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全国で暮らしと水を結ぶ影武者、ユニークな環境活動で一躍注目
前田康雄 記事更新日.08.10.01
前田バルブ工業株式会社 代表取締役 社長
■問合せ先
前田バルブ工業株式会社
〒455-0027 名古屋市港区船見町29番1
TEL 052-618-3800(代)  FAX 052-618-3801
http://www.mvk.co.jp/
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■水道用バルブの製造販売で全国展開
現在、水道事業を行なっている自治体・事業体は全国で約2000。
戦後・経済成長期には、多くの自治体が技術陣を擁し、競うようにして独自の仕様を開発、インフラ網を広げていった。この結果、1950年に25%程度であった水道普及率は1980年には90%を超え、現在では97%となり、世界有数の水道普及率を実現させるまでになった。 道路の地中に張り巡らされた水道の配水管からは、「分水栓」を使い個別の住居の敷地への引き込まれ、さらに、給水を開始したり停止したりする「止水栓」を経て水道メーターへとつながり、住居までは配水管を「継手」でつなぎながら水道が引き込まれる。

こうした分水栓・止水栓・継手等の水道用バルブを、様々な自治体・事業体独自の仕様・要求に応え、製造、販売網を全国へ展開してきたのが前田バルブ工業株式会社である。

  サドル付き分水栓               ツインバルブ(止水栓)          JPポリジョイント(継手)

■1個オーダーから対応できる製造販売体制
前田バルブ工業鰍ヘ、現社長の前田康雄氏の父親である前田宣一氏が、戦後間もない1946年に創業した。創業当初は、自身が鋳物職人であった技術を活かし、蛇口等の給水栓・止水栓等の製造を始める。その後、競争激化となったのを受け、1968年に水道の地中埋設用の止水栓を開発、徐々に地中埋設用の水道用バルブや継手などの給水装置へとシフト、現在では水道用バルブを全国展開する5社のうちの1社となった。

地中埋設の配水管までは自治体のインフラであるが、そこから住居への引き込みは水道メーターを除き全て居住者負担となる。したがって、引き込みに使われる当社製品の販売先は、工事を行う各地域の指定工事店であり、工事店へのルートを持つ商社、水道組合等である。

全国展開は『全国の水道給水装置仕様に対して、1個オーダーから受けられる対応力』に支えられ実現した。その対応力は製造・販売面でのノウハウが活きている。

製造面では「1個オーダーに対応できるよう、多品種少ロット生産に対応できる体制作りをしてきました。また、即納体制への要求にも応えるため、1万点を超える部品を在庫として持っています。例えば、止水栓であれば、栓の開閉を行うハンドルの形状だけで7種類、これにハンドルの色、ネジの形状・種類等を掛け算することになるので、ご理解いただけると思います。加えて、古い仕様のオーダーも重なると、対応する仕様は数限りなくなります。しかし、こうした対応がその後のビジネスにつながるケースもあるので、対応力は非常に重要なのです。中には20年以上前の交換用バルブをオーダーされることもあります。」と前田社長。

販売面では「全国からのオーダーに対応できるには、データベース作りも欠かせません。同一製品であっても、自治体・事業体で呼び名が違うこともあれば、逆に同じ呼び名のオーダーであっても、自治体・事業体によって違う製品を指すこともあります。また、旧型製品のオーダーもあります。こうした先方呼称と当社の製品名とのマッチングができなければスムーズにオーダーを受けることができません。このためにもデータベースは必要なのです」。

■家庭を巻き込むユニークな環境活動で高い評価
当社の特徴の一つに「環境への取り組み」があげられる。
2005年に完成した港工場では、鋳物工場を天井採光による「照明レス」にし、省エネルギーを強く意識、周辺への塵埃や騒音の影響を極力低くする方策もとられている。こうしたハード面での対応に加え、従業員意識の高まりも進んでいる。

2003年にISO140001の認証を取得して以降、環境への意識が高まる中、従業員からの提案で「会社や家庭で出る空き缶を集めてポイント化し、従業員へ還元する」という制度ができあがる。「ここで考えたのが『家庭や従業員を巻き込む』ということでした。

そこで、家庭との関わりあいを増やすため、空き缶だけでなく、ウエスとして利用できる古着、書き損じはがき、古切手など、家庭で発生する不要物を集めることもポイント化しました。また、会社での活動を家庭に還元したいと考え、改善提案制度もポイント化し、たまったポイント数に応じてギフトカタログから自分の好きな品物を選ぶことができるようにしました。これにより、会社で貯まったポイントの使い道は、家族でカタログを見ながら考えることになりますので、少しは会社の活動が家庭にも伝わるのではと思っています。環境問題は、休憩時間には消灯するなどの会社内部だけでの活動だけで終わらせず、多くの人を巻き込んでいかなければ解決していきません。そう考え、従業員の家庭も巻き込んでいきたいと考えたのです」。

こうした活動に対し、独創的な環境活動として、名古屋市より「第1回名古屋市エコ事業所特別賞」を受賞するなど高く評価されている。

■油断せず外部の「ものさし」を当てる必要性
名古屋市エコ事業所特別賞を受けた2008年2月には、愛知ブランド企業の認定も受けている。実は、審査時に『落選させてくれ』とお願いした、とのこと。

「落選すれば、自分たちに何が足りなかったのか考え、今後の経営に活かしていけるのです。ともすると、企業は自分たちの物差しが内向きになりがちです。ですから『外部のものさし』で自社を見直すチャンスにしたいと考えたわけです。ですから、1回で認定していただいたことは非常に自信になりました」と現状を振り返ることを忘れない前田社長は今後の展開にも思いをめぐらせる。

「今後は、水道防災関係企業と協力して、スプリンクラー等の消火システムの取り扱いをしていきたいと考えています。グループホーム等での高齢者の火災事故が多発することに対応する形で、新築のグループホーム等では平成21年4月から改正消防法により、従来よりも小規模(入居者10人以上)の施設でも設置が義務付けられることになりました。消防・防災の分野は、当社の持つ販路が活用でき、かつ、同業他社がまだ進出していない分野です。既存の販路を活用し、当社の営業の幅を拡げ、かつ従来分野との相乗効果を狙っていきたいと考えています」と語る前田社長である。

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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