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専門家派遣事例


過疎化が進む山間商店街の中の書店の店舗改装と今後の書店経営のあり方

1. 専門家名 小島 賢次郎
2. 企業名 合資会社 白久商店
3. 所在地 愛知県足助町
4. 業務内容 書籍、文具販売小売業
5. 創業年月 大正10年9月
6. 従業員数 3人

7. 支援内容の構成
ア.企業概要
当店は、足助町の中心商店街(歩道のない歩車共存道路)のなかで書籍、文具を販売する歴史ある店である。当店の立地する足助町は、愛知県の東北部に位置し、ピーク時に17,342人あった人口は平成12年には9,852人にまで減少、同年の高齢化率は27.28%と高く過疎と高齢化の進む町である。
町民の他市町村への依存は高く、通勤・通学では豊田市への依存率が31%と高い。また、商業においても豊田市への流出は高く、平成11年商業統計調査から推計する地元購買率は50%と低くなっている。
このように厳しい環境のなかに当店はある。
当店の売り場面積は30坪、専用駐車場はない。

イ 経営課題
過疎と高齢化で書籍、文具の需要が大きく減少している。また、3年前に食品スーパーを核にした地元共同店舗が郊外に出店し、当店の立地する中心商店街への来街者数が激減している。 また、中心商店街の集客核の一つであり、商店街の重要な客でもある足助事務所が平成13年度末をって大幅に機能縮小されるという問題もあり、当店としてこうした環境変化にどう対応していくかという問題がある。 一方で、ハッピイマンデーによる3連休の増加や隣接する稲武町での温泉開発、不況による近場観光の人気などから足助町の観光客も年間200万人を超えているが、この観光客が当店の立地する商店街を訪れることはほとんどなく、この観光客を当店としてどう引き込むのかという課題もある。

ウ 派遣理由
店舗施設が古く、改装しようとの思いもあるが過疎化が進むなど厳しい環境から改装すべきかどうかなかなか踏み切れないでいる。また、改装するとしたらどのように改装(店づくり)したらいいかの迷いがあり、決断に繋がる具体的なアドバイスが欲しい。

エ 具体的アドバイス
  • 経営方針の確立
    店舗施設の現状を調査し、太い梁や高い吹き抜けなど築180年の建物や足助川に隣接する庭や蔵などの付帯施設など都会では味わえない当店ならではの建築の美しさを観光資源として活用することや観光客への想い出づくりとしての絵手紙コーナー、店舗の一角に若手作家の作品を展示販売するギャラリーの新設等、過疎化が進む観光地・足助の書店経営の今後のあり方(経営方針)について助言する。

  • 経営方針をもとに作成した改装計画図、工事費の調整・助言
    経営方針をもとに作成された店舗レイアウトやイメージなど改装計画図をチェックするとともに、使用材の良否や調達方法の見直し、検討から、投資する費用対効果など多方向から見積金額、工事仕様の調整・助言をする。

  • 商店街との連携強化
    当店の立地する商店街に観光客を呼び込むことが当店及び当店の立地する商店街活性化の近道であり、当店を含む活性化に前向きな商店十数店をグループ化し、商店街に観光客を共同で呼び込むことが望ましいことを助言する。
    また、グループ化にあたっての留意点やVI(ビジュアルアイデンティティ)確立のために作成した参考デザイン(中馬街道と花まつりをベースとした左馬)など、資料をもとに具体的助言する。

オ 支援の効果
年々人口が減少する中山間地域での書店経営の先行きは暗く、なかなか改装に踏み切れなかった当店だが、本事業で提案した商店街の仲間も一緒になっての「観光客を客対象に加えた店づくり」が理解され、足助川の活用や築180年の木造建築の美しさなど当店のもつ隠れた(埋没していた)観光資源を店づくりに活かした新しい白久商店が完成した。これにより、何よりも経営者自身に自信と経営意欲が高まり、今後、序々にではあるが業績の向上に期待がもてるようになった。また、現在進めつつある、小原村、藤岡町、旭町等隣接する三河中山間地域で活躍する若手作家の陶芸、和紙、ガラス工芸などの展示販売などが進行すれば、その部門の売上も期待できる。また、当店の新しい店づくりを機に、中心商店街の活性化に前向きな店から成る活性化グループ「あすけぬくもりコレクション」が誕生し、商店街の多くの店(その中心は女性)が街づくりに向かって動きはじめたことも当事業の大きな効果である。

カ 社長さんの一口コメント
改装は長年の懸案でしたが、方向性が見えませんでした。この度、独自性が主張できる店舗になったことで視野が拡がり、新たな人間関係も生まれました。みんなで力を合わせてやっていこうという気運が商店街に芽生えたことも望外の収穫でした。

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