。

■「健康畳店会」の取組

こうした状況を打開し、畳需要の拡大を図るため、やる気のある若手畳店経営者を中心に、「健康畳店会」を設立する。

「のびのびと足を伸ばしてリラックスする、ゴロンと横になる、ということをフローリングのような固い床ではできません。しかし、畳では気軽にできます。こうした畳の良いところを活かす方法を、私どものお客様である畳店様と一緒に考えていこう、ビジネスパートナーとして共に成長していこう、と考え『健康畳店会』を設立しました。畳需要が増えれば、当社の機械もお使いいただくチャンスも増えるわけです」。と現社長の内藤誠治氏。現在では950軒ほどが参加、情報交換のツールであるメーリングリストは450軒に達する。会員の大半は独立した人、父親のあとを継いだ人、ほとんどが個人商店であり、多くが職人気質の人。どう需要開拓していくか、という話題には当初は反応も薄かった。しかし、内藤社長から「だまされたと思ってやってみてください」と提供される情報やアドバイスにより、次第に「商売上手」が出現、中にはネット販売だけで年商2,000万円を超える経営者もでてきた。

併せて、新しい発想の商品も生まれてきた。
洋間向けに畳表をデニム地にした「デニムフロア」、カラーバリエーションのある半畳1枚の薄い畳を2段、3段に敷きこんで、それを上下入れ替えることで簡単に模様替えが簡単にできる「和室七変化」、その他樹脂材で構成した「洗える畳」、転倒しても衝撃を緩和する衝撃吸収体を使った「ふわふわ」など、ライフスタイルに対応した新しい和室空間の提案を始めている。

■ダニ対策用乾燥機が福祉機器へ

ダニ対策は思わぬビジネスへの皮切りとなった。

畳床のスチロール材への置き換えが進む一方で、従来畳については消毒・消臭を行う乾燥機を開発し、ダニ対策を講じようとした。この乾燥機に関心を示すユーザーがいた。

高齢医療の現場では衣類や寝具を介して人から人に伝染する疥癬が問題となり、免疫力の低い高齢者がひどいかゆみを伴う症状になるケースがあった。そのため、病院のベットマットの乾燥・消毒が必要とされていたが効果的な方法がなく、頭を痛めていた。そこに登場したのが当社の畳乾燥機である。畳乾燥機の技術を活用し、マット乾燥機はできないか、というニーズに基づき、技術の横展開を図った。同様のニーズは福祉施設にもあった。その後、介護保険により、家庭介護中心へと移行してからは、個人向けの介護用のレンタル用品ビジネスが伸び、同時に、レンタル品を消毒し再レンタルするニーズが発生した。

洗浄・消毒し、再レンタル、というニーズは介護用マットだけではなく、あらゆるレンタル品共通のものであった。中でも車椅子はタイヤまで手作業で掃除をしようとするとかなりの手間になる。そこで、車椅子の全自動洗浄・消毒機「トルネード」を開発、車輪の汚れまで自動洗浄を可能にした。

「畳事業から、当社の新しいビジネスモデルができたと考えています。介護保険制度の動向に合わせて修正をしていく必要があるとは思いますが、事業の大きな柱に育ちつつあります。福祉機器事業についても、『健康畳店会』同様、消毒代行・レンタル処理業者からなる『燦々会』を立ち上げ、地域の事業者とともに育っていこうと考えています。」

■変化するビジネス。地域ビジネスのお手伝いを

当社の事業の変遷は、住環境の変化・高齢化社会への対応と日本人の生活様式の変化を象徴的に映し出している。

「畳店も福祉事業業者も共にお宅の中までで入って商品やサービスをお届けする、という特徴があります。今後もこうした地域に密着したビジネスのお手伝いをしていきたいと考えています」。
 

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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