当社の鍛造加工の大きな特徴。
それは3kg程度までの鍛造が可能な1tスタンプハンマーと、15kg程度までの鍛造が可能な2tスタンプハンマーの存在。特に2tハンマーは、この地域の同業者で持っているところはほとんどなく、いわばニッチな分野となっている。
これは、振動や音が大きいこともその一因であるが、当地域では数量が多い自動車部品を製造している鍛造メーカーがほとんどで、こうした企業ではあえて2tハンマーの設備投資をせずとも仕事量が確保できるためである。
当社では創業当時から電力会社向け送電鉄塔用鍛造金具などの製造のため大型のスタンプハンマーが必要であった。この2tハンマーで作られる鍛造品はほとんどが重要保安部品。送電鉄塔用金具は多品種少量で、コスト的には型を作って鍛造するよりも切削加工するほうが安価になるものが多いが、重要保安部品では鍛造加工により材料の組織が密となり、引張り強度や硬さが向上するメリットの方が重要視される。
「2tハンマーを持っていることで、結果的に他社と差別化することができています。架線金具は国内での市場規模は50億円程度と言われており、国内のライバルも少なく、また海外からの進出もなく、安定したニッチ市場となっています。また、建機部品では、キャタピラの部品となる『マスターリンク』などの比較的大きく、強度が要求される部品も2tハンマーで鍛造しています。形状が複雑で形状も大きく数も少ないのですが、こちらの分野もニッチな市場として、当社の安定した経営基盤となっています」。
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