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低炭素社会で生き残る方法とは?
〜低炭素型生産と環境価値の見える化について〜
浅井豊司 記事更新日.09.03.02
株式会社フルハシ環境総合研究所 東京事務所所長 
■PROFILE
1999年 フルハシ工業株式会社入社
2001年 株式会社フルハシ環境総合研究所入社
専門分野は環境コミュニケーション、環境教育、廃棄物リサイクル・ゼロエミッション、環境ビジネス構築等。他に資源生産性向上、省エネルギー、環境活動に関する各種企画・調査等、環境経営全般の活動をコンサルティング・支援している。

連絡先
株式会社フルハシ環境総合研究所
【東京事務所】
東京都渋谷区恵比寿西2-8-5 エビス・S&S・ウエスト3F 
〒150-0021 TEL:03-5728-3413 FAX:03-5728-3414
【名古屋本社】
名古屋市中区金山1-12-14 金山総合ビル7F
〒460-0022 TEL:052-324-5351 FAX:052-324-5352
ウエブサイト: http://www.fuluhashi.jp  

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Q:
二酸化炭素は温暖化の原因だといわれていますが、企業として今後どのような対策を採ればよいのでしょうか?
A:
地球温暖化は悪化しつづけています。当然、企業は温暖化の原因物質であるCO2を削減しなければなりません。私たちは将来の地球環境の行方を決めるハンドルを握っているのです。今後、CO2を削減しない企業は企業間取引においても、法令・規制においてもリスク がどんどん大きくなっていくでしょう。

では、「企業はどのような対策を採ればよいのか?」−というご質問には、「あらゆるツールを駆使して低炭素型生産を確立すること。それを環境価値として表現することである」 −とお答えします。

1.CO2の見える化

まず申し上げたいのは、低炭素型生産においても、低炭素商品の価値化においてもCO2の見える化が必要であるということです。CO2を計る暇があったら、CO2を減らす努力をした方が良いとおっしゃる方もいますが、そうではありません。効果が見えない対策には、経営者は投資が しづらいのです。
2.低炭素型生産

次に、生産プロセスでCO2を削減するためには、「資源生産性」という新しい考え方を取り入れる必要があります。 資源生産性は、従来の生産性の考え方である労働生産性や資本生産性とはまったく異なり、コストダウンと同時に環境への負荷を減らすという概念です。 資源生産性を向上するには、はじめに資源やエネルギーの流れ(マテリアルフロー)を数字として見える化させることが重要です(資源生産性について詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
3.低炭素商品の価値化

温暖化やその主原因となるCO2に対する市民・企業の意識はこの数年で飛躍的に向上しています。そのため、商品を作るとき・使うとき・捨てるとき(つまり商品のライフサイクル)で発生するCO2の量を 顧客に情報提供することが、新しい価値になろうとしています。顧客が商品を購入するときにCO2排出量が多いか、少ないかを見て、選択するという時代がすぐそこまで来ています。

CO2排出量を表示する制度を「カーボンフットプリント(炭素の足跡)」と言います。すでにイギリスでは大手流通のテスコ社がポテトチップなどの商品にCO2排出量を表示しています。国内でも試験的にではありますが、カーボンフットプリントが表示された商品がエコプロダクツ2008において参考出品されました。  
参考 エコプロダクツ2008に出展された主なカーボンフットプリント付き商品
商品 企業名 CO2排出量(g)
シャンプー(550ml) 花王 11,700
シャツ 丸井グループ 9,812
コメ(5kg) イオン 7,730
紙おむつ(36枚) ユニ・チャーム 6,095
スパゲティ(300g) 日清製粉グループ本社 560
うどん(3食) セブン&アイ・ホールディングス 491
缶ビール(350ml) サッポロビール 295
冷凍・トリのから揚げ(6個) 味の素 270
ポテトチップス(70g) カルビー 232
ノート(セミB5サイズ・30枚) コクヨS&T 197
即席めん(1食) 日清食品ホールディングス 186
おにぎり(すじこ) ローソン 179
即席カップコーヒー(1杯) ネスレ日本 92
電球形蛍光灯 東芝ライテック/パナソニック 4.6
出典:日経エコロジー 2009年2月号
このカーボンフットプリントを測定する手法がLCA(ライフサイクルアセスメント)です。ただし、このLCAという手法は自社単独で計算することが難しいという特徴があります。原材料から容器包装に至るまで調達物品がなく、すべて自社だけで生産が完結している企業はほとんどないでしょう。ライフサイクルにおけるCO2排出量は、サプライヤーからCO2排出量に関する情報を収集しなければ、数字を作ることができないのです。
4.カーボンフットプリントの影響

