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光源・熱源技術の用途開発で拡がる世界
川合誠治 記事更新日.09.01.05
メトロ電気工業株式会社 代表取締役社長
■問合せ先
メトロ電気工業株式会社
〒446-0045 安城市横山町寺田11番地1
TEL 0566-75-8811(代)  FAX 0566-75-0171
http://www.metro-co.com/
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■「特殊電球といえばメトロ」の定評
「電球」というと、白熱電球や蛍光灯を思い浮かべる。しかし、あまり意識はしないが、特殊な環境で特殊な機能を持つ電球も身近に存在する。例えば、虫除け電球や電子レンジ用の300℃までの雰囲気に耐える電子レンジ用の耐熱電球、冷蔵庫の庫内用電球などがそれである。

こうした電球を作るには専門の技術力が必要で、大量生産も難しい。特殊用途に限定されるので市場が巨大というわけでもなく、大企業が手を出しづらい事業分野、いわば中小企業が得意とする格好の「ニッチ市場」である。こうした「特殊電球」を得意とし、冷蔵庫の庫内用電球に至っては年間3000万個の製造を行なっているのが、メトロ電気工業株式会社である。「特殊電球といえばメトロ、メトロといえば特殊電球」と称される技術力には定評がある。

■黎明期からの電球メーカー、特殊技術を磨く
メトロ電気工業鰍フ前身である横浜電気工業株式会社が設立されたのは1913年(大正2年)。1879年にエジソンが電球を発明してから34年後のことである。

当初は横浜で商標「メトロランプ」として電球の製造販売していた。当時、電力計などというものはなく、60Wの電球を1個つけるといくら、という従量制で、電球は電力会社指定のものをつけていた。電球メーカーもまだまだ少なく、当社ではこうした指定電球を納品していた。

一般的な電球だけでなく、多くの研究要員を抱え、特殊な電球開発も積極的に行っていた。そこに目をつけた日本軍からは、真空管、照準機の光源ランプ、航空機パネル用の電球などを受注するなど、「特殊電球」への強みを活かした事業展開はすでにこのころから培われていた。

関東大震災で工場を消失後は、渋谷に一旦移転後、1944年、安城市へ工場を本格移転する。軍物資を作っており、空襲を避けるための疎開移転であったとされる。

■コタツ用赤外線暖房電球で経営基盤を固める
終戦後、軍の仕事がなくなり、非常に経営が苦しくなったのを機に、心機一転、1951年に現在のメトロ電気株式会社を設立、出直しを図った。物資が不足していた戦後間もなくの時期、他社では量を作るのに手一杯であったが、技術的なベースがしっかりしていた当社では、JISの規格作りに関わる等、品質管理に力を入れることができ、その結果、工程の歩留まり改善に大いに貢献、高い収益力を持つ会社となった。

当社の大きな飛躍のきっかけとなるのが、昭和38年のコタツ用の赤外線暖房用電球である。大手電機メーカートップの2社では暖房用電球を自前で作っていたが、それ以外の電機メーカーでは電球を購入し、取り付けてコタツとして販売していた。当時、暖房用電球を内製していた電機メーカートップ2社の他は、スタンレー電気と当社の合わせて4社だけであった。当社でも大手電機メーカーへ納入し、川合誠治社長によると「とても良い商売ができました」とのことで、現在の経営基盤を築いた。

昭和54〜55年にかけ、家具調コタツがブームに。家具調コタツは、電機メーカーよりも家具メーカーが主役になると考え、家具メーカーが簡単に暖房部分を取り付けられるようなヒーターユニットセットを開発、これにより家具メーカーが多様な家具調コタツの製造販売をすることができるようになり、市場拡大に大きく貢献した。

