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  トップ > 支援企業に聞く 新事業支援 > 「A評価」を活かし市場開拓に挑戦
A評価」を活かし市場開拓に挑戦
加藤秀治 記事更新日.06.07.14
フューチャープロセスマネジメント株式会社 代表取締役社長
■問合せ先
フューチャープロセスマネジメント株式会社
〒470-0115 日進市折戸町中屋敷73-9
TEL 0561-39‐4639
FAX 0561-39-4640
http://www.fpm.ecnet.jp/index.htm
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「燃料電池」・・・水素と酸素などによる電気化学反応によって電力を取り出す装置です。
自動車メーカーが2010年の一般市販車の市場投入を目標に研究開発を続けるなか、この燃料電池車の実用化に向けて車両走行時の自然環境や大気濃度等の変化を与え動作と発電性能を計測評価するのが燃料電池計測評価装置です。

■自信と期待を持って市場に参入
加藤社長は試験機の開発設計技術者としての経験を活かし、平成16年6月フューチャープロセスマネジメント株式会社を設立。燃料電池の将来性に注目し燃料電池計測評価装置の開発に取り組みました。

「自信もありました。中小企業はコストを抑えて利潤を追求するだけになりがちですが、ユーザーが満足できるものにできるだけ近づけなければいけないと考え、それを当社のコア技術にしようと思いました。燃料電池の背景が浅いため燃料電池計測評価装置を評価する歴史がないのです。納期もかかる、納品から引渡しまでも時間がかかる、期待された評価結果がでないといった状況をどのメーカーも続けています」

このような現状に疑問を持ち、参入した燃料電池計測評価装置のマーケットであったが、納入実績がない、知名度がない、中小企業のため信用がないといった、創業間もない中小企業の壁にあたることになります。

 

ユーザーが満足できるものを作りたいとの思いで 開発された同社の燃料電池計測評価装置

■事業可能性評価制度との出会いと効果
有効な支援策を求めて愛知県に出向いたときに、あいち産業振興機構の「事業可能性評価制度」と出会いました。

「私たちがターゲットとしていたのは大手企業もしくは大学の研究所でした。しかし地元企業でありながら地元での知名度もコネクションもありませんでした。あいち産業振興機構が事業を評価してくれるわけですから営業面でメリットが出るだろうと考えお願いしました」

同社の事業「燃料電池集合体評価試験装置の安定化と小型装置の商品化」の申請に対し、事前調査と各分野の専門家で構成する事業可能性評価委員会審査の結果、技術力と商品性及び将来性が高く評価され 「A」評価を獲得しました。 

事業可能性評価制度で「A」評価を得た効果は着実に上がっています。「外国の自動車メーカーに納入できたことも評価を受けた影響だと考えています。また 機構の推薦で国の「新連携」の認定を受けコア技術の共同研究に取り組んだり、また研究者等の交流の中で研究機関の導入計画等の情報提供を受け製品の納入が実現できたりしています。ベンチャーキャピタルからの問い合わせも十数件に及びました。燃料電池の実用化時期の捉え方の相違から具体化はしなかったものの事業可能性評価が認められてのことと考えています」

■発想の転換で小型化を実現
事業可能性評価制度で高く評価されたとおり、同社製品の売り物は高い性能とコンパクト化です。

燃料電池の開発には膨大な実験が必要となります。当然評価装置の必要台数も増すため設置スペースの確保が課題となるのです。

「これまでは定期点検・メンテナンスのために人が入れるスペースが必要とされてきた装置を、私は“使っているコア部品の信頼性を高くすれば、定期的な点検、修理は必要無いと言う発想転換により小型化に成功しました。自動車部品も不具合があったら修理するというのではなく取り替える発想になっています。私も修理でなく取り替えるという発想でできるだけ小さくということを念頭においています。コア部品が高性能、高機能であることはもちろんですが、小さくすると配管距離も短くなりレスポンス・安定性が格段に向上するためです。

 

コンパクトで高性能な 燃料電池計測評価装置

より高性能、信頼性の高い部品と職人技を組み合わせての物づくりに努めている同社製品の評価は高い。しかし「中小企業は専属の営業を確保できる余裕はないだけに、今後は県内で行われる研究開発計画の情報を積極的に提供していただきたい。プランニングの段階で話をするなどのかかわりがなければ受注が難しいのが現状です」と関係機関への要望も忘れません 。

■新連携支援制度の認定も獲得
新たに同社は平成18年2月に、中小企業庁の「新連携支援制度」により「燃料電池計測評価装置の製造販売事業」の認定を受けました。これは異業種連携による新事業にチャレンジする中小企業を支援するもので、コア企業として同社が燃料電池計測評価装置の設計、開発、商品化を担当し、生産ライン設計・販売窓口、特殊電子制御システム構築をそれぞれ得意とする企業が担当し、連携することで新たな展開を目指しています。

燃料電池車が量産体制に入ったとき生産量も現在と比べ飛躍的に増加します。その際に同社の高性能、小型化した燃料電池計測評価装置を自動車生産ラインに組み込み効率的に実施するという画期的なプランです。
また、2006年6月12月東京で開催された「新連携全国フォーラム」(主催:中小企業基盤整備機構)にも出展し、全国に事業の内容をPRしてきました。

燃料電池の実用化に向け市場の拡大が予想される燃料電池試験評価装置の分野で事業可能性評価制度、新連携支援制度で認められた優れた技術力と発想を武器にチャレンジを続けるフューチャープロセスマネジメント株式会社の未来に大いに期待をしていきたい。

(取材・文 小藤経営労務事務所 小藤省吾)
 

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財団法人あいち産業振興機構