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  トップ > 経営相談Q&A 労務管理Q&A > 整理解雇は慎重に
整理解雇は慎重に
小藤 省吾 記事更新日.09.02.02
小藤経営労務事務所
■PROFILE
1957年愛知県生れ
社会保険労務士、中小企業診断士として企業の経営戦略、組織活性化、労務管理のコンサルティングを行うとともに企業、経営者団体における研修セミナー講師として活躍中。
現在、労使が力をあわせて作る「人を育てる人事制度」の普及に力を注いでいる。

連絡先
小藤経営労務事務所
〒470−2531
知多郡武豊町富貴茶ノ木15−1
TEL/FAX0569−73−7140
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労務Q&Aの第1回は昨年の6月でした。文頭では「現在愛知県は自動車産業の好調に支えられ中小企業では人手不足が伝えられています。労働者にとって雇用環境は決して悪くないといえましょう…」と書きました。あれから半年後、昨年末に派遣労働者の打ち切りが社会問題として大きく取り上げられました。

サブプライム問題に端を発した景気の先行き不安からリーマンショックによる世界的な金融危機により、多くの経営者が「今まで経験したことがない」急激な仕事量の落ち込みに苦しんでいます。
まったく見通しがたたない状態で多くの企業は、派遣社員の契約打ち切りに動きました。またパート労働者、正社員も残業ゼロ、年末年始休暇の延長と雇用環境は様変わりとなりました。

この状況が長引いた時に多発するのが解雇の問題です。仕事が少なくなったからというだけで安易に社員の解雇を行うことは許されません。 今回の労務Q&Aは景気後退期に伴う経営危機や事業の縮小・廃止による人員削減として行われる整理解雇についてお伝えします。
Q : 
仕事量の急減により人員整理も検討課題となってきました。注意する点はありますか?
A : 
単に仕事量が減った、業績が悪くなっただけでは解雇はできません。整理解雇のための4つの要件を満たしていることが必要です。
<整理解雇の4要件>
(1)
人員整理の必要性
経営状態、借入金、資産、人件費等の状況から会社の存続・維持にとって、人員整理がやむを得ない措置であることが必要です
(2)
解雇回避努力義務の履行
整理解雇の前に、解雇を回避する努力をすることが求められます。希望退職者の募集や配置転換・出向、一時帰休等の解雇回避のための努力をすることが必要です。
(3)
人選基準の合理性
事前に客観的・合理的な人選基準により、公正に整理解雇の対象者を選定しなければなりません。基準を設定せず恣意な人選で行われた場合は認められません
(4)
解雇手続きの妥当性
対象労働者や労働組合に対して、整理解雇の必要性やその内容(時期・規模・方法等)について十分説明し、誠意を持って協議を尽くすことが必要です。
上記の4要件のうち、一つでも満たしていない場合は、その整理解雇は無効とされる可能性が高くなります。
もっとも最近の裁判例では必ずしも全ての要件を満たしていなくても、総合的に判断して合理的な理由があり、社会的にも相当であればその整理解雇を有効とする(この場合は4要件ではなく4要素とされます)判断も出ていますが、会社としては4要件を満たすように取り組むことが必要です。
Q : 
何とか整理解雇を回避したいと思います。そのための方策はありますか?
A : 
先日訪問した金属製品メーカーの対応が参考になると思います。

役員の方と景気の先行きについて話しになりました。「10月以降大幅に売上高が減少しこの状況が長引けば間違いなく赤字になる。しかし製造部門でのコストダウンは限界に来ており、人件費に手をつけざるを得ない」とのことでした。ただ、従業員の整理解雇は考えておらず「仕事量の減少に対応し個々の社員の休業日をローテーションして休日を現状の週休2日から増やす」とのことでした。

また、これを機会に「今まで担当していた現場だけでなく他の現場にも入って、作業、技術を覚えてもらい多能工化を図っていく」と話してくれました。
利用できる支援制度は活用していく考えであり、中小企業緊急雇用安定助成金を活用しながら雇用の維持を最優先していくとのことでした。

「人員整理は社員の意欲低下や、会社への不信感を高め、生産性も低下する。結果として社内の雰囲気が一層悪くなってしまう。厳しい状況になったからこそ会社全体で危機感を持ち、忙しかった時にはできなかった課題に取り組んでいきたい」と不況を機会に経営体質を強化する方針を語ってくれました。

このように仕事量に応じて休日を増やしたり、労働時間を短縮して仕事を分け合うワークシェアリングを検討してみてください。
平成20年12月から雇用維持に努力をする中小企業事業主に対し、従来の雇用調整助成金制度を見直し、中小企業緊急雇用安定助成金制度が創設されました。

急激な景気変動などの経済上の理由により企業収益の悪化から、生産量が減少し、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出向させた場合に、休業、教育訓練又は出向に係る手当若しくは賃金等の一部を助成します。
愛知県は、愛知労働局(あいち雇用助成室 052-219-5519)が窓口になっています。他県の皆さんはお近くのハローワークに相談してください。

最近、松下幸之助氏の「好況良し、不況さらに良し」との言葉がよく取り上げられます。
不況時には好況時には見えなかった欠点、課題が浮かび上がってきます。それを乗り越える努力をすれば、チャンスをつかみ次の飛躍につなげることができます。

中小企業は好況時において人手不足で苦しんでいました。仕事の増加に対しては残業や派遣労働者の活用で対応し十分な人材育成ができない状況でもありました。不況の時こそ、仕事に追われ溜まった垢を落すとともに、人材の育成に取り組む機会かもしれません。

「人材」を「人財」として捉えた時、中小企業の人事コンサルタントとして著名な蓮室光男氏の言葉が参考になります。
「人を育てることは企業発展の欠かせない要素であり、この課題に真正面から取り組む必要があります。“儲けさせてくれる取引先”“売れる商品開発”“新しい設備投資”なども大事ですが、その前にある“人という巨大な資産”に目を向けて、その能力を引き出すことに取り組むべきです」
派遣労働者を含めた非正規労働者の扱いが社会問題になっているだけに貴重な意見と思います。

不況時だからこそできることがあります。前述の企業のように人材育成のためジョブローテーション(単なる職務の異動、配置換えでなく、人材育成を目的に必要な職務を計画的に体験させること)を行い能力開発、多能工化を図ることで少数精鋭の組織作りが実現します。危機感を労使が共有した時こそ絶好の機会でもあるのです。
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