今回は「A日程だけの参加者のリストを作成する」操作を登録してみたいと思います。
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マクロ機能を使って、操作を登録する前にやっておくべきことがあります。それは、操作手順を確認しておくということです。やみくもに操作を登録しても、後で役に立たないマクロになってしまいますから、操作手順を事前にチェックしておき、何度も繰り返して使うことができる操作かどうか検討しておくことがマクロの記録のコツといえます。
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●記録する前に操作を再確認しておく
記録するイメージは、テレビ番組の録画と同じような感覚です。ある画面で、[OK]ボタンをクリックすると、記録が開始され、後述する[記録停止]ボタンをクリックすると、記録が終了します。
「A日程だけの参加者のリストを作成する」操作のおおまかな操作手順を確認しておきましょう。
(1)リストの1行目のセルを選択する
(2)「データ/フィルタ/オートフィルタ」を選択する
(3)「A日程」の列から「○」を選択する
(4)データが含まれている表全体をコピーする
(5)「A日程」ワークシートに表全体を貼り付ける
(6)余分な列を削除する
これぐらいの操作であれば、簡単にできると思われるかもしれません。しかし、(1)〜(6)までの作業に対し、1クリックごとの操作があるとすると少なくとも6クリック以上の操作が必要になります。これがボタン一つの操作で済み、1クリックで完了するとなると、たいへん魅力的だと思いませんか。
1クリックの操作で完了するために、まだ考えておかなければいけない点があります。それについて、ご紹介しましょう。
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●キーボードショートカットを覚えておく
Excelのマクロ機能では、ユーザーが行う操作のひとつひとつを正確に記録すると考えてください。単に「選択する」といった操作でも、思ったことと違うことがあります。たとえば、次のような表のデータをすべて選択することを思い浮かべてください。
読者の皆様はどのように選択しますか?
ア)セルB2からセルC6までマウスでドラッグする
イ)セルB2をクリックしてから、[Shift]キーを押しながら、[→]を1回、[↓]を4回押す。
ウ)セルB2をクリックして、[Ctrl]と[Shift]を押しながら、[End]キーを押す。
実は、どれも正解です。しかし、マクロとして操作を記録する上では(ウ)で操作する必要があります。なぜでしょうか。それは、選択肢の(ア)と(イ)、選択肢の(ウ)ではやっている操作が違うからです。
・操作A ア)イ)「セルB2〜セルC6を選択する」
・操作B ウ)「選択範囲をデータが入力されている範囲の右下隅のセルまで拡張する」
操作Aのように、範囲を固定してしまってはリストのデータが増えたときに対応できなくなってしまいます。これでは、操作を自動化しても、増えたデータの分をさらに追加する必要があり、自動化の意味がありません。
操作Bのように、Excelの特殊なショートカットキーを覚えておくことで、特定の特徴を持つセルを選択することができます。ほかにも次のようなショートカットキーがあります。
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Ctrl + Space |
選択範囲を列全体に拡張する |
Shift + Space |
選択範囲を行全体に拡張する |
Ctrl + A |
ワークシート全体を選択する |
Shift + Home |
選択範囲を行の先頭まで拡張する |
Ctrl + Shift + Home |
選択範囲をワークシートの先頭のセルまで拡張する |
Ctrl + Shift + 方向キー |
アクティブ セルと同じ行や列にあるデータが入力されているセルまで選択範囲を拡張する |
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メニューバーの「ヘルプ/Microsoft Excelヘルプ」から「ショートカット」と入力すると、調べることができます。
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●再びマクロを実行することを考えておく
マクロを実行する回数は1回とは限りません。再び、マクロを実行するときにどのような動作をするのか、想像しておく必要があります。たとえば、A日程に参加するリストの人数が減ってしまったら、どうしょうか。
操作(5)では、リストの人数が減ってしまった場合、減った人数分のデータが残ってしまうことがあります。
したがって、これを考慮すると、あらかじめ「A日程」ワークシートの内容を削除しておくことが妥当です。このように、マクロを繰り返し実行することも考えて、前のデータを削除するという操作を入れておくような工夫が必要です。
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●相対参照と絶対参照の違いを理解しておく
マクロの記録の方法には、「相対参照」と「絶対参照」があります。こちらは、記録するときに下のようなツールバーのボタンから選択することができます。
・相対参照:アクティブ セル(選択したセル)を基準にした動作になる
・絶対参照:何度実行しても同じセルの位置、同じセルの範囲になる
慣れないうちは“絶対参照”の状態で問題ありません(=“ボタンが押されていない”状態)。マクロの記録になれたら、相対参照ボタンをONにして、セルを選択した位置によって、実行される位置を変更できるように記録できるか試してみるといいでしょう。
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