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パッケージングの「発・創・力」でトータル物流コスト削減を
大辻 誠 記事更新日.09.08.03
中津川包装工業 株式会社 代表取締役社長
■問合せ先
中津川包装工業 株式会社
 〒486-00934春日井市長塚町2丁目12番地
TEL 0568-31-6161  Fax 0568-31-5788
http://www.nb-npi.co.jp/
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■日本パッケージングコンテストで毎年高い評価
日本パッケージングコンテスト。日本パッケージ技術の最高水準を決定するコンテストである。材料、設計、技術、適正包装、環境対応、デザイン、輸送包装、ロジスティクス、販売包装、アイデア等あらゆる機能からみて年間の優秀作品が選定され、数社のみに「JAPAN STAR」賞が与えられ、アジア大会を経て世界大会への出展資格を得られる。
ここ数年、このコンテストの常連となり、2009年には「JAPAN STAR」賞の中でも最高の「経済産業大臣賞」を受賞したのが中津川包装工業株式会社である。

■今も受け継がれる「木枠をダンボールへ」
中津川包装工業鰍ヘ、大辻越堂氏により昭和30年岐阜県中津川市に設立された。
当時、三菱電機中津川製作所で製造されていた扇風機は、スチール製で重量があったため、木枠で包装し出荷されていた。それを見ていた創業者が「木枠をダンボールで出荷できるようにならないか。そうすれば、包装材の重さも軽くなるし、手軽になる」と考えたのが創業のきっかけである。
この「木枠をダンボールへ」という考え方は、現在に至るまで脈々として受け継がれる精神で、ダンボールのオーダーを受けて生産するだけの「ダンボールメーカー」とは一線を画する当社の特徴でもある。
当社が得意とするのは数百kgの荷重に負けない強度を持つ「重量物包装」と、様々な機能を付加した「機能包装」への提案である。これを可能にするのは、当社が独自開発した強化ダンボールと、それをどのようにパッケージングすれば各現場での物流にメリットがでるか、ということのコンサルティング力である。
400kgのモーター、総積載量700kgに及ぶ広幅ロール品、農薬散布用途の無人ヘリコプターなどの重量物包装、簡易ロックのキャベツ梱包ダンボール、オールダンボールの引越し用ハンガーボックスなどの機能包装などは当社の提案によるものである。

■強化ダンボール・ダンボールパレットを開発、業界トップの実績も
「他社と同じことをしても価格競争になるだけ」と、当社が強化ダンボール「ナビエース」を開発したのは昭和50年。現在においても「薄くて強い」という強みを維持している。
「一般には1uあたりの重さが220gの中芯を使用していますが、当社では180gの中芯で同等の強度を出すことができ、軽量化に大きく貢献することができます」と現社長の大辻誠氏。
昭和52年には「ナビエース」を使用したダンボール製パレット「ナビパレット」を開発、販売を開始する。ダンボールパレットはリサイクルできる他、木製パレットに比べメリットがある。木製パレットで輸出しようとする場合、燻蒸処理(くんじょうしょり)又は熱処理をし、材木についた寄生虫を殺して使用(輸出)しなければならないが、ダンボールパレットであればその処理が不要。また、木製パレットは含水量が40%ほどあり、輸送中にコンテナ内で水分が蒸発、結露するという現象が発生してしまうが、ダンボールパレットは含水率が9%と結露も発生しづらいという優位性を持つ。こうした優位性が評判となり、また改良を重ねることにより、ナビパレットは現在までに1千万枚の出荷を記録、業界トップの実績となった。
この梱包ダンボールとパレットとを組み合わせることで初めて、梱包の「オールダンボール化」の提案が可能になる。

■優位性のある「モノ」と、それを活用する「知恵」で顧客メリットの提案を
当社の強みは、こうした独自開発ダンボールを「ダンボール」として販売するのではなく、トータル物流コストダウンのための重要ツールとして活用し、かつ、現場に即したコストダウン提案を行なうことにある。つまり優位性のある「モノ」だけでなく、それを活用する「知恵」を組み合わせることで、顧客満足を勝ち取る戦略である。
この知恵を、大辻社長は「発・創・力」と呼ぶ。
「当社は『他社にはできないことを実現する』ことを目標にしています。ダンボールを売るのではなく、『物流のコストダウン』を当社のダンボールを使い実現してもらおう、という考えです」。そのためには、営業と設計部門が顧客の現場へ出向き、対象となる工程だけでなくその前後の工程まで調査し、トータルでどのような提案が可能か、そのために設計すべきパッケージングは何かということを検討する。
「必要とされる耐久性や緩衝性は、梱包物や配送状況により異なるため、それに応じた梱包方法を検討しなければなりません。過剰包装はコスト高や梱包・開梱作業に時間がかかりますし、積載数の減少につながります。必要な保護機能をクリアしつつ、シンプルな梱包により減容したり、梱包・開梱作業を効率化・簡素化する仕組みを開発したりすることは設計力にかかっています。その結果、当社からご提案させていただくダンボールの単体では高くても、梱包・開梱作業の人員や時間、積載効率化による輸送費削減、廃棄コスト削減などトータルでのコストダウンのご提案が可能になります」とのこと。

■苦難のピアノ包装オールダンボール化
中には完成まで長期間を要する難しい案件もある。
ヤマハより依頼を受けた「アップライトピアノのオールダンボール包装」では、1年以上を要した。ピアノはキャスターで支えられる部分荷重であり、その上、後ろから1/4の位置に重心がある偏荷重でもある。重量は1台300kgで保管は3段積みをするため、総重量は900kgにも及ぶ非常に難しい梱包物である。
「開発途中で、19台のピアノをひっくり返してしまったこともありました。さすがにこれはお断りされるだろうと思いましたが『ダンボール化は環境面でもヤマハとしても必要と考えていること。他社にはできないと断られた難しい仕事だとは分かっている。何とか最後まで完成させて欲しい』とおっしゃっていただき、それからは必死でした」と大辻社長。
試行錯誤を繰り返し、パレットに工夫をすることで重心を調整する方法を開発。その結果、梱包の部品点数が25点から11点に、梱包に関わる人員は12人から6人へと物流コストを半減させることに成功した。また、仕向け地が決まってからいすなどの付属部品を後入れできるようカンガルーポケットを作ったことも作業の平準化につながった。

現在、こうした電機・機械・自動車業界向けの特殊用途が65%、一般デリバリー向け用途が35%。そのほとんどが大企業向けである。「トータル物流コストダウンをご提案し、その効果をご理解いただいているため、納入しているダンボールについてのコストダウンのお話をいただくことはほとんどありません。そういう必要が出てきた場合には別のご提案で、さらなるトータル物流コストダウンに貢献できるダンボールを提供させていただくことになります。
こうして常に当社の価値を感じていただけるような付加価値を提供していくことが、当社の強みであり創業以来『他社のやらないことをする』という伝統の力だと思っています」。

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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