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地産地消×名古屋めしがキーワード 「あかもくきしめん・蓮根きしめん」
記事更新日15.11

代表取締役社長      秋田 勇人

【問い合わせ先】
株式会社 秋田製麺所
愛知県西春日井郡豊山町大字豊場字下戸41 
TEL 0568-28-1844・FAX 0568-28-3226
HP http://www.akitamen.com/pc/index.html
印刷用ページ

今回は「地産地消」と「名古屋めし」のコンセプトが製品になっている『あいちの製品』紹介です。

名古屋駅新幹線ホームにある「住みよし」は立ち食いきしめんが名物です。出張ビジネスマンがムロアジ、サバ、鰹の効いた濃厚な出汁を嗅ぐと「名古屋に帰ってきた」「名古屋への出張が始まる」と耳にすることがあります。
この独特な名古屋の食文化である「きしめん」を製造しているのが株式会社 秋田製麺所(以下:秋田製麺所)です。

秋田製麺所は西春日井郡豊山町にあります。昔の名古屋空港の近くであり、大リーガーの「イチロー」が育った町でもあります。セントレアへ移転する前は、名古屋空港内に土産物直売店を構えていましたが、移転後は県営名古屋空港売店や名古屋駅構内で土産物として「きしめん」を販売しています。もちろん、一般家庭消費向けの「うどん」「きしめん」及び学校給食向けの「ソフト麺」「やきそば」を主力に製造しています。

『あいちの製品』としてご紹介する製品は「あかもくきしめん」「蓮根きしめん」です。

  


■ あかもく

ワカメ、メカブ、コンブなどと同様、ヒバマタ目ホンダワラ科に属する海藻です。老成すると赤褐色になることから、「あかもく」と名づけられました。北海道から鹿児島までの沿岸に広く分布しており、特に栄養塩に富む浅海を好みます。アカモクは生命力がとても強く、大きいものだと7mくらいにまで成長します。

ミネラルや食物繊維、ポリフェノール等を豊富に含む点から、健康食品として注目が集まり、学術機関等での研究対象とされております。その結果、高血圧抑制と血糖上昇予防、抗腫瘍作用、コレステロール低下に効果のあるフコイダンや、骨粗しょう症予防に役立つビタミンKが豊富に含まれていることが分かりました。


■ セントレア(中部国際空港)と「あかもく」

セントレアは2005年に愛知県常滑市沖に空港島として開港しました。海の中に建設されたために潮の流れが変わり、ノリ養殖に弊害がでました。しかし、養殖に適さなくなった海が海藻の「あかもく」には適していました。当初は漁船のスクリューに絡まる等、困っていた漁業関係者がセントレアの「名物」として販売を始めました。そして、この栄養価の高い「あかもく」を使わない手はないと秋田社長は考えました。


■ 小麦新品種「きぬあかり」

愛知県農業総合試験場が平成12年より品種改良の取り組み、開発した小麦新品種「きぬあかり」は、収量性が高く、おいしい麺ができることからその作付面積が県内で急速に拡大しており、愛知県では、「きぬあかり」を「あいちブランド」として普及推進し、地産地消を進めています。(愛知県ホームページより) 小麦のでんぷんには「アミロース」と「アミロペクチン」があります。「アミロース」が適度に低いと、もちもちとした食感となります。「きぬあかり」は「やや低いアミロース品種」です。このため、「きぬかり」からできる麺は、つるつるでもっちりした食感を味わうことができます。まさに「きしめん」に最適な小麦粉です。


■ 「あかもく」を練り込む

「あかもく」をそのまま砕いて小麦粉に練り込むと麺の弾力が損なわれます。地元業者が粉末にした「あかもく」を仕入、それを小麦粉に練り込みます。当初、粉粒が大きいため「ゴミ?」「カビ?」と誤解されたクレームもあり、苦労しました。その後、粉末の改良をお願いし、適度な大きさの「あかもく」をきしめんに練り込むことができました。


  


■ 「れんこん」を練り込む

愛知県のれんこん栽培は、茨城県と徳島県とともに、れんこんの全国三大産地の一つとして数えられて います。その生産の歴史は古く、木曽川下流の土質が栽培に適していたことから、江戸時代には海部地域で生産されていました。地産地消の考えから「れんこん」を使わない手はありません。 「蓮根きしめん」は、愛知県産蓮根パウダーを「きぬあかり」に練り込みました。麺に合わせた、また、日本三大地鶏である名古屋コーチンガラエキスをベースにコクのあるしょうゆ味のスープが特徴です。



  
■ まるッと!あいち出張展示販売会

2015年9月20日(日曜)と21日(月曜)金山総合駅コンコースにて「まるッと!あいち出張展示販売会2015〜商工会地域のこだわりの商品が大集合〜」に出展しました。たまたま、金山駅を利用している「麺」を扱う飲食店等の業者の方の目に留まり、お声掛け頂きました。秋田社長は従来の「きしめん」にない製品に手ごたえを感じています。


■ ニッポンセレクト.comでの販売開始

「ニッポンセレクト」とは、地域経済を支える中小企業・小規模事業者等が、農商工連携や地域資源の活用などにより開発した商品等や、魅力ある隠れた地域産品等をウェブを通じて紹介・普及を行うことにより、地域の優れた産品を紹介・販売し、中小企業・小規模事業者の商品展開力・販売力の向上等を図ることを目的とした全国商工会連合会公式のサイトです。 ニッポンセレクト.comにて「愛知県ふるさと名物商品」の販売が始まりました。秋田製麺所の商品も都道府県の助成により30%Offにて購入ができます。このサイトでは、「蓮根きしめん」のほかにも、地元の人たち、特に若い人たちにもっときしめんを食べてもらいたいとの思いを込めて、これまでの花鰹醤油の概念にとらわれない豚塩スープに柚子こしょうの風味が効いた新しいきしめん「豚塩きしめん」もエントリーしています。

http://www.nipponselect.com/shop/goods/search.aspx?keyword=%82%AB%82%B5%82%DF%82%F1&tree=&genre_tree=&goods=&name=&min_price=&max_price=&sort=&search.x=0&search.y=0



  
■ 麺ができる工程

取材日の訪問時間帯は「やきそば」を生産していました。今回はその工程を簡潔に説明します。
@小麦粉や練り水を加えてミキサーで混ぜます。


  

A団子状になったらローラーで板状に延ばします。


  

B更に伸ばすため、階下へ送り、その後麺にするためカットします。

  

Cきしめん うどんは乾燥工程が必要なため、フックに掛け台車ワゴンごと乾燥室へ移動します。

  

Dやきそばはそのままゆで・蒸し工程へ移動します。

  

E最後は袋詰め工程です。

  

■ 奴の由来

取材を受けたときに座ったソファーの横に絵と札が飾ってありました。戦後の昭和24年、名古屋物価統制事務局が定めた小麦粉加工賃表です。秋田社長の先先代はこの地で農業を営んでいました。そして、戦後に製麺業を始める際、当時の助役の縁で「杉本健吉画伯」にお願いして奴行列の絵を頂きました。この奴をブランドにしたのが始まりです。


  
  

 

取材・文 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行

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