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地球温暖化−迫られる省エネ
野口昌介 記事更新日.07.06.01
野口技術士事務所所長
■PROFILE
1934年愛知県生まれ。
三菱電機(株)、フォスター電機(株)、日本電産(株)を経て、平成3年野口技術士事務所を設立、現在に至る。愛知県中小企業支援センター専門員、愛知県商工会連合会専門員。

<資格>
技術士(電気電子、経営工学、総合技術監理部門)、中小企業診断士、電気主任技術者第1種、エネルギー管理士、公害防止管理者、ISO9000審査員補

<著書>
現場の電動機技術、電気機器実務必携、絵とき電気機器マスターブック(オーム社)、不良低減(共著、日本規格協会)

<主な講演>
コストダウンの進め方、省電気エネルギー

<専門>
企業診断・指導、工場管理、品質管理、作業改善、不良低減、コストダウン、電気機器技術指導、省電気エネルギー、ISO9000認証取得の指導

連絡先
野口技術士事務所
〒463-0055 名古屋市守山区西新17-30
TEL/FAX 052-792-0172          
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Q:
このところ、省エネ関係の記事が目につきますね。
A:
ようやく本腰になりそうというか、本腰になるのに迫られてきたという事でしょうか。
何しろ日本は、1990年度比で2008〜2012年の間に 温室効果ガスの排出を6%削減する必要があります。
現実は2005年で8%増ですが、その後さらに増えているでしょうから 、今日の時点で見たら20%程は削減する必要があるのではないでしょうか。   
Q:
地球温暖化も地球環境問題の一環なのですね。
A:
その通りです。地球環境問題として挙げられているのは次の事項です。
  (1)気候温暖化
  (2)オゾン層破壊 
  (3)酸性雨 
  (4)森林、特に熱帯林の減少 
  (5)野性生物種の減少 
  (6)砂漠化 
  (7)海洋汚染 
  (8)有害廃棄物の越境移動 
  (9)開発途上国の公害問題
いずれも重要な事項ですが、省エネは気候温暖化に直結する問題です。
エネルギーの源は地球に到達する太陽光で、0.17〜4μmの短波長の赤外線が地表に到達し、地表からは3〜120μmの長波長の赤外線が放出され、大気層の温室効果と相まって、微妙なバランスの下に生活環境温度を維持している訳です。
温室効果をもたらす気体の主役は水蒸気と二酸化炭素CO2です。それに加えてメタンCH4、オゾンO3、一酸化二窒素N2O等があります。
水蒸気は一義的には人間活動によって変化するものではないとして区別して扱われ、人間活動によって濃度が変化するCO2、CH4、O3、N2Oが温室効果ガスの対象とされております。
しかし、我々の消費するエネルギーが量・質共に大きくなり、CO2に代表される温室効果ガスが近年特に増加の一途を辿り、温室効果のバランスに影響をもたらす水準にまで達し、気候変化をもたらし問題を生じるに至ったという事です。
気候変化は食料生産・水・生活環境に影響をもたらします。
Q:
米国のゴア前副大統領の「不都合な真実」が評判になっていますね。
A:
ベストセラーです。
映画はアカデミー賞で、長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。
世界的な動きに寄与しましたね。
諸々の面に影響が現れている事が良く判ります。
新聞報道を追ってみましょう。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次報告書は、「温暖化の原因は人間活動による温暖化ガスの排出にある」とほぼ断定し、石油や石炭を今の調子で使い続けると世界の平均気温は約4度の上昇が起きるとしています。 その報告の骨子は表1のごとくです。
平行してまとめられた英国政府諮問のスターン報告は具体的な危機シナリオを描いています。表2にそのシナリオを示します。
IPCCが指摘する温暖化の影響は図1のごとくです。
日本では、強い台風の発生、水害、海水面の上昇、害虫増、北部から中部で恒常的な水不足、作物の北へのずれこみ等、作物・農業全般に影響が及びます。
表1 IPCC第4次評価報告書骨子
世界の平均気温・海洋温度の上昇、氷河の融解の増加、海面上昇から、地球温暖化は明らかである。
20世紀半ば以降に観測された世界の平均温度の上昇は、人為起源の温室効果ガス増加に原因があるとする確率は90%を超す。
今後20年間では、10年あたり0.2度の温度上昇が予想される。
21世紀末までに温暖化はさらに進む。政界の平均気温は20世紀末に比べ、循環型社会を実現した場合で約1.8度、高い経済成長で化石燃料に依存した場合だと約4度の上昇を予測。
21世紀末の海面水位は、20世紀末より18〜59センチの上昇を予測。
台風やハリケーンの発生数は減少するが、強さは増す。
北極海の夏の氷は、21世紀後半までにほぼ消滅する。
大気中の二酸化炭素濃度の増加により、海洋の酸性化が進む。
引用:朝日新聞(2007年2月2日)
表2   スターン報告が示すシナリオ
1度上昇
アンデス山脈の小氷河が消滅。5千万人に水供給の危機。温帯地域で穀物収量が少し上がる。サンゴ礁の80%が白化。
2度上昇
アフリカで作物収量が5〜10%落ち、マラリア感染の危機に直面する人が4千万〜6千万人増える。ホッキョクグマやカリブーを含む15〜40%の種に絶滅の危機。確率は低いが、グリーンランドの氷床が不可逆的に溶け始める可能性も。
3度上昇
アマゾンの森の消滅が始まる。低地の海岸地域で1億7千万人に洪水の危険性。南欧では10年に1度の頻度で干ばつが起きる。
4度上昇
豪州の一部で農業放棄。南欧、アフリカの広い地域で水不足。沿岸に住む3億人に洪水の危機。北極圏のツンドラの半分が消滅。確率は低いが、大西洋のメキシコ湾流が弱まる可能性。
5度上昇
中国の人口の4分の1に水不足。ヒマラヤの巨大氷河が消える可能性。海の酸性化が進む。ニューヨーク、東京、フロリダで高潮の被害。ただ5度以上では、何が起 きるのかの評価は難しい。
引用:朝日新聞(2007年2月2日)
 
