株式会社明和は、トヨタ系の企業で金型職人として働いていた先代が独立し、1961年株式会社明和鉄工所を設立したことに始まる。当初は自動車部品や金型部品をトヨタ系列の企業へ納入していたが1963年よりF社との取引が始まり、旋盤の刃物をスライドさせる部品などを納入していた。
様々な部品を加工・納入する中、板金加工やプレス、金型技術とロボットや工作機械等のシステムを組み合わせて試作から量産まで行なう複合加工によるモノづくり技術と、不良品をほとんど出さない高品質、ミクロン単位の高精度を自社の強みとするようになった。
こうした複合加工技術を持つことから、1981年よりチップマウンターのテープフィーダーを受注、その後、F社から、世界で始めて専用の部品認識カメラで測定して補正を行ない部品の搭載精度を高めた機能を持つCP-2という機種が発売されるや、世界的に売れるようになり、当社も自動車部品からテープフィーダーに主軸を置くようになっていった。当初はメカだけの構造だったが、後に電子部品基盤も組み込まれるようになり、今では部品がいくつ残ってるか等の情報を本体とやり取りするような機能を持つまでになった。
テープを剥離しつつ、テープ内の微小な部品を毎秒10個という高速かつ正確に供給するため、供給部の加工精度は5/100mmの精度が要求される。こうした技術レベルにも応えられる当社は、サプライチェーンの重要なサプライヤーとして現在月産1万台を数える。
当社の加工精度やコスト競争力を支えるのは徹底した無人化加工ラインにある。
例えば、アルミダイキャスト筐体は無人化自動加工ラインでダイキャスト素材から筐体へと仕上げられる。素材の取り出しからバリ取り、洗浄、切削油や切子落としはもとより、レーザーセンサーや損傷センサーなどによりダイキャストの割れの有無や寸法・形状測定までを24時間全自動で全数検査を行なっている。この他、プレス部品の供給加工、切削加工ラインなども無人化されている。
|