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  トップ >  組織活性化Q&A > 3分で分かる、人と組織の活かし方
3分で分かる、人と組織の活かし方
(作りたいけどなかなか作れない組織風土・・・上司としての図式化力)
宇井克己 記事更新日.08.01.16
宇井経営コンサルティング事務所代表 
名古屋コーチングラボラトリー協同組合 代表理事 
中小企業診断士
■PROFILE
1965年7月29日生まれ。製造業での営業、コンサルティングファームでの企画営業などを経験したのち、2002年に宇井経営コンサルティング事務所を設立し、独立。
経済産業省が認定する中小企業診断士の資格を活かし、さまざまな業種・規模の企業に、「いかに会議を活性化するか」、「いかに管理職を育てるか」、「いかに売上・利益を上げるか」などのコンサルティングを行っている。
また、「会議活性化研修」「管理職のためのビジネスコーチング研修」「営業マン研修」など、受講者とともに作り上げるライブ感溢れる研修も好評を得ている。
研修・講演回数 100回以上/年、コンサルティング実績73社
メルマガ「芸能・スポーツで学ぶ、人材育成の裏ワザ」も発行している。

連絡先
宇井経営コンサルティング事務所
〒486-0967   春日井市味美西本町1825−1
TEL/FAX0568−35−5125
http://www.ui-consultant.com
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Q1:
組織風土という言葉をよく聞きます。
うちの組織風土はあまり良くないように思います。どのような組織風土を作っていくべきなのでしょうか?
また、その組織風土はどのように作っていったらいいのでしょうか?
A1:
組織風土についてのご質問、ありがとうございます。

組織風土と言っても、一概に「このような組織風土が良い」とは言い切れないところはあるでしょう。組織の成長段階によっても変わってくるでしょうし、業種や業態によっても変わってくるでしょう。 ただ、どの組織にとっても必要だと、私が考える風土についてお伝えしたいと思います。

まずは、私がコンサルティングで伺っている会社の事例をお話させてください。その会社での出来事です。
先日、ある管理職の方とこんなやり取りがありました。

管理職:

「○○の業務でトラブったんですよねぇ。△△の数字が合わなくて・・・」

私  :

「そういうことは、全社的な問題として、もっと表に出して、全社で解決を図った方がいいと思いますよ」

管理職:

「いやぁ、それはできないですよ。部下も一生懸命やってくれていますし、そんなことをしたら部下のやる気が低下してしまいます」

エッセンスだけを文字にしてありますので、すごく簡単なやり取りに聞こえるかもしれません。本当は、もう少しいろいろなやり取りがあります。ただ、あまり詳しく書くと、 どこの会社か分かってしまいますし、おおよその感じをつかんでいただければと思います。

私としては、全社的な問題を取り上げて解決していくプロジェクトがその会社には存在するので、ぜひ、そのプロジェクトで取り上げられるようにすべきと提言をしたのです。しかし、その管理職の方の納得がなかなか得られませんでした。 私自身の非力を感じる場面でもありました。

そのとき、痛切に感じたのです。組織において、作りたいけどなかなか作れない風土があるとしたら、この風土だと。

ズバリ、「問題や失敗を表に出せる風土」、です。

報告・連絡・相談のコミュニケーションが良い風土といえるのかもしれません。が、あえて、私はこのように表現したいのです。

何か問題や失敗が起こったとしても、隠せるなら隠したいと思うでしょう。お笑い芸人のように、自分の失敗談を笑いのネタにすることはあるでしょうが、誰でも自分の失敗やミスは隠したがる心理があるのはうなずけると思います。

問題や失敗をすぐに表面化できる組織風土が作れたら、土台のしっかりした強い組織になれます。
問題や失敗を隠していては、いつまでも問題は解決されずに同じ失敗やミスを繰り返すでしょう。 そして、それが膨らんでさらに大きな問題を発生させていくことになりかねません。

組織風土して、「明るく、前向きな組織」、「やる気のある組織」などといった風土はもちろん大切な組織風土であることは間違いありません。このようなプラス思考的な組織風土と併せて、 もっと根っこの部分で失敗や問題点を表に出せる風土が必要だと思うのです。

トヨタ自動車のトヨタ生産方式の創始者、故大野耐一氏は、「トヨタ生産方式とは何か?」と聞かれたとき、こう答えたそうです。

「ピン張った糸がある。少しでも引っ張ると、その糸は切れてしまう。しかし、その糸が弛んでいたら、引っ張っても切れることはない。ピンと張った糸がトヨタ生産方式だ」と。

問題が発生したときに、プツンと切れて、問題を表面化・顕在化させるという仕組みがトヨタ生産方式ということなんですね。

では、この問題や失敗を表面化・顕在化できる(したくなる)風土を作るにはどうしたらいいのでしょうか?

