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  トップ > IT特集 > <小規模ネットワーク>ある日ネットワーク管理者になりました!そのときあなたは…(前篇)
<小規模ネットワーク>
ある日ネットワーク管理者になりました!
そのときあなたは…(前篇)
阿部 晋也 記事更新日.08.09.01
愛知工業大学 経営情報科学部 非常勤講師
システム開発・楽曲制作・教育研修・DVD制作
Orange-Piece(オレンジピース)

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1.はじめに
前の担当者が辞めてしまって、ある日突然ネットワークの管理を命ぜられた…という時、コンピュータに対するスキルやネットワークに対するスキルを考えると、不安な気持ちでいっぱいになってしまうかもしれません。「あの人はコンピュータに詳しいから…」という単純な理由だけでネットワーク管理を押しつけられたり、まったくコンピュータに詳しい人が社内にいないので渋々引きうけたりする場合もあるでしょう。
もともと、コンピュータのスキルは技術分野によって、バラツキがあって当然です。ハードウェアに詳しい、インターネットに詳しいなどのように、得意分野がありますから、「コンピュータに詳しい=ネットワークに詳しい」とはならないのです。
今回は、(渋々?)ネットワークの管理を担当することになったと想定して、ネットワーク管理の基礎を考えていきます。前回のセキュリティ編と同様に、2回に分けて、お送りします。前半はネットワーク管理の基本方針を確認していきたいと思います。
2.まずは「構成管理」から
● コンピュータに終わらないネットワークの世界
「ネットワークといっても、あれだろ?コンピュータの世界なんだから、パソコンでチョチョとできるだろ?!」という社長様の声を聞きました。いえいえ、ネットワークの世界は、電話の世界の延長です。もっと簡単にご説明しますと、乾電池と豆電球を導線で繋いで初めて電気が付くのと同じぐらいの基底技術があるわけですから、残念ながら「パソコンでチョチョとできる」ものではありません。
● ともかく現状を記録しておく
こういう話の展開になりますと、コンピュータ同士が繋がる仕組みを学習することになりますが、技術的な展開になりやすいので、割愛します(注1)。ここではまず、ネットワークの構成を考えるときに必要な要素だけを列挙してみましょう。
構成管理の主な項目
構成要素 概要
拠点構成ネットワーク図 LANとWANの関係を示す(注2)。インターネットやその他電気通信事業者のネットワークなどの種類や帯域幅(速度)、事業部や支店単位の代表的なIPアドレス(注3)などを記録。
ネットワーク構成図 ネットワークの設定だけを簡易的な図で表した論理ネットワーク図や物理的な配線などを含めた物理ネットワーク図を示す。障害発生時に役立つ。
ネットワーク配線図 建物の見取図を元にフロア内の配線、フロアとフロアの基幹的な配線、また電力線なども含めます。ネットワークの敷設工事のときに使用されます。
(注1)「ネットワークお助けマニュアル」などには、操作が詳しく書いてありますので、ぜひご参照ください。
(注2)LAN(Local Area Network):事業部内や支店内などの敷地内のネットワーク、WAN(Wide Area Network):インターネットなど敷地外のネットワーク
(注3)IPアドレス:コンピュータネットワークにおける「住所」のような存在で、コンピュータとコンピュータを識別するための特別な番号と考えることができる。「ネットワークお助けマニュアル」の「インターネットで使われている技術」をご参照ください。
▼<例>拠点ネットワーク図
各支店からの情報は本社で吸収していることがわかる。また、本社を経由してインターネット接続されていることがわかる。このような図があると、各拠点間がどのように接続されているのか、おおよその見当はつき、ネットワーク規模を把握しやすい。
▼<例>物理ネットワーク構成図
この図では何がいいたいのか明確にした上で、記載する。余分な情報は混乱のもとになる。Microsoft ExcelやMicrosoft Visioなどのソフトウェアを使って、できる範囲で作図する。
これらの要素は、ネットワーク管理の中でも「構成管理」と呼ばれる内容です。この中には、現在のネットワーク、あるいはこれから構築しようとしているネットワークに必要な機材の種類や設定が含まれます。小規模なネットワークになると、「構成管理」がされていないケースが多く見受けられます。単純に、ネットワークの情報が書類として保管されていないということです。まずはネットワークの構成図を記録することから始めましょう。
構成図以外にもネットワーク機器リスト、ネットワーク機器設定内容を抜粋したもの、ネットワーク構成の変更履歴、保守履歴、ネットワーク機器業者担当者リストなどを用意します。特にネットワーク機器業者担当者リストは問い合わせ先になるので、作成しておくことをお勧めします。
<例>ネットワーク機器業者担当者リスト
分野 機材名 納入会社/担当者名 連絡先
ネットワーク機材 ブロードバンド
ルータ
BBR-1002EX
○○ネットワーク工事
