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省力化技術と多能工スタッフで新製品開発へのたゆまぬ挑戦を
高須 泰史 記事更新日.12.05.01
コオメイ工業株式会社 代表取締役社長
■問合せ先
コオメイ工業株式会社
〒448-0813 刈谷市小垣江町亥新田18-1
TEL 0566-21-1409 Fax 0566-22-5865
印刷用ページ
■瓦業界では知らぬものはないメーカーに
コオメイ工業株式会社は、昭和39年高須輿曾一氏が勤務先より独立創業、法人化するのは後の昭和44年のことである。 創業の地は三州瓦の産地である高浜市。瓦メーカーの嘆きを聞いていた。
「釉薬を瓦に塗るのに、ひしゃくを使っているのだが、手間も時間もかかる。なんとかならないか」。
そこで、サイホンの原理を利用して釉薬をくみ上げ、簡単に瓦に塗布する「手塗りサイホン機」を開発したところ、ヒット商品となり、後には「自動施釉搬送装置」と改良され、全国の産地で導入された。これをきっかけに当時「コオメイ」の名は屋根瓦業界では「瓦に特化した自動化・省力化専門メーカー」として知れ渡った。その後は、釉薬の塗布だけでなく、パッキングなど瓦の製造・出荷ラインの自動化装置まで手がけ、現在では韓国、中国、インドネシア、マレーシア、スリランカ、ドイツ等へも製造プラントの一部として輸出を行っている。
「アジア圏では瓦は高級住宅に使われますし、欧州圏でも石の次に高級な素材として扱われています。そんな中、日本の設備はシンプルで生産効率が高いと評価を受けており、まだ拡販提案の余地があるようにも考えています」と現社長の高須泰史氏。


■省力化技術を他業界へ、社員の多能工化によるスタッフ精鋭化で成功
昭和60年ごろより、こうした省力化技術を自動車関連の自動組み立てラインに活用、その後、航空機・食品・電池・遊戯関連にも携わり「現在では売上の半分が自動車関連で、瓦関係は10%程度になりました」。
現社長が、創業者である前社長から引き継ぐ際、2つの経営上の問題点があったという。
「一つ目は、それまで瓦業界向けがほぼ100%でしたが、より経営を安定させるためにそれでよいのかという点、二つ目は、同一業界向けの仕事ばかりでは視点も同じになりがちで技術力の向上が鈍るのではないか、ということでした。一つの業界や関連技術を深化させることで他社が追いつかない技術を確立するということも一つの方法ですが、自社ノウハウや技術を他業界で活用することを選択しました。その結果、現在のスタッフは加工、溶接・色塗りなどの製作や出荷、現地設置という設備の製造工程のあらゆる部分に携わることができる多能工となり、自社設計部門と合わせても他社の1/2のスタッフだけで工程を一気通貫でこなす体制を作ることができました。これは、多くの業種で省力化技術を磨いたことに加え、それ以外の分野での製品化に挑戦し続けることで『挑戦することが当たり前』というマインドになっていることも大きいと思います」。 従来とは異なる分野の多くの製品作りに取り組み始めたのは、平成14年に高須泰史社長が就任する前後から。
平成12年には、地元の大手アンテナメーカーと共同で「デジタルアンテナのカシメ装置」を開発している。
これは、支柱部分に何本もある素子部分をカシメにより固定することで、ビスレスにすることを狙った装置である。ビスレスになれば、プラスチックや鉄その他の素材が混在した組み立てパーツをなくすことができる。そうすれば、アルミ素材のみのアンテナとなり、アンテナメーカーは「廃棄負担を軽減した環境配慮型の製品」を作ることができる。しかし、単純にカシメれば良いというものではなく、カシメた後の強度や周波数特性がしっかり出ているかなど多くの課題をクリアする必要があった。


完成したカシメ自動化装置は非常に好評であったが「当初、何台ものオーダーがいただけるはずだったのですが、当初の想定より生産性が非常に良かったため、オーダーは半分になってしまいました。しかも、安価で壊れず『商売』的には、大成功とはなりませんでした」と高須社長は苦笑いする。

■他業種企業とのコラボで次々製品化
近年は、他業種企業とのコラボも始めている。
平成16年には自動車メーカーの車両管理ゲートなどの実績を持つ「有限会社ティー・イーシステムズ社」と車両入門ゲートを共同開発した。鳥が羽を広げたりたたんだりするような