まずはトヨタもそうであるように、問題や失敗が表面化する、顕在化してしまう仕組み作ることでしょう。
そのためのひとつの手法は、「見える化」です。
「見える化」の手法については、また機会がありましたら、お話はしたいと思いますが、車のスピードメーターを考えていただくとイメージがしやすくなるでしょう。
スピードメーターがあって、時速何kmで走っているのかが分かるからこそ、道路標識を見て、アクセルを緩めたり、踏んだりすることができます。


たとえば、時速50km制限の道路を時速70kmで走っていたとしましょう。これは問題が起こっているということです。スピードメーターがあって、目で見て問題があることが分かるからこそ、アクセルを緩めるという問題解決行動が起こるわけです。もし スピードメーターがなければ、何kmで走っているのかが正確には分かりません。大体の感覚でしか感じ取れないでしょう。問題の認知が鈍るか遅くなります。

そして、問題を表面化・顕在化できる仕組みとしてのハード面を整えたうえで、大切なのは、コミュニケーションというソフト面です。

どれだけ仕組みを整えても、問題が表面化したとたんに、上司から「バカヤロー」と叱責されたり、評価を下げられたりしては、社員・部下は、ストレスが溜まるだけです。

もちろん、上司にとっても、部下の失敗はいやなものです。しかし、そこで叱責をしてしまっては問題が表面化しなくなり、更なる問題を引き起こすことにもつながりかねないことを認識すべきです。

問題や失敗を表面化して、それを解決していこうとする意識、そしてその問題を解決していけるだけの問題解決力とコミュニケーション力が必要になります。

まずは、@問題や失敗を「見える化」手法によって顕在化させる、Aその顕在化した問題をみんなで解決していこうとする場を設ける、これを実践していただければいいでしょう?

この2つをしっかりと実践していければ、問題を表に出せる風土が少しずつできていきます。

ちなみに、冒頭で紹介した会社ですが、その後、私からは一切提言はしませんでしたが、その管理職が自ら進んで、社内全体に問題を提起していました。

Q2:
以下は、先日のある部下との会話です。まずはそれを読んでみてください。

私(上司):

A君の今期の開発テーマだけれど目標値が挙げられていないよ。

部下:

目標は新しい加工機を開発することです。

上司:

それは手段であって目的じゃないぞ。加工機を開発するにしてもどんなスペックを目標とするのかを数字で示して欲しい。

部下:

数字ではなかなか表すのが難しいです。それに、どんな加工機になるか、作ってみないとわからない部分もあるんです。

上司:

今期のチーム方針で上司から材料ロス削減30%、生産性向上50%という目標が挙げられている。これを目標値として活動するよう頼みます。

部下:

努力します・・・。
このようになかなかこちらの意図を汲んでくれません。 部下とのコミュニケーションをどのように変えれば、もう少し良いコミュニケーションが取れるようになるでしょうか? ぜひ、よろしくお願いいたします。
A2:
組織内のコミュニケーションは思うようにいかないことが多いですよね。部下とのコミュニケーションは難しいと感じられている管理者の方は多いことと思います。
でも、部下とのコミュニケーションが難しいからといって、コミュニケーションを取らなくていいというわけではありませんよね。
難しいけれども、少しずつでも良くしていこうと思う気持ちが大切だと思います。

部下とのコミュニケーションをどのようにしたらより良いものにしていけるのか、の答は様々なことが言えると思います。上司としての心構えのことやコミュニケーションとしてのスキルのことなどなど・・・。

