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  トップ > 経営相談Q&A 環境対策Q&A > まだまだできる! 中小企業の省エネルギー・省資源
まだまだできる! 中小企業の省エネルギー・省資源
古川 智美 記事更新日.09.09.01
株式会社フルハシ環境総合研究所 国際事業室 欧州・北米担当 
■PROFILE
ブリティッシュコロンビア大学大学院(School of Community and Regional Planning, University of British Columbia, Vancouver, Canada) 学術修士(持続可能な地域計画専攻)、名古屋大学大学院国際開発研究科博士前期過程 学術修士(国際環境協力専攻)。
2005年フルハシ環境総合研究所入社。ドイツNRW州効率化エージェンシー(EFA)により開発された資源生産性診断プログラム「PIUS-Check」の日本での展開の推進力となる。欧米での先進的環境政策やプログラムの調査・研究、日本の先進事例を世界へ発信するなど、「環境」で世界と日本を繋ぐ活動に従事。持続可能な社会実現のための政策提言、Think Globally Act Locally!をモットーとした地域での取り組み推進にも力を入れる。
他に資源生産性向上、省エネルギー、環境活動に関する各種企画・調査等、環境経営全般の活動をコンサルティング・支援している。

【連絡先】
株式会社フルハシ環境総合研究所
名古屋市中区金山1-12-14 金山総合ビル7F
〒460-0022 TEL:052-324-5351 FAX:052-324-5352
ウエブサイト: http://www.fuluhashi.jp  

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Q:
当社では改正省エネ法の対策として、工場の省エネルギーに取組む必要がありますが、設備更新などの費用を用意することが難しい状況です。設備の更新をせずにできる省エネの取組みがあれば教えてください。
A:
私どもは、資源効率化のためのコンサルティングを中小企業対象に行っております。私どもが相談を受ける企業様は、人手や時間・資源不足などの理由から省エネ・省資源の取組みに着手できずにいるケース、既に省エネ・省資源の取組みに着手されているケース、様々です。まだ着手していなければ、省エネの改善をする余地は大いにありますが、既に着手されているお客様の現場においても、見逃されてしまっている改善のポイントが見つかるものです。

今回は、中小企業に多くみられる、見逃されがちな省エネのポイントを事例と共にご紹介いたします。

中小企業で見逃されがちな省エネのポイント
現状・着眼点 問題
廃熱を大量に逃がしている。
効率的に熱をつくる方法に目がいきがちで、廃熱が無視されている。熱回収すると省エネ・コスト削減の可能性が大きい。

        →【事例1】

品質を重視するあまり最適な資源・エネルギーの投入量を検証していない。
品質に全く影響しないムダな資源・エネルギーをロスしている。

 →【事例2】

水使用量の管理があまい。
水に関連するエネルギーやコストが意外にかかっている事に気づいていない。水使用量の管理があまく、無駄なコストがかかっている。

→【事例3】

上記のポイントを改善するために有効な考え方「資源生産性」についてご紹介します。「資源生産性」とは、事業活動において使用する資源投入量(原材料・燃料・用水等)と排出量(廃棄物・廃熱・排水等)に対する製品(良品)割合のことです。資源生産性を高めることは、より少ない資源投入・排出からより多くの製品を生み出すことになり、省エネだけでなく、コスト削減や廃棄物発生抑制などに繋がります。

資源生産性を高めるための手法に、「マテリアルフロー分析」があります。資源を事業活動の中の、どこに・どれだけ投入しているのか、どこで・どれだけ「ムダ」が発生しているのか、資源の流れ(マテリアルフロー)を把握することにより、省エネ・省資源のターゲットとなるムダを見つけ出し、その改善に伴う費用対効果を算出することができます。

マテリアルフロー分析手法の詳細については、以前紹介致しましたこちらの記事を参照ください。
「資源効率の高い生産〜マテリアルフロー分析という環境経営手法について〜」

廃棄物対策において、3Rという言葉を耳にされたことがあるかと思います。リデュース、リユース、リサイクル、この3つの優先順位をご存知でしょうか。一度発生した廃棄物をどう処理するか(=リサイクル)を考えることよりも、廃棄物の発生をできるだけ少なくするためにはどうしたらいいかという上流対策が重要であるとされています。
1)余分な資源を使わない、廃棄物が出ないように工夫する(=リデュース)、
2)使える資源・エネルギーは再利用(=リユース)する、
3)それでも発生してしまう廃棄物は適正処理、可能な範囲でリサイクルする。
「資源生産性」は、これらのうち上流対策を実現するのにうってつけの考え方なのです。

