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私たちの周りの製品には、ロット番号・シリアル番号と呼ばれるナンバーがよく書かれています。 特に、工業製品などはたくさんの素材を用いて、様々な工程を経て作られることが多く、その中で安定した品質を維持・管理するために、商品がいつ、どこで作られたものかを記号にして印字しておくことが非常に役立ちます。また、重大なクレームが発生した場合、ロットを特定できれば、市場回収量を最小限に留めることができるというメーカの防衛策としても大変有効です。
各種製品へのこのようなマーキングには、手書きなどの直接製品に触れて印字する「接触マーキング」と、製品に触れることなく印字する「非接触マーキング」があります。「非接触マーキング」には、インクジェットプリントとレーザーマーキングがあります。特にレーザーマーキングには、インクの管理が不要であるという利点がありますのでここで紹介します。
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虫めがねで太陽光を集光させると集光部では光のエネルギー密度が上がり、紙が燃えるほどのパワーが生まれます。これと同じ原理で、レーザーマーキングではエネルギー密度の高いレーザーを受けると、表面は急激に温度が上昇し、「溶ける・焦げる」という過程を通り越し、「昇華」してしまいます。このとき、被処理材の成分によって溶融・昇華しやすさに差があるため、処理面には削れたような溝が形成されます。（写真１）
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レーザーマーキングの対象物は紙に限らず、金属・ガラス･セラミックスなどあらゆる材質に印字可能です。レーザーマーキングのレイアウト作成は、希望の絵やメッセージをスキャナで読み込み、それを自在な大きさに描画できます。また、わずかなスペースに高速・高精度な印字・描画を行うことが可能です。
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陶磁器製品をキャンパスに、レーザーマーキングによって文字や絵を描きました。写真２は、文字を印字したものです。これらの文字に各種情報を含ませることにより、製造工場・製造日・製造条件などを識別することが可能になります。
写真３は、雪の結晶のイラストをスキャナで読み込み、加飾を目的に描画した例です。
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また、常滑の伝統的産品である急須には、「墨入れ」を行う場合があります。これは、「印刀彫り」といって焼成前の段階で、文化や自然を題材にした文字や絵を、印刀を使って丹念に彫っていきます。その後、焼き上がった製品を磨き、風合いを出すため彫刻した部分に墨を入れます。その墨を水で洗い落とすと彫られた絵柄がはっきりと浮かび上がります。しかし、手彫ですので時間もかかり、細かい描画にも限界があります。この「墨入れ」にレーザーマーキングを利用することができます。短時間で繊細な彫刻が可能です。レーザー照射によって削られた溝に墨を入れることにより、模様に沿って染色できます。写真４は、急須の側面にレーザーマーキングを施し、墨入れしたものです。
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レーザーマーキングを陶磁器製品に活用すれば、希望の絵やメッセージを描画した商品を簡単に作製できますので、結婚式の引き出物・プレゼント・記念品などへ応用できます。
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