カーボンフットプリントに大手企業が取り組み始めると、その影響は大げさに言えば末端まですべてのサプライヤーに及ぶため、中小企業だからといって「CO2の排出量なんて調べる必要がない」とは言えなくなってきたのです。今後、納入先からCO2排出量の問合せが ますます増えていくでしょう。ある大手流通企業ではすでに4次サプライヤーまで情報を収集したと言います。サプライヤーをどんどんさかのぼっていく仕組みになっていますので、他人事 とは言えない時代となるでしょう。皆さんも気をつけてください。製造工程のCO2排出量が多ければ、LCA評価では数字で露わになってしまいます。資源生産性向上の取り組み(省エネも当然、資源生産性の向上に含まれます)は、そういう意味でも効果的な のです。

さらに、このCO2排出量を排出権等の削減担保により相殺することをカーボン・オフセットといいます。カーボンオフセットは、2008年にブレークした新しい環境価値の提供方法のひとつです。つまり購入する物品はCO2の排出が相殺されてゼロになっているということです(厳密にはゼロでなくてもオフセットの範疇に入ります)。詳しくはこちらをご覧ください。  
5.低炭素経営手法

 低炭素経営手法を下表にまとめました。

 
段階 手法 目的
ものづくり PIUS-CHECK(資源生産性診断) 資源生産性分析・改善コンサルティング
マテリアルフローコスト会計(MFCA) 資源生産性分析
製品評価 ライフサイクルアセスメント(LCA) (製品の)環境影響の定量評価
カーボンフットプリント(CFP) CO2表示
マーケティング カーボンオフセット CO2排出量の相殺


ご覧いただいてわかると思いますが、有効なツールが出揃ってきました。ところが、まだまだこれらの手法は十分に普及しているとは言えません。私がぜひお勧めしたいのは、これらの経営手法を組み合わせて、企業全体の戦略として環境価値を生み出すことです。資源生産性の改善を除いて、これらの手法は単体ではメリットを生み出しにくいのですが、2つ以上の手法を組み合わせることで環境価値を生み出しやすくなります。ただし、資源生産性の改善は単体で取り組んでも、コストダウンなど具体的に得られるメリットが大きいです。

たとえば、前述したとおり、LCAと資源生産性の組み合わせはとても相性がいい。LCAで製品のライフサイクルのCO2を評価して数字をつかみ、次に資源生産性の改善で生産工程のCO2排出量を削減すれば、LCAでの評価が明確に変わりますので、より目に見える数字で環境価値を表すことができます。

LCAとカーボンオフセットは組み合わせるとより高い環境価値につながります。LCAで評価したCO2排出量に相当する排出権等で、CO2を相殺するわけです。まだ十分に制度化された仕組みではないため、オフセットされた分のCO2価値を購入者は享受できないのですが、社会的にはオフセットの価値は少しずつ認知されてきています。

いまや、すべての商品・サービスに対してCO2の削減が求められています。今後、排出権取引制度や環境税が制度化されれば、CO2を排出することに対して課金される社会がやってくるでしょう。先手必勝です。いち早い対策を打ち、環境で経営を伸ばしてください。
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