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異型鍛造をニッチ市場で拡げろ
平松孝章 記事更新日.13.04.05
株式会社平松製作所 代表取締役
■問い合せ先
株式会社平松製作所
〒457-0823 名古屋市南区元塩町六丁目一番地
Tel 052-612-9761   Fax 052-613-3544
http://www.hiramatsu-sei.co.jp
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現代社会で欠かせないインフラの一つ、電気。発電所から我々のもとへ、100mを超える鉄塔で吊るされた高圧電線により電気が供給される。鉄塔に高圧電線を吊るす送電用架線金具を始めとした重要保安部品を、熱間鍛造で製造するのが株式会社平松製作所である。



■異型鍛造と建築金物を主力に80年

当社の創業は昭和5年におこった昭和恐慌の傷跡も生々しい昭和8年。
「先々代の勤務先の商社が廃業し、その取引先をもらう形で独立をしたようです。分けられた取引先には日本碍子(株)(現在の日本ガイシ株式会社)の他、建設金物関係の会社が多くありました。こうしたご縁で、創業から一貫して『送電用架線金具』『建築金物』の分野で現在まで仕事をしています。

ただ、独立当初は、商社時代の取引があったからといって、簡単にお取引を始めていただけるところは少なく、祖父からは、まずは守衛さんと仲良くなるために入り口の守衛室へ日参した、という苦労話も聞き覚えがあります。昭和20年に戦災で消失しましたが、28年には豊川の軍需工場で働いていた技術者を雇用したことが当社のものづくりの基盤となっています」と現社長の平松孝章氏。

日本碍子との取引がきっかけで複雑形状の鍛造である「異形鍛造」と「多品種少量」の出発点。80年の歴史の中で職人から職人へ技術と知識の継承により高い技術力を実現し、熱間鍛造・溶断・熱処理・機械加工・アッセンブリーまで一貫生産が可能となっている。創業以来の「送電用架線金具」、1970年頃に市場を確立した「建築用アルミ手すり」、平成15年頃からは「建機部品」が加わり、現在はこの3分野が大きな柱となっている。

■熟練度や会社ごとのカラーが出やすい熱間ハンマー鍛造

当社の熱間鍛造はエアースタンプハンマーといわれる鍛造機を使用しています。
エアースタンプハンマーはプレス鍛造と違いペダルの踏み加減により型打ちの強弱やスピードを調整できる為、異形製品の成型に向いています。

しかし、作業者の熟練度が要求されます。
例えば、経験の浅い作業者が鍛造すると製品が厚く仕上がる場合があります。
これは手際が悪く素材を加熱してから鍛造するまでの時間が長くなり、その間に素材の温度が下がり素材が硬くなり成型しきれないために起こる現象です。

鍛造型にも会社ごとのノウハウが詰まっています。
例えば、製品が型から抜けやすくする為の「抜け勾配」、複雑な形状を成型する為に必要な「荒地」・「ばり代」、作業効率の無駄をなくす「型の方案」などです。

当社はお客様が求める数量・品質・納期を満たすべく、長年培った技術を活かしながらのもづくりを行なっています。


■2tスタンプハンマーでニッチ市場を確保

当社の鍛造加工の大きな特徴。
それは3kg程度までの鍛造が可能な1tスタンプハンマーと、15kg程度までの鍛造が可能な2tスタンプハンマーの存在。特に2tハンマーは、この地域の同業者で持っているところはほとんどなく、いわばニッチな分野となっている。

これは、振動や音が大きいこともその一因であるが、当地域では数量が多い自動車部品を製造している鍛造メーカーがほとんどで、こうした企業ではあえて2tハンマーの設備投資をせずとも仕事量が確保できるためである。

当社では創業当時から電力会社向け送電鉄塔用鍛造金具などの製造のため大型のスタンプハンマーが必要であった。この2tハンマーで作られる鍛造品はほとんどが重要保安部品。送電鉄塔用金具は多品種少量で、コスト的には型を作って鍛造するよりも切削加工するほうが安価になるものが多いが、重要保安部品では鍛造加工により材料の組織が密となり、引張り強度や硬さが向上するメリットの方が重要視される。

「2tハンマーを持っていることで、結果的に他社と差別化することができています。架線金具は国内での市場規模は50億円程度と言われており、国内のライバルも少なく、また海外からの進出もなく、安定したニッチ市場となっています。また、建機部品では、キャタピラの部品となる『マスターリンク』などの比較的大きく、強度が要求される部品も2tハンマーで鍛造しています。形状が複雑で形状も大きく数も少ないのですが、こちらの分野もニッチな市場として、当社の安定した経営基盤となっています」。


■地域有数のアルミ手すり製造施工実績

鍛造と並ぶ事業の柱はアルミ手すり。
創業以来、建設会社へのサプライヤーの役割を担っている。現在この分野での主力は、ベランダなどに設置するアルミ手すりの製造施工である。1970年代に大手建材メーカーと連携して東海地区の市場を開拓、当時は主に官公庁向けで公営住宅では大きなシェアを占めるまでになった。その後民間マンション業者向け市場にも進出、現在も東海地区では多くの大型物件を受注し、売上の1/3を占める主力事業の一つである。


■お客様に気付かされた販売の本質

これらに加え、ホームページによる受注にも力を入れている。
「いろいろなお問合せを頂く中で、お客様から教えられることも多くあります。最近お取引いただいた案件は、東北地方のスキー場で使われるゴンドラを吊るす部品の受注でした。そのお客様は東北地方で機械加工をされているのですが、鍛造メーカーとの取引はほとんど無く、インターネットで鍛造メーカーを探していたところ、弊社のホームページを見つけ、製造業の集積地・名古屋で80年鍛造をしているところに魅力を感じて頂きました。

今までの事業からすると、かけ離れた感じがしましたが、よくよく考えてみればゴンドラ部品と送電用架線金具には「重量物を連結する・吊るす」という共通点があることに気づきました。今までは、お客様の事業分野にとらわれ製品の要素・仕様用途については目を向けていませんでした。切り口を変えることにより販路は一気に広がることが分かってきました。今後はこうしたユーザー目線で『機能面』からの需要開拓をめざして行きたいと考えています。」と今後の展開を語る平松社長である。


 

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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