今回もそのいくつかあった事例を紹介させていただきます。
- 数倍の手数料を払えばスムーズに通関が行われた
- 明らかに判別できる申請書類の文字が見えないとクレーム
- 企業名の漢字記載がない(実際は必要ない)とクレーム
- 箱のサイズが記載内容とわずかに違った
- 真空パッキングの必要な貨物を開梱チェック後、長期放置された
- 純水で洗浄済みの基盤を手づかみでチェックする
- 故意では無いかと感じるほどゆっくりと通関処理された
- 中央政府役人がいる期間中のすべての貨物を全数検査対象としていたのに、いなくなれば即通関許可が出た
- 書類記載のHSコードが違うとクレームされ、梱包品と全く異なるHSコードを指定され足止めを食らった
(HSコード:"Harmonized Commodity Description and Coding System"(「商品の名称および分類についての統一システム」(=以下、HSと略す)として、国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一する目的のために作られたコード番号のこと)
5.の真空梱包品は、開梱されれば再梱包が必要となりますが、納得のいく理由もなく開梱され梱包費の二重出費。開梱時は無造作に開梱するため、綺麗に梱包してあっても開け方がひどいので元に戻らず再梱包となります。
再梱包となれば梱包できる所まで戻さなければならなくなり、大型貨物であれば1〜2週間のロスタイムとなってしまいます。
開梱対策として比較的再梱包の簡単な資材であれば、梱包資材と申告書類を事前準備して積載し、通関後にドライバーや助手に再梱包させ輸出する事も出来ますが、真空梱包となるとそう言う訳にもいきません。
7.の年末年始、黄金週間、国慶節など長期休暇の1〜2ヶ月前は忙しくなるため、いちいち個別企業に対し優先処理する訳にはいかない事は分かるのですが、ここで効果が出るのが根回しやクレームに対するこちら側の対応の仕方次第で処理対応が変化する場合もありました。
通常、出荷企業側はただ待つのみ、交渉しても「待て」と言われるだけなのですが、何故か費用の上乗せ等の交渉手段をすると効果があった事もあります。またこれも不確定ではありますが、通関担当から指示のある対応方法通りに(納得いく内容でなくても)渋々対応すれば早く処理される場合が多いように思います。
9.は、書類記載のHSコードが違っているとクレームされ、実際は間違っていないのに「間違っているので」と一方的に受け付けてくれないことがありました。
例えば、金属加工品なのに石/ガラス類のHSコードを指定され、書類の再提出を要求され、仕方が無く言われたとおり再提出すれば、再度今日からHSコードが変わった(そんな事はあり得ないのだが)と言われ元のHSコードに戻し書類の再々提出となり、嫌がらせとしか思えないような事もありました。
仮に中国側から違うHSコードで通関できたとしても、今度はもっと不便なことに発展する場合があります。HSコード表記が違えば受け入れる国で中身とコード表記が違うため通関できなくなり、荷物の差し替えているのでは無いかと疑われ、結局困るのは輸入するこちら側になってしまいます。
皆さんもご存じのあの尖閣諸島事件の時は、希土類のレアメタルを表面上は合法に止め、各輸出入業者に関係筋より直々に電話連絡があり(記録の残る書類ではない)、物品の通関は全種類全品全検査となり、中国から日本への輸出にストレスを与え、表向き「通関止めなんかはしていない」と言っておきながら、いつ通関完了するかわからない状態に陥らせられ、酷いと数ヶ月足止めされた貨物もありました。(この期間、中国保税区倉庫には通関待ちの大量の貨物があったとか…)
今思えば、全品目全数検査と言うことは、開梱検査とほぼ同等の意味と言えますが、コンテナのまま保税区に放置されていた物品も多かったと聞いています。(全検していないということです。) |