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株式会社INBプランニング
代表取締役 稲葉 芳久 |
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| 【翔 魅力ある愛知の中小企業(58)】 |
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| 業界の常識を覆せ〜原料廃ゴムリサイクル事業 |
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廃棄物まみれからのスタート |
平成15年、ゴミの混じる原料廃ゴムと格闘する人物がいた。株式会社INBプランニングの稲葉社長である。
INBプランニングは、ゴム製造会社で発生する未加硫の原料廃ゴムのマテリアルリサイクル事業を行う目的で設立された会社である。
当時は原料廃ゴムが資源になるという認識が低かったため、有価物として購入した原料廃ゴムには他の廃棄物も混じっていた。このため、リサイクルをする以前に原料の分別を強いられることとなり、1日かけて分別した原料からできたゴムはたったの100kg。商売にならなかった。
社長曰く「今から思えば全く『マンガ』のような船出」であった。 |
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三重苦の中に秘められた自信 |
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稲葉社長は外資系石油会社に勤務、営業や企画等の業務に従事していたが、助走期間を経て平成12年6月会社を52才で設立し、平成15年4月当事業をスタートした。だが、ゴムに関しては全くの素人で、知識ゼロ・経験ゼロ・人脈ゼロの3重苦。しかも、ものづくりも初めて。 |
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「工場を持ちたい」、この気持ちだけはあった。「祖父が多くの人を雇って、蚕から糸をとって製糸工場を営んでいたのを自分も見ていたからかもしれません」。 |
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自信はあった。サラリーマン生活の約30年で、仕事の仕方、利益を出す方法は知っている。あとは将来性のある事業を何にするかだ、と考えていた。 |
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助走期間に「原料廃ゴムは処分の方法が非常に難しい」と聞くや、持ち前のチャレンジ精神が頭をもたげた。「それならこのゴムをリサイクルしてやろう」。 |
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しかし、問題は資金力。創業時に設備購入すらままならなかったが、当時「ゴム業界」は冬の時代。中小・零細企業の倒産が多く、原料を混練する機械を非常に安く入手することができた。 |
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徹底分析でリサイクル技術を開発 |
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リサイクル製品を製造する際、非常に問題となることがある。それは、原料の組成成分がさまざまで、製品原料としての安定性を欠き、品質の安定性を出すことが非常に難しいことである。 |
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この問題を解決するために稲葉社長は多くの時間を割いた。高品質のものを安定的に供給できなければ事業として成り立たない、と考えていたからだ。 |
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ゴム製造工場ではもともと廃棄物であるが故に、原料の配合はゴム製造メーカの秘密で、教えてくれない。そこで、原料を徹底的に分析、試行錯誤を重ね、ほぼ配合を推定する技術を高めた結果、安定した品質を製造することに成功した。 |
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この技術により、現在では原料廃ゴムで建築土木の現場で使用される道路用ゴムマットや乳牛用牛床マット、ゴム製ポールなどを製造している。 |
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作れば売れる乳牛マット |
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乳牛用牛床マットは、JAグループや酪農商社などを通じて販売され、他社のゴムマットに比べ価格、耐久性、安全性、衛生面が高く評価されている。大学との共同研究でも「乳量があがった」「関節炎の発症が全頭完治した」等の効果が報告されている。「発売当初は動きが鈍かったのですが、使った方の口コミで広がり、現在は『作れば売れ』て、在庫もほとんどない状態です。やはり『いいものを・速く・安く』つくることがビジネスの本質と考えています」。 |
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視覚障がい者を支援せよ
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平成17年11月、名古屋モーターショーに出展したゴムポールが話題を呼んでいた。ITS(高度道路交通システム)特別企画展コーナー出展されたゴムポールは「視覚障
がい者用音声誘導装置」機能を付加したもの。これは社会福祉法人、大学、販売商社との共同研究によるものである。 |
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さまざまな信号情報伝達方法を付加したこのポールは、道路で人と車が共存するための新たな取り組みとして注目を集め、テレビ東京のワールドビジネスサテライトの注目商品コーナー「トレンドたまご」でも
全国に紹介をされた。
実はこのゴムポールで機能以外に「業界内」で注目された点がある。それはこのゴムポールが鮮やかな白に塗装されていた点である。
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「ゴム業界の常識」では「ゴムへの塗装はムリ」とされてきた。色付きのゴムもあるのだが、色素を混ぜて混練したもので、鮮やかな白にはならないし、塗装でもない。ゴムにそのまま白を塗装すると、経年により成分が染み出し黄変してしまう。また、塗装膜の弾性とゴムの弾性とが一致しなければゴムの弾性に塗装膜がついて
いかず、塗装膜の破断が起こる。この常識に「持ち前のチャレンジ精神」が再び頭をもたげ、材料段階から可能な原料構成を突き止め、かつ試行錯誤の末、最適な塗料・前処理法を見つけ出すことにより、見事に白色塗装を完成させた。
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県から高評価、国のエコタウンプロジェクトへ飛躍 |
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こうした同社の取り組みに対し、愛知県中小企業振興公社が開催する「事業可能性評価委員会」から、平成16年末に最高の「A」評価が送られた。「社長というのは孤独なもので、公的機関など客観的に見てくれるところから評価を受けると大変な自信になるのです」。この自信に後押しされる形で愛知県の「あいちエコタウンプラン」に
当マテリアルリサイクル事業を提案したところ、「先導的効果的リサイクル事業」との評価を得、経済産業省と愛知県から平成17年度「エコタウン事業」の承認を受けることが決定した。今後の事業の推進に強力なバックアップがされることとなり、一層の飛躍が期待されている。
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