有限会社野田工業製作所の創業は1946年。当時は繊維機械関連のプレス・製缶・溶接などを行っていた。工作機械需要の高まりとともに工作機械カバーの受注も増え、リーマンショックの直前2007年度には売上の半分以上を占めるまでになっていた。しかし、リーマン後は業界の再編も相まって受注が大幅に減少、その穴を埋めるためいろいろな仕事を受注したが、結局赤字は3年続くことになる。
「この時、気づいたのです。安い仕事を取るということは、自社の大切な社員の価値を下げることだと。一所懸命働いてくれている社員に申し訳ないと考え、2012年に値上げ交渉をしました。価格が合わないなど失注するケースも増え、売上はさらに2割減少したのですが、逆に黒字化を実現しました。これをきっかけに独自の技術力で付加価値が確保できる製造業への転換を図っていこうと考えたのです」と野田社長。
板金製缶加工を中心に設計・部品製作・塗装などの表面加工・組付・電気制御などの技術を内製化した一貫請負体制を強みに、治工具、工作機カバー、搬送装置の他、無人化・自動化装置の設計といったロボットインテグレーターの仕事まで対応。過去には機関車の車体や神社の鳥居や提灯塔といった特殊オーダーもある。
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