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サイト改善の基礎手法(第3回)
吉田 喜彦 記事更新日.11.11.01
有限会社 教材ドットコム代表取締役
■PROFILE
国内初のGoogleアナリティクス・Appギャラリー登録事業者。
情報系専門学校マルチメディア制作科主任を経て1997年に独立。
2004年法人化。現在はアクセス解析のコンサルティングやIT関連研修を展開。Googleアナリティクスセミナーは毎回満席と人気を博している。また、アクセス解析を広めるため自身のブログ、カグア!では4コマ漫画「Webアナリストすみれ」を描く。
教育システム情報学会会員。

■問い合わせ
有限会社 教材ドットコム
〒523-0002 埼玉県志木市中宗岡1-9-1
http://www.kagua.biz  
印刷用ページ
■Googleアナリティクスを用いたサイト改善手法

最終回を向かえる今回はいよいよサイト改善の手法を解説します。

さて、ただその前に1つ気をつけて欲しいことがあります。データ分析は多くのデータであればあるほど精度は上がります。たとえば、20〜30件の訪問数を分析しても「季節変動だ!」「偶然だ」となりかねません。まずは、サンプル数として十分な数字を見られる期間設定をしましょう。

Googleアナリティクスでは、画面右上の日付をクリックし、例えば1ヶ月を分析するのであれば、「9月2011」という「月」をクリックすれば1クリックで1月が選べますので便利です。また、「過去との比較」としますと、前月、または任意の月の比較(前年からGoogleアナリティクスを設置していれば前年なども可)が出来ます。

以降、新しいGoogleアナリティクスのメニューでの解説になります。新しいGoogleアナリティクスを未体験という方は画面右上の「新しいバージョン」をクリックしていただきますと切換可能です。特別なプログラムの設置等は必要ありません。

■サイト改善の基礎手法 ※Googleアナリティクスの場合

ウェブサイトには何らかの目標があるはずです。例えば、製造業サイトでは「問い合わせをしてもらう」、ネットショップであれば「売上げ目標××円」など。訪問者にそれらの行動をしてもらうために、それぞれのステップでその数や状況を把握することが第1歩です。ユーザー動向の図は9月号で紹介した通りです。その上で、成功している訪問を分析したり、そのケースに近いが成功していないパターンの課題を見つけたり、と調べていくのです。

以下は全て、Googleアナリティクスの「標準レポート」以下のメニュー操作になります。サイト改善の第1歩としては、まずはこれらの指標を把握することから始めましょう。

流入 ユーザーの訪問経路を把握する トラフィック>サマリー
訪問のきっかけとなった検索キーワード トラフィック>参照元>検索>オーガニック検索
回遊 ユーザーがどれくらいのページ数を見ているのか ユーザー>サマリー ※訪問別ページビュー
ユーザーがどのページから見始めているか コンテンツ>サイトコンテンツ>ランディングページ
ユーザーが次にどのページを見ているか コンテンツ>サイトコンテンツ>ランディングページ、を選びそのうちの1ページをクリックし、「入り口からの遷移」
どのページが最もよく見られているか? コンテンツ>サイトコンテンツ>ページ。
問い合わせをしてくれたか? コンテンツ>サイトコンテンツ>ページ。問い合わせ完了ページのURLを検索(アドバンスフィルタ)する。
ページのどこをクリックしているか? コンテンツ>ページ解析
離脱 どのページから去ったか? コンテンツ>サイトコンテンツ>離脱ページ


問い合わせ完了のURLですが、例えば次のようなケースが考えられます。以下のように検索しますと、「問い合わせがあった=問い合わせ送信完了URLが表示された」ということですので、問い合わせがあったかどうかを把握できるのです。