引用:日本経済新聞(2007年2月3日)
Q:
影響は甚大・・・、大変なことですね。
A:
国連の潘基文事務総長は、気候変動をテーマにした国際会議に出席し、 「気候変動はもはや『不都合な』問題ではなく、逃れられない現実だ」(注)と環境危機への注意を促しております。
また、国連安全保障理事会においては、4/17に初の地球温暖化に関する公開討論が開かれました。
内容は表3のようです。
(注)引用:日本経済新聞(2007年3月3日)  
表3 温暖化がもたらす国際安全保障への影響
(1)国際紛争 海水上昇による島しょ国の水没、海岸線の大幅後退、新たな海路開拓→紛争発生の可能性
(2)移  民 灌漑(かんがい)用水の減少などに伴う移民増加→民族構成の変化による政情の不安定化
(3)エネルギー供給 温暖化ガス削減を目的としたエネルギー輸入元の変更、水系変化による水力発電への影響→急激な変化なら紛争も
(4)他の資源不足 飲料水や耕作地、漁獲量の急減など→地域や国家の不安定化
(5)社会の緊張 人種間抗争などの懸念
(6)人道上の危機 異常気象の可能性増大→突発的な人道危機の発生
※英国が安保理に提出した討議資料から作成
引用:日本経済新聞(2007年4月18日)
世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)では、地球温暖化問題に関心が集中し、米国の姿勢にも変化が見られます。
EU関係は、理念的・意欲的動きを見せています。
(1)
欧州連合EUは、CO2など温室効果ガスの排出量を2020年迄に1990年比で20%以上削減します。
(2)
欧州委員会は自動車メーカーに対して2012年迄にCO2排出量削減を法律で義務づける方針を発表し、現行140〔g / km〕の自主規制から130〔g / km〕に抑えます。 EUの部門別の温暖化ガス排出量と削減策は図2のごとくです。

引用:日本経済新聞(2007年2月19日)

 

米国は、
(1)
米石油メジャー首脳から「温暖化ガス削減には政府による規制が必要だ」の指摘が出て、姿勢の変化が見られます。
(2)
今後10年間でガソリン消費を20%削減、米国内で生産する自動車の半数を2012年迄に代替燃料で走る車にします。
(3)
一般教書演説で燃費規制に関して2017年まで4%ずつ向上する目標を掲げました。
(4)
トウモロコシ原料のエタノールだけでなく、バイオ燃料の研究開発の後押しをします。
(5)
カリフォルニア州は2010年までに2000年レベルに戻す計画で、約10州が追随します。
各国の温室効果ガスなどの削減目標は表4のごとくです。
表4 温室効果ガスなどの削減目標
欧州連合(EU) 2020年までに90年比20%削減
英国 2050年までに90年比60%削減
米国 GDP当たり排出量を12年までに00年比18%削減
米・カリフォルニア州 2050年までに90年比80%削減
米・北東部8州 2018年に09年比10%削減
中国 GDP当たりエネルギー効率を06〜10年に20%向上
環境庁資料などから作成(京都議定書の削減目標を除く)
引用:朝日新聞(2007年3月3日)

Q:
世界的な動きと共に日本も積極的に動く必要がありますね。
A:
当然ですね。
問題は今日現在の水準と趨勢です。決して芳しいものではありません。
温暖化ガス排出の現状(2005年)と目標は表5・図3のごとくです。
図3ではこの関係が良く判ります。
増減率は、