さて、ここからはもう少し具体的に資源生産性の向上を実現する手法を紹介しましょう。資源生産性を上げるために、私どもはマテリアルフロー分析を実施することをおススメします。

外部コンサルタントとして、企業のマテリアルフロー分析を実施した結果、中小企業に多くみられた省エネ・省資源の改善ポイントを事例と共にご紹介いたします。
【事例1】
廃熱を大量に逃がしている

熱処理やコンプレッサー、空調などの廃熱を熱回収し、再利用することにより、重油や電気などのエネルギー使用量を削減できる可能性が多く見られます。

●廃熱利用
@乾燥炉や焼成炉など、熱処理プロセスにおける燃焼排ガス等の廃熱を回収し、部品の余熱や別の炉の余熱に活用。
A食品を茹でる釜の温排水の熱回収や、熱処理後の金属部品の熱回収を行い余熱に活用。事例は、こちらの記事を参照下さい。
「省エネルギー法の規制強化はコスト削減の絶好のチャンス!」

●機器・設備改善
Bメッキや塗装工程で部品を乾燥させるドライヤーの熱が上部、側面、開口部などから逃げてしまっている場合、熱が逃げる口を小さくすることにより熱効率が高まり、コスト削減に繋がる。(メッキ業A社では、この改善によりドライヤー効率20%改善が見込まれ、約30万円/年・ラインのコスト削減見込み。)
Cスチームやボイラーの圧力・温度の効率を最適化することにより、ボイラーに使用する灯油・重油のコスト削減。(メッキ業A社では、ボイラー効率20%改善が見込まれ、約400万円/年のコスト削減見込み。配管の変更など別途設備投資が必要。)

●断熱改善
D炉の断熱を改善することにより、炉を加熱する為のエネルギー使用量を削減し、作業室の空調のコストを削減。
【事例2】
品質を重視するあまり最適な資源・エネルギーの投入量を検証していない
要求される品質と納期を守ることは、製造業にとって必須条件ですが、そのために「本当に」必要な資源(原材料やエネルギー)の量とコストは、意外にも検証されていないケースが見られます。

金属加工業B社では、銅線圧延の工程で酸化を防ぐために窒素ガスを添加しています。従来、工程内、数箇所にて同量の窒素ガスを添加していました。資源生産性を見直す過程で、「本当に」必要な窒素ガスの量を検証する中で、要求品質を満たすために必要な窒素ガスの量を測定してみたところ、いくつかの窒素ガス添加ポイントで、窒素ガスの添加量を減らす又は添加をやめても品質には全く影響しないということが明らかになりました。大きな設備更新をすることなく500,000m3/年の窒素使用量削減、約700万円/年のコスト削減が実現されたのです。

この事例だけ見ると、なぜ必要ない箇所についても必要以上の量の窒素添加を行っていたのか、不思議に思われる方も多いかと思います。
しかし、品質を重視するあまり、「不良を出すよりも少し位過剰品質の方がマシ」といった、製造現場の方々も多いのではないでしょうか。この様な状態の時に品質に全く影響しないムダな資源・エネルギーをロスしていることが多いのです。
【事例3】
水にまつわるコスト意識が薄い

多くの企業で、「水は工業用水を使っているから、タダみたいなもの」、「水にコストはかかっていない」という言葉を耳にします。しかしながら実際に生産工程で使われる水の量と水に関わるコストについて分析を行うと、コスト削減の可能性が潜んでいるケースが多く見られます。
 
金属加工業C社の事例を紹介しますと、マテリアルフロー分析をした結果、社内で見えていた水にまつわるコストは、上水+工業用水使用料700万円/年でした。 廃水処理にかかる費用を算出すると水使用料と同額の700万円/年が費やされていました。つまり、水にまつわるコストは1,400万円/年なのですが、水のコストとして意識していたのはその1/2のみでした。水にまつわるコストとは、水の購入費のみならず、水処理に必要な化学薬品や電気代なども含まれます。水の使用量を減らすことにより、これら関連のコスト削減にもつながるのです。

コスト意識が薄いと、使用量の管理も甘くなる傾向にあります。水にまつわるコストは、従来見えていたコストの2倍であったという数字を目の当たりにして、C社は水の使用量の管理を改善し、水の使用量削減に着手されました。
まとめ
多くの中小企業では、省エネ・省資源の余地が大いにあります。見逃しがちなポイントをもう一度チェックしてみましょう。社内の人材のみでの取組みが難しい場合は、外部の専門家の助言やサポートを受けられることをおすすめします。
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