問い合わせ
完了ページURL
http://www.kagua.biz/thanks.html ※例
確認方法
コンテンツ>サイトコンテンツ>ページ

■サイト診断の例〜改善のための仮説を考えるヒントに

例えば前述のサイト状況の把握から、以下のような数値(参考例)がわかったとしましょう。

流入 トラフィック>サマリー 検索サイトからの訪問が8割
トラフィック>参照元>検索>オーガニック検索 流入キーワードは、社名が最も多く、次に主要サービス名、他に想定外の「デザイン」などの単語も散見された。
回遊 ユーザー>サマリー ※訪問別ページビュー 平均3.6PV
コンテンツ>サイトコンテンツ>ランディングページ アクセスされ初めのページとしてはトップページが最も多い。約55%がトップから。
コンテンツ>サイトコンテンツ>ランディングページ、を選びそのうちの1ページをクリックし、「入り口からの遷移」 例えばトップページの次に見られているページはいろいろあった。会社概要や商品カテゴリーなど。トップにある新着情報は意外と見られていないこともわかった。
コンテンツ>サイトコンテンツ>ページ。 トップページが最も多い閲覧数。約半数。
コンテンツ>サイトコンテンツ>ページ。問い合わせ完了ページのURLを検索(アドバンスフィルタ)する。 問い合わせ完了数は5件。
コンテンツ>ページ解析 画面上部のナビゲーションが最もクリックされていた。サイドにあるバナーはあまりクリックされていなかった。
離脱 コンテンツ>サイトコンテンツ>離脱ページ 離脱ページのほとんどはトップページ。約40%。

これだけ見るだけでも、改善のヒントが思いつくのではないでしょうか。Googleアナリティクスではメニューがたくさんありますが、まずはこれだけで十分です。

「がんばって作ったのにバナーがクリックされてないぞ!」
「新着情報はクリックされないぞ!トップのここに必要なのか?」
「トップページがたくさん見られているのだから、まずはトップページを改善してみよう!」


いずれも仮説の域は勿論出ません。しかし、こういった指標をそもそも知らなければ、改善の土俵にさえ立てていないことが理解できると思います。

一方で、「じゃあ平均3.6ページしか見られていないのは多いの?少ないの?」というのはあまり意味がありません。サイトの属性によって1ページだけでも問題無い場合と、そうでない場合があり一概には語れません。ただ、一般的には問い合わせや購買など期待するアクションを起こすユーザーというのは概ね平均ページビュー数は高くなる傾向はあります(多い場合ですと20PV以上など)ので、「じゃあ平均PVを増やすにはどうすればいいんだ?」と具体的に施策のアプローチ検討が出来ます。

■改善は効果の高そうなものから

アクセス解析は知れば知るほど、その奥の深さを実感されると思います。その一方で「そんなに分析する時間が無い!」「分析にコストをかけたら改善するデザイン費用が確保できない!」などという声もあるかと思います。また、ひらめいた改善策もあくまで「仮説」ですから、リニューアルの費用が100%回収できるかというと難しいとも言えます。

もちろん、すでにアクセス解析を取り入れている企業でも悩みは同じです。もしくは、課題やギャップは把握しているが改善施策をする費用が確保出来ない、という悩みは多く存在します。

ですから、オススメなのは効果が高いと思われる施策からトライすることです。

例えば前述のサイトであれば、トップページが最も多くアクセスされていましたので、トップページのデザイン修正が効果を上げるかもしれません。

もしくは、ゴールに近いところから改善する、という方法も有効です。

例えば問い合わせフォームを調べたとき、入力(100件)→確認(20件)→送信完了(15件)となっていたならば、送信確認画面からの移動を100%を目指すような施策を試す、ということです。ここをもしも改善できれば、すぐに問い合わせ増に直結するので、次回以降、改善のための予算確保に目途がつくかもしれません。

■あとがき

いかがだったでしょうか。3回に渡りアクセス解析を取り上げてきましたが、基本的なツールの使い方や指標の見方がわかりましたら、あとは改善のための仮説→実践→評価の繰り返しです。

皆さんのサイトが今以上に精度の高い運営が出来ることを祈っています。

ご愛読ありがとうございました!

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