株式会社/○○ ○○様
(***)123-4567
携帯:
(090)****-****
ネットワーク機材 スイッチング
ハブ
SW-092947V
プロバイダ ○○○ブロードキャストネットワーク ○○○ブロードキャストネットワーク
カスタマーセンター
(0120)999-****
※平日9時-18時
3.障害が起こったときの情報分析に「構成管理」が役立つ
構成を記録することは正直手間です。実際にフロアカーペットをめくって配線を確認したり、フロアを行ったり来たりして、機器を足で確認します。こうして作成された「構成管理」の情報は、障害が起こったときに役立ちます。
例えば、「インターネットにつながらない」という障害が発生したとしましょう。初期調査にお伺いし、「ネットワークの情報を教えてください」とお訊ねすると、「君はコンピュータの専門家だからと、調べてくれたまえ」と指示されることがあります。そのような場合には、必要に応じて、コンピュータ全台を調査することになります。障害となっているコンピュータが主たる原因ではなく、他のコンピュータがネットワークに影響を及ぼしている場合もあるからです。これでは、処置の遅延にもつながり、あまり効率的ではありません。まずネットワーク構成(コンピュータの機材も含む)を把握したうえで、見当をつけて、処置を考えていきたいところです。
また障害が起きてしまってからの状態では、様々な変更が加えられてしまっているかもしれません。その状態では「どこからが故障で、どこまでが正常か」ということを調べることが困難になります。もちろん一般論と照らし合わせて、あきらかに間違っているということを指摘し、修正することは可能ですが、その修正が他の機材に影響を及ぼすかもしれません。このような側面を考えても、正しい設定が記録されているということはネットワークのエンジニアにとって一つの安心になります。
4.五つの管理カテゴリ
さて、ネットワーク管理は「構成管理」だけではありません。その他のネットワーク管理要素も確認しておきましょう。ネットワーク管理にはOSI(注4)の「FCAPS(エフキャプス)モデル」という用語があります。先ほど登場した「構成管理」も「FCAPS」の一つです。
FCAPSモデルの概要
管理名 概要
障害管理
Fault Managemen
・障害発生時の対応策をマニュアル化しておく。
・過去に起こった障害内容を記録しておき、その障害に対応した対策も記録しておく。
構成管理
Configuration Management
・ネットワークの機器や構成を把握しておく。それぞれの機器がどのフロアに設置されているか、フロアがどのような配線になっているかも記録する。
・ネットワーク管理ソフトなどを利用すると、これに必要な図や表を作成できる。
課金管理
Accounting Management
・どのユーザがどのようなネットワーク資源を利用したかを記録しておき、経費配分を行う。
・中小企業の場合は、プロバイダ(注5)や通信回線の費用と考える。
性能管理
Performance Management
・機器の処理能力が限界を超えていないかどうか性能を維持管理する。
SNMP(Simple Network Management Protocol、注6)に対応したネットワーク機器であれば、ネットワーク管理ソフトを使って、遠隔からチェックが可能
機密管理
Security Management
・悪意のあるユーザがサーバに不正にアクセスし、データを改ざんしたり、盗み取ったりしないように防ぐ仕組みを構築する。
・どのユーザにどのようなアクセス権限を与えたのかを表にまとめておく。
(注4)Open Systems Interconnection(開放型システム間相互接続):1977年にISO(国際標準化機構)により制定。異なるシステム間のデータ通信を可能にしたネットワーク設計の方針。
(注5)インターネットの接続業者
(注6)SNMPはプロトコル(通信ルール)の一つ
「FCAPS」はネットワーク管理の指針と考えることができ、最低限の方針となります。この特集ですべてを扱うことができませんが、記録を残す時の大きな指針として、ぜひ参考にしてください。
5.ITリーダー養成研修 コースへのお誘い
AIBSC(あいち産業振興機構)では、平成20年度 ITリーダー養成研修として、「基礎から学ぶネットワーク(LAN入門)」、「ネットワークの管理と運用(ネットワーク応用)」を開催しており、私が解説を担当します。
▼基礎から学ぶネットワーク(LAN入門) (編集注:募集は終了しました)
http://www.aibsc.jp/tabid/314/Default.aspx
▼ネットワークの管理と運用(ネットワーク応用)
http://www.aibsc.jp/tabid/315/Default.aspx
IT特集ではなかなかすべてを解説することはできませんが、ぜひハンズオンセミナー(実際にパソコンを操作しながら…)形式でネットワーク知識を体系的に学習してみませんか?皆さんからのご質問もお受けしながら、去年以上にパワーアップしてお送りしたいと考えております。多くの方のご参加を心からお待ちしております。
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