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電源ひとつでどこでも簡単に空気からきれいな飲み水を

代表取締役 石川 綾子

記事更新日.2017.4

有限会社テル

■問い合せ先
有限会社テル
〒491-0871  一宮市浅野字外裏33番地

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海外展開を目指す企業が増える中、法人設立、工場建設、設備調達、販路開拓といった海外展開支援を行う企業も増えている。そうした海外プロジェクト支援に携わる中、駐在員に最初に立ちふさがる大きな悩みにまで踏み込んでいる企業は数少ない。
その中のひとつが「飲料水」。海外プロジェクトで関わった人の多くが、飲料水が合わずに苦しんでいるのを目の当たりにし、この悩みを「電源ひとつで、空気中から飲料水を取り出す」という飲料水生成機を開発し解決に導くのが有限会社テルである。


海外現地工場立ち上げプロジェクト支援で全世界へ

(有)テルは、平成15年12月設立。技術顧問の石川正弘氏はプラスチック金型・製品・試作品製造を行う企業の経営者であったが、技術力を別の形で活かすため経営はご子息に任せ、自身は大手自動車メーカーのテクニカルアドバイザーという立場で設立以来、工場や製造ラインの立ち上げなど海外現地調達化プロジェクトに関わり、オーストラリア、インド、ブラジル、マレーシア、南アフリカ、アルゼンチンなどを対象にアドバイザー契約を実現させている。

特にスタッフの育成には時間をかけており、採用後最初に担うのは、国内での3次元CADの設計を行い自動車部品の試作、量産金型製造業務を行っている。社内には日本人スタッフだけでなく外国籍のスタッフもおり、設計技術や管理技術だけではなく、自然と海外の人たちとのコミュニケーションスキルを習得することができる。一定の技術水準に達した段階で初めて取引先への派遣や支援を行っている。

「グローバルな視野で、お客様の困っていることやご要望にお応えできる提案や技術支援によりものづくりに関わっていくのが当社の役割です。そのためには従業員の技術力アップやグローバル・コミュニケーション能力の向上に日々努めています」と語るのは昨年4月に社長に就任した石川綾子氏。



海外赴任者の悩み「飲料水」

こうした海外支援の過程で開発されたのが、飲料水生成機「泉せせらぎ」である 。
「新興国の海外支援へ行くと水が悪くて嘔吐するということは頻繁にあることで、ペットボトルの水を飲んでも腹を下してしまうということですら日常的です。飲料水が蛇口から出てくるのはまだいい方で、井戸が掘ってある場所がトイレのそばで、そこから出る水は細菌だらけだったということすらあります。日本からカレーライスとペットボトル持参したとしてもそれは長続きせず、結局は食事と水が合わずに帰国する人を多く見てきました」と新興国の飲料水事情を語るのは石川正弘氏。


簡素な構造により軽量化と大量の飲料水を実現

空気から水を得る原理は、冬場に起こる「結露」を連想するとわかりやすい。特殊フィルターに吸着した空気を熱で温め、外気との温度差により水が発生、これをセラミックと活性炭で構成される0.5ミクロンのドームフィルターでろ過し一旦タンクに貯める。さらにこれを抗菌剤により清潔に保った状態で飲料水として提供される。


「軽量化のためには極力単純な構造を実現するようにしました。それだけに、使用するフィルター、活性炭等の浄化のための素材の良し悪しは直接浄化能力に直結するため、製造現場や素材の調達現場、サンプル品の試用・検証など仕様の決定には多くの時間を費やしました」。

その結果、1日で生成できる飲料水は4リットル。硬度は6mg/Lと超軟水(硬水と軟水の境目は120程度とされる)のため、口当たりがよく、お茶を作ることや繊細な味わいが必要な煮物料理などの調理に向くと言われている。マシンも幅22cm×奥行き38cm×高さ70cm、重さ約8.4kgと当初目標の「どこにでも持ち運べる」を実現。


離島でのモニター結果は上々、「水道」が不便な現場から引き合い

試作品を完成させた後、テストモニターに選んだのは石垣島と西表島との間に位置する離島「小浜島」。そこでは西表島から海底送水管による供給に頼っているが、老朽化に加え、生活水準の向上とともに良質な水の確保が求められている。そこでリゾート施設に設置したところ、水道水に不安を覚えていたお母さんが赤ちゃんのミルク用に利用するなど好評を博している。



また環境モデル都市のひとつである宮古島市役所のエコアイランド推進課とも、地球にやさしい環境づくりについてご提案しています。

こうして「泉せせらぎ」という製品名で、3月中旬より出荷が開始されている。価格も、既存機の米国産のマシンが1台50万円であるのに対し、当機は15万円(税別)を実現。
全国各地から「災害時で家族の飲料水を確保したい」「水道管が引けない建設現場で使いたい」「半導体部品の現場で乾燥機を回しているが、同じ電気代を払うなら飲料水が生成される当機を導入したい」などのオファーや大手飲料水メーカーからの引き合いもあり、代理店契約を希望する企業も多数出てきている。

「すでに、愛西市や新城市の公共施設である『道の駅』や、地元一宮市にある『国営木曽三川公園ツインアーチ138展望台』での試飲会や、豊田市の『とよたエコフルタウン』の環境ブースパビリオンに出展、プリウスの外部給電機能を活用して災害に強い地域作りを検証する『とよたSakuraプロジェクト』イベントへの参加を通じて、多くの方に体験していただきました。災害時や海外赴任時というニーズだけでなく、こうした活動を通じてより多くの方に『コンセント1つで空気から水を作る』という可能性を知っていただきたいと考えています」。






取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       
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