■安心・安全を重要視、ヒーターユニットでシェア70%
バブル崩壊後、日本が不況期に入ると市場価格が下落、海外製の安価なヒーターユニットが入ってくるようになる。しかし、安価ゆえに問題も起こった。代表されるのは、コードの屈曲部や断線・接触不良が原因の発火である。その多くがユーザーの乱暴な扱いに由来するのだが、メーカーとしても「少々乱暴に扱っても安全が確保される製品を提供したい」と考えた。そこで、@コードには電線とともに綿糸の束を撚り合せた構造を採用、引っ張り・圧縮などの外的ストレスによる断線の危険性を減少させた、Aヒーターの差込プラグ形状を見直し、プラグを抜き差しする方向とコードのストレスがかかる方向とを直角にすることで断線する要因を極力少なくした、B安全の最後の砦として、コンセントのプラグにヒューズを内蔵し、万が一ショートしても、回路を遮断、発火の危険性を低減させるなどの工夫をし、安全確保には特別の配慮をしている。「当社としては、多少のコストがかかったとしても、安全、安心の確保が優先すると考えています。そうすることが、当社製品への信頼をいただき、長く使っていただけることにつながるのではないでしょうか」。

こうした安全への積み重ねに対する評価も手伝い、国内のヒーターユニットメーカー5社の中でシェア70%というトップシェア企業となった。

■局所暖房で省エネ・エコ、新製品「フットヒーター」
コタツの『局所暖房』という機能を突き詰めてできた新製品が『フットヒーター』である。足元の必要な部分だけを暖める商品で、大きさはヘルスメーターとほぼ同程度、厚さは3pの薄さを実現。センサーがついていて、足の動きを5分間感知しないと、スタンバイモードに、その後30分を経過すると、主電源が切れるという「忘れっぽい」人でも、電源の切り忘れを気にしなくてもすむ優れものである。「この商品は『省エネ』ということに力点を置いた商品です。1時間あたりの電気代が1.3円で必要なところが温まるのです。使わないところまで暖める必要はないと思いませんか?」と、明快な川合社長である。
■カーボンヒーターの用途開発で暖房機器以外へ可能性拡がる
現在、当社が力を入れているのは、ヒーター部品を暖房器具用途以外の、例えば工業用や業務用への用途開発である。そのきっかけとなったのが、発熱体にカーボンを用いた「ピュアタンヒーター」というカーボンヒーターの開発である。従来のハロゲンヒーターに対し20〜30%ほど熱効率が良い他、多くの利点を持つ。

また、電源投入から瞬時にフルパワーに立ち上がる特徴のアルゴンヒーターに着目した大手電機メーカーが便座のヒーター用途に採用、トイレへの入室センサーと併せることで、使うときだけ便座を暖めることに成功し「節約金額NO1」として売り出している。

また、ステーキの全国チェーンでは、ハンバーグを焼く熱源として活用、1年の共同開発の末、従来焼き上がりまで7分かかっていたのを4分に短縮することに成功、来店客の回転率の向上に寄与、同時に、従来よりもきれいにジューシーに焼き上げることにも成功した。

遠赤外線効果により、炭焼き同様、表面を焦がさないため中まで火が通ることから、業務用厨房メーカーからもオファーを受けている。

産業用としても、液晶パネル製造の洗浄工程後の乾燥用熱源として活用されている。乾燥に最も効率的な温度までの応答速度が早く、温度制御も可能となるため、乾燥時間を短くすることができ、生産コストを下げることに貢献している。

「今後も、こうした工業用や業務用への用途開発を積極的に進め、様々な業種と連携していきたいと考えています」と川合社長。

「実は、今年はこたつの売れ行きが良いのです。原油高ということもあるのでしょうが、ガスや石油を使うストーブよりも安全度は高く、必要なところだけ暖めるという局所暖房はエコに通じるものがあります。しかしコタツのよい所は、こうした省エネ・安全ということだけではありません。家族が集まり、一つのテーブルを囲み、みんなで暖まることができます。最近、家族関係が原因で起こる事件が増えてしまっていますが、コタツによる家族団らんが、体だけでなく家族の関係も暖めることに少しでも貢献できるアイテムになってくれればと思っています」。

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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