産業・エネルギー部門
運輸部門
業務部門
家庭部門
国全体
-1.8%
+18.4%
+42.7%
+37.8%
+8.2%     
注.増減率は表5の値から算出しました。
表5 温暖化ガス排出の現状と目標(単位:百万トン、二酸化炭素換算)
▼年 基準年1990 現状2005 目標(平均)08-12
▼国全体 1,261 1,364 1,185
産業・エネルギー部門 550 540 504
運輸部門 217 257 250
業務部門 164 234 165
家庭 127 175 137
(注)全体にはその他、メタンガスや代替フロンガスなどの排出量が含まれる
引用:日本経済新聞(2007年2月21日)

引用:日本経済新聞(2007年4月17日)  
特に問題は、運輸・業務・家庭部門の増加です。
経済産業・環境両省審議会の追加措置の提案は表6のごとくです。
ただ、産業・エネルギー部門は、今日現在では増加の模様で一段の努力が求められます。
業務部門の業務別排出量は図4に示すごとくで、政府はサービス業・学校・病院などに自主的な削減目標を作るよう求める方針を、建造物の省エネの規制も2000u以下の物件・既存の物件への拡大の方針を固めたようです。
経済産業・国土交通両省は、乗用車は2015年度を目標とする燃費基準を2004年度比23.5%の燃費改善とすることを決めました。
各部門共、実効的施策の展開がさらに求められるでしょう。
表6 経産、環境両省審議会の提言の骨子
オフィスなどの業務部門と家庭部門対策
建造物の省エネ基準規制の対象を床面積2000平方メートル未満の物件にも拡大
業界ごとに排出量削減などの自主目標を設定する「自主行動計画」への参加
家電のトップランナー制度の対象拡大
各家庭でCO2の排出量を記録する「環境家計簿」の利用促進
運輸部門対策
バイオマス燃料の導入促進
低燃費車の普及に向けた技術開発の推進や優遇税制の導入
製造業など産業部門対策
中小企業の省エネ投資を優遇金利など資金面で後押し
その他
「環境税」の導入の検討
引用:日本経済新聞(2007年4月17日) 
 
引用:日本経済新聞(2007年2月21日)  
Q:
改正省エネ法が推進されれば、さらに改善が・・・。
A:
いや、そう安閑としたものではないですね。
省エネ法は原単位を指標としている面があり、直接的な総量規制ではありません。
原単位が向上しても生産増・増設・設備増で総量増がありえます。
報告・改善計画の提出が求められていますから、改善は逐次進むでしょうが、増設・新設・操業度の問題がありますから、それらをカバーする積極的な改善を推進する必要があります。
原単位向上と共に総量削減が望ましい姿で、この努力が求められます。
一方、国内大手企業には法令遵守・環境への配慮など企業の社会的責任CSRを基準とした部品・資材調達先の選別の動きがあります。グリーン調達もあります。
調達先に遵守状況の報告を求める企業も出てきました 。
この傾向はさらに進むでしょうから、十分に意識した対応が必要です。
ですから、国の総合政策に添うだけではなく、企業独自の施策が、生き残る為に求められる時期になったように思います。
落伍する事なく追随し、そしてさらに先を行く、これが優劣を招くことになるでしょう。前向きに考えれば、差別化の絶好の場面でしょう。
Q:
設備投資が必要になるような改善は・・・採算性の吟味が・・・。
A:
その通りです。
しかし、競争ですからあまりにこだわり過ぎて対応・CSRに遅れをとりますと失注から・・・負の連鎖・・・ということにもなりかねません。
企業の優劣・体質・技術力・体力が問われるでしょう。
省エネが大きなテーマとして挙がってきますが、省エネ施策の費用と効果・採算性の吟味の必要性は言うまでもありませんが、体力的に苦しい場合は、
  まず、利益の出る構造に体質を改善し、
  さらに、CSRを意識して妥当な水準での改善施策を展開し、
       競合他社との差別化を図り、さらなる発展を期す
ことが望まれるように思います。
何事も同様ですが、省エネは、「着眼大局・着手小局」で、できることから細かいことを積み重ね継続することが必要です。
Q:
できることと言っても・・・。
A:
難しく考えないことです。
まず、「使うことを止める」ことです。
止めたらどうなるか、どのような支障が生じるかを考えると答が出てきます。支障がなければ止め、支障があればそれの排除・抑制です。
次いで、「使用量を削減する」ことです。
我々の身の回りを考えてみてください。
エネルギー消費の効果としての利便性にかまけて、生じた時間などを有意義に使っているか非常に疑問があります。
そのような視点でチェックすると、カットできる無駄は多々あります。
社会全体がライフスタイルを見直し、考えた行動が求められる局面ではないでしょうか。
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