今回は的を絞って、いただいた部下との会話をどのようにしたら、より良いものにできるかをお話したいと思います。

対策(1):目的と手段の関係の認識を深める
「目的と手段」といっても、人によって、何を目的として、何を手段としているのかは違っています。
事例でいえば、上司は、「新しい加工機の開発」を手段ととらえているし、部下は、目的ととらえています。目的ととらえている部下は、おそらく「新たな加工機を開発するためには何をしたらいいのか?」が手段だと考えていることでしょう。

また「目的と手段」と言われても、その関係性が理解できていない部下(人)は意外に多いものです。私自身、昔のことを思い出すと、上司やお客様から「手段を目的にしてはいけない」とか「手段と目的を混同してしまっている人がいる」とか言われても、あまりピンと来ていなかった記憶があります。 今でこそ、こんな偉そうなこと言っていますが・・・。

同じ言葉を使っていても、理解度や認識が違えば、コミュニケーションはうまくいきません。このことはしっかりと認識し、理解度や認識を共有するようにしましょう。

対策(2):図式化して、コミュニケーションを見える化する
言葉だけではお互いの理解度や認識を共有するのが難しい場合は多いものです。お互いの理解度や認識を共有するために有効な手段が、話している内容を図式化することです。図式化するのは、部下にさせるのではなく、上司がする方がいいでしょう。

図式化力は管理者としての非常に重要な能力であることを心得えるべきです。
図式化することで、お互いが何について話をしているのかを一致させながら話を進めることができるようになります。
また、話がぐるぐるとまわって、「また同じ話してる・・・」ってのはほとんどなくなります。

ちなみに、上司と部下が話をしていて、部下が「ここについては・・・」と上司が書いた図を指でさしながら話をしたら、上司の図式化表現がうまくいっていて、話がかみ合って進んでいると判断してもいいでしょう。

以下に、いただいた事例の改善例を挙げておきます。

上司:

A君、ちょっといいか。A君の今期の開発テーマだけれど目標値が挙げられていないよ。

部下:

目標は新しい加工機を開発することです。

上司:

なるほど、A君としては、新しい加工機を開発することが目標だと思っているんだね。

部下:

はい、そうです。

上司:

A君の言うとおり、新しい加工機の開発を目標にすることもできると思うよ。その上で、ひとつ考えてもらいたいことがあるんだけど。新しい加工機の開発を手段だとしたら、目的って何だと思う?

部下:

目的ですか?   
(少々沈黙)

上司:

じゃあ、こんなふうに書いてみたらわかりやすいかな?(と言って、A3用紙に書き込む。下図参照)

部下:

新しい加工機を開発することで、何を実現したいかということですか?それが目的ということですね。

上司:

そう。で、新たな加工機を開発することによって、実現したいことって何だろう?

部下:

う〜ん、新しい加工機の開発で・・・。たとえば、環境問題の改善に貢献できる会社になるということですか?

上司:

なるほど、確かにそれは間違いのないことだよね。ただ、そこまで未来に行ってしまうとそれこそ目標数値が立てられなくなるんで、もう少し手前の未来がいいな。今季のチーム方針として、材料ロス削減30%、生産性向上50%という目標が挙げられているのは分かっているよね。

部下:

はい、分かっています。そうか、今期、私が開発する加工機で材料のロスが減れば、チームの目標に合致しているわけですね。

上司:

まさにそういうこと。

部下:

でも、これから開発する装置で、どれだけのロス削減が実現できるかは、やってみないと分からないところがあります。

上司:

もちろんそうだと思うよ。でも、目標として、「今期は、材料ロスを○○%削減する」と掲げて、そのために「材料ロスの少ない新たな加工方法・加工機の開発を推進する」としておくことでも、チームの方針を意識していることになるし、どんな加工機を開発すべきかを念頭に置きながら開発にあたれると思うよ。

部下:

そうですね。どれぐらい材料の削減ロスに貢献できるか数値として目標を挙げてみます。

上司:

ありがとう。どうれぐらい貢献できるか、じゃなく、どれぐらい貢献したいかという気持ちで挙げてもらってもいいよ。じゃあ、頼むね。

いかがでしょうか?もちろん、このコミュニケーションの前段階としての部や課の方針をいかに説明し、納得してもらうのかということも大切ではあります。 ただ、今回はいただいた情報の中だけで、コミュニケーションを良くするにはどうしたらいいのかという観点で答えさえていただきました。

参考になればうれしいです。

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