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地域ぐるみの地産地消モデルの実現を目指して
記事更新日.10.10.01
ダイニチ食品 株式会社 代表取締役会長
■問合せ先
ダイニチ食品 株式会社
〒476-0011 東海市富木島町東広52
TEL 052-604-1403戟@Fax 052-604-8660
http://www.dainichi-foods.co.jp/
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■「日本の食文化を守る高い志」で優良企業に
昭和34年設立以来51期連続黒字を続け、支払手形も実質的な借入金もなし。創業者から受け継がれる「企業は永遠に存在すべきもの」「無茶な投資はしない」「無駄遣いをしない」という教えを守り続け、自己資本比率は85%にまで達する。
東海市で漬物・惣菜などの製造販売を行うダイニチ食品株式会社である。
「一品入魂」のスローガンのもと、契約農家から仕入れる大根を独自の糖絞りにより漬けた「北海生一本」などのヒット商品を作り続け、年商は30億円を超える。

「漬物の魅力は、野菜を古来よりの加工方法でおいしく食べられるという点にあります。日本人の主食であるご飯は塩分を含んでおらず、これに対し食物繊維のある野菜を塩分などで加工して作られた漬物との相性はよく、長年広く日本人の食に親しまれてきました。
『日本の食文化を守るという高い志を持ち、その担い手の一員となる』という経営理念もこうした漬物の魅力を後世に伝えていく使命を表したものです」と三代目社長で現会長の日比野氏。

■全国展開から地域密着ビジネスへの転換
昭和23年名古屋市中央卸売市場で漬物部仲卸として個人創業後、昭和34年に法人化。経営規模の拡大とともに販売網も拡大、東京、金沢、静岡の他、県内では小牧、豊川などにも営業所を開設する。
しかし、展開先の中には地元でしっかり根を張ったライバル企業に勝てないケースも出始める。漬物は地元の生活者の口になじんでおり、参入者は苦戦を強いられた。「このビジネスは地元に密着こそが強いビジネスモデルとなる」と感じた日比野社長(当時)は営業所を徐々に閉鎖、地元でのビジネス展開に集中した。知多半島の人口は60万人ほど。当社のビジネスのパイとしては充分なボリュームがあると判断していた。地元でのビジネス展開を強化するため「地産地消」へ力を入れ始める。「その土地で育ったものを、その土地で育った人が食べる。幸い知多半島は多くの農産物があり、その点では商品開発に非常に有利でした」と日比野会長。今でこそ「地産地消」ブームであるが、これは今をさかのぼる、10年ほど前のことである。

■地元産品を掘り起こせ
地元の東海市の特産品は「フキ」。200種類あるフキの中で7割以上が愛知早生フキが栽培されているとのこと。愛知県のシェアは40%で全国トップ、その半分近くが東海市で作られている。当社がフキの加工食品を始める以前は、規格外品とされた原料が加工品に使われるケースも多かったが「地元産品で質の良いもの、美味しい物をつくりたい」と地元の農協と交渉、安定的に食材として調達することでその結びつきを強固なものにした。
フキを柔らかく煮て甘めに味付けした「きゃらぶき」は大ヒット、第45回全国推奨観光土産審査会では優秀な観光土産品にも選ばれ、フキの食材としての価値を大きく上げることに貢献した。
今では他の企業から「フキを使いたい」と農協に申し出があっても、当社の塩漬け原料の使用をすすめられるまでになっている。

「地産地消」というビジネスモデルを一層進めるため、現在は農業生産部を設置。3人の専属社員の下、白菜や大根他地元食材の生産を行っている。
「自社で作ったものを、自社で加工して、自社で直接食していただける方々に販売する、という事業のあり方を目指しています。現在はスーパーなどの小売店ルートが90%、業務用ルートが5%で、直販ルートはホテルや魚介類直売店など、まだ5%にしか過ぎません。小売ルートでは価格競争を避けて通ることができませんが、直販ルートでは自社で値決めを行ない販売することができるため、コストよりも『よいもの』『おいしいもの』に軸足を置くことが可能となります。それほど直販ルートの開拓というのは魅力のあることなのですが、同時にどうやってお客様に来てもらうかということが大きな課題にもなります。そこで、漬物単独でセールスを伸ばすのではなく、食事処などを開設し、そこで口にしていただきご利用につなげていく、という方法を考えています。そして、作物の生産や直販ルートの運営には地域の高齢者の知恵や力を活用するという『地域あげての地産地消』を実現したいと考えています」。
こうした「地産地消」が掛け声だけに終わらないよう一品入魂の精神で、商品開発には余念が無い。 「地元の隠れた食材探しには常にアンテナを張っています。知多市には、非常にすばらしい椎茸の生産者の方がおられ、うっそうとした竹林の中で良質の椎茸を作られています。加工した際にはフワっと椎茸の良い香りがあたりに充満し、質の良さを実感できます。中国産の材料ではこれほどの香りはとても出ないですね。このように地元ですばらしい食材を生産しておられる方を今後も見つけて商品化していきたいと考えています」。

■心の経営で勝つ「当たり前のことを当たり前に」
黒字続きの当社といえども、近年のデフレ傾向には警戒感を強める。
「今までの不景気時には、外食が減り内食化するため売上が上がる傾向にありました。しかし、100年に1度といわれるこの不況とデフレにより、安い外食店がどんどんできたため従来のように内食化とはならず、漬物の購買も減る傾向にあります。これは、今までの不況と大きく違っており、今後の動向には注意していかねばなりません」。
こうした時代を乗り切るには「心の経営」が大切だと日比野会長は語る。 「価格競争により、どのメーカーも原材料費率が高くなり、価格での差が無くなってきています。その結果、独自性のある商品づくりと共に求められるのは人間力ではないかと考えています。不景気で業績が思うように上がらなくなったり、従業員自身が目標を見失ってしまっていたりすると、モチベーションが下がり、自分が何をすべきかがわからなくなってしまいがちです。こうなると、元気にお取引先を訪問しニーズをつかみ様々な提案を行なう、お客様に喜んでいただくために新しい食材を探し商品を開発する、安心安全な商品をつくる、という『当たり前のことを当たり前に行う』ということができなくなっていってしまいます。苦しい時であっても、『当たり前のことを当たり前に』を忘れず徹底して行うために、日頃から朝礼で小冊子を使い、このことを繰り返し社員に問いかけ続けています」。
経営理念の「日本の食文化を守るという高い志」はここから生まれる。

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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