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動物毛鑑別の実際とDNA検査キットの開発
愛知県産業技術研究所  記事更新日.08.09.01
食品工業技術センター
■問合せ先
〒451-0083 名古屋市西区新福寺町2丁目1番の1
TEL 052-521-9316  FAX 052-532-5791
http://www.aichi-inst.jp/kenkyujo/shokuhin.html
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近年、消費者の食品の安全性に対する要求が非常に高まっており、県内企業から食品工業技術センターに持ち込まれる食品混入異物に関する相談件数は年間300件以上、依頼試験は150件以上にのぼっています。このうち、動物毛を始めとする動物由来の異物は1割程度で、動物毛は代表的な食品異物の1つです。今回は、動物毛鑑別の実際と、当センターで開発したDNA検査キットについてご紹介します。

1.動物毛鑑別の実際

「食品に毛のようなものが混入しているので見て欲しい」と相談を受けると、まず混入状況を示す写真を撮影した後、「毛のようなもの」を破損しないように取り出します。汚れを除去して全体像を眼で観察し、次に生物顕微鏡で観察します。小皮紋理(キューティクル)や髄質(芯の部分)の構造があればヒトを含めた動物毛であると判定します(図1)。ちなみに通常の食品製造過程の加熱(〜200℃程度)では、動物毛の構造に形態変化はほとんど起こりません。しかし、パーマや脱色による化学処理では損傷が激しい場合があります。
 


動物毛を更に詳細に顕微鏡観察することにより、ヒトのものか他の動物のものか、人毛であれば発生部位の推定、動物毛であれば動物種などが推定できるとされています。例えば、衛生試験法注解 2005 によると、動物毛の鑑別法は、
(1)外観形状
(2)毛先の形状
(3)毛根の形状
(4)小皮紋理の形状
(5)髄質の形態
(6)髄指数(髄質の太さ/毛の太さ×100)
の6項目についての総合判定によると記載されています。試料の毛の型を取ったり、薄い輪切りにしたりして、標本や写真と比較し判定しますが、実際はかなりの熟練を要するため判定は容易ではありません。そこで、動物の種類を判定する場合は、科学的根拠の明確なDNA検査を併用することにより、判定率をかなり向上できると考えられます。

2.動物毛のDNA検査キットの開発

食品の中から発見される動物毛は、多くの場合たった1本で、しかも保存状態がよいとは限りません。この微量な異物からDNAを高感度かつ短時間に検出する手法としては、現在のところ特異的PCRという技術が有効であることから、検出に必要な試薬(プライマー)を最適に組み合わせた動物毛のDNA検査キットの開発に取り組みました。 開発したキットは、各3種類の動物に対応するプライマーからなる4本の検査液で構成されます。図2の手順で検査すると、異物のDNAに当てはまるプライマーだけが反応して、特有のパターンを浮かび上がらせます。これにより異物がどの動物に由来するかを判定することが出来ます。判定できる動物種は以下の計12種です。  

食用家畜 ペット ネズミ
豚、鶏、牛、羊、馬、山羊 猫、兎、犬 クマネズミ、ハツカネズミ、ドブネズミ
衛生管理で特に重要なネズミについては、生息場所の異なる3種を判別することが出来るので、例えば加工食品からネズミの毛が見つかった場合、それが穀物倉庫段階で混入したのか、調理段階か、流通段階かについてある程度の目安を付けることができ、再発防止に向けた的確な対応を進めることが可能です。
開発したキットは異物判定を主な目的としていますが、毛以外にも骨、肉、血液などを試料として、豚、鶏、牛の判定が可能なので、先に問題となった食肉偽装の判別やBSE対策用の飼料(肉骨粉)の分析にも対応できます。
本キットは特許出願後、実施契約した企業によって製品化され(図3)、プロトコル(使用説明)も公開していますので〈http://www.pref.aichi.jp/0000016105.html〉、必要な設備等があれば利用可能です。

以上のように、顕微鏡観察とDNA検査を併用することによって、動物毛の判定率を向上することが可能です。企業ではより的確な対応を取ることが可能となり、安全で安心な食生活の提供に寄与します。
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