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光造形金型で「ものづくり革命」を巻き起こせ
代表取締役 倉知 厚徳 記事更新日.2013.10
株式会社 メイク
■問い合せ先
株式会社 メイク
〒474-0071 愛知県大府市梶田町一丁目23番地
Tel 0562-45-4680   Fax 0562-45-4681
http://www.meiku59.co.jp/
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射出成形のトータル企業

 金属光造形法は、金属の粉末材料をレーザー光などの熱加工で一層一層焼結させて積み上げ、立体形状を形成する工法である。3次元CADにより設計された金型形状をそのまま作成できる特徴を有し、複雑な形状加工が可能である。この技術を射出成形型の成形の実用化に向けた取り組みが、ナショナルプロジェクトであるNEDOの「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択されたのが株式会社メイクである。

株式会社メイクは現社長の倉知厚徳氏が1990年に創業、翌年には法人化、株式会社となったのは2005年のこと。創業以来、毎年1人ずつ雇用を増やし、現在は60名にまでに成長した。 事業も創業当初は金型部品の下請をしていたが、射出成形型メーカーへ、さらには射出成形へも進出、今では樹脂成形の製品設計から金型製作、製品製造までトータル事業として、自動車内外装プラスチック部品を製作する金型製造とその金型を使用した射出成形加工が主力となっている。


道なき道、金属光造形型への挑戦

 現在、大きな反響を呼んでいるのが「金属光造形」による造形技術である。
「2003年頃から光造形による金型作り技術には関心を寄せていましたが、精度や硬さの面でまだまだ使い物にならないと感じていました。ところがその5年後には実用性に現実味を帯びてくるレベルになったのを覚えています。社員も40名を抱えて、金型・樹脂成形も競争が厳しく、何らかの手を打つ必要性を感じている頃でした」と倉知社長。

しかし、事業化のメドも見えないのに高価なマシンに設備投資するのは中小企業ではギャンブルに近い。
チャンスが巡ってきたのは2012年。愛知県の新あいち創造研究開発補助金に「高機能金型を用いた複雑形状プラスチック製品の成型技術確立と生産性向上の研究開発」というテーマで開発案件が採択されたのである。この補助金により日本で数台しか導入されていない、光造形と切削加工を並行して行うことができる最新鋭の金属粉末光造形複合加工機を導入し、成形技術の開発を始める。

 「喜び勇んで導入したのはいいのですが、実務で使おうとすると導入した企業がまだごく僅かで、どこにも聞くことができず、当初はトライ・アンド・エラーの繰り返しでした。しかし、開発目標をクリアすることで、社内的知見もかなり構築できました。その結果、最近では、多くの大企業の方々をはじめとして、週に1社は見学に来られます。リーマンショック以降、ここ2〜3年はコストダウンと品質管理で悩んできたのですが、こうした最先端の取り組みを行うことにより、社員も私も新たな夢が見られますし、社員の士気も上がります。と同時に、社員は『山頂に立つとより高い山の頂がその先に見える』ようなもので、新たな課題を次から次へと背負い込むことになってしまうのですが、前向きな悩みですので贅沢な苦労かもしれません。かく言う社長の私は、この技術を売り込むため営業本部長兼広報部長という役回りも背負い込んでいるのですが」と苦笑いする倉知社長。

「現在は、光造形と切削加工を並行して行うことができる特徴を活かし、大きさ、形状、強度、精度、コスト面などの様々な制約条件下において、この設備で最適金型づくりができる加工条件を切り分けているところです」。


「二刀流」企業だからできるアプローチ

 当社の大きな特徴である型製造と射出成形の「二刀流」。射出成形メーカーのニーズ・悩みを自らが熟知しているため、それを型メーカーの型製造技術でどう解決することができるか、という視点で型開発ができるというアドバンテージを持つ。 射出成形では、閉じられた金型内に溶かされた樹脂が射出されることで成形する。ところが金型が完全に閉じていては、その中にあった空気が圧縮され、充填不良を生じたり、空気やガスが圧縮されて高温になり、成形品に焼けや焦げが発生したりしてしまう。このため、金型にはエアベントと呼ばれる空気の逃げ道を付けるが、大きな空気抜きをつければバリになり、小さすぎると空気が抜けない。エアベントは射出成形にとって宿命とも言える課題である。

 また、樹脂射出後の冷却は、安定した樹脂成形物を製造するためには非常な重要な工程である。生産性向上のためには成形物を早く型から外したい。そのためには、冷却がムラなく、効率よく、早く行われる必要がある。こうした目的のため、型には冷却用の水路が作られるが、従来は切削で冷却回路をつくるため直線状でしか設計できず、冷却回路の設計は非常にノウハウが要求される技術である。

 射出成形において材料の入り口であるスプル―の温度コントロール(冷却or温調)が可能となる『螺旋ブッシュリング』を金属光造形技術を用いて開発し、特許出願しました。
成形サイクルのハイサイクル化、省エネ化に役立ちます。また、使用中の金型に対しても簡単な工事で取り付けが可能となります。

こうした射出成形型が射出成形時に抱える大きな課題を、光造形金型により解決していこうというのが当社のアプローチである。 光造形により、肉眼では見えないほどのポーラス構造(多孔質構造)の積層造形を行い、エアベントの代わりに金型に内蔵することで射出成形型の宿命的課題である空気抜きの問題を解決、さらに、積層造形であるため、予め冷却回路を螺旋状など、従来の切削加工上の制約条件を取り払った新たな発想の設計することも可能となり、射出成形型の従来ではありえなかった提案が可能になり反響呼んでいる。

「従来の技術と、新しい技術の融合により、射出成形型と射出成形の高度化が実現できるポテンシャルを持っています。型メーカーだけの発想ではなく、成形メーカーと一体になり工夫を重ねることで、日本から海外へ流出してしまった型や成形の仕事が再びより高度な技術となって日本へ取り戻すことが可能になるのです」と先を見る倉知社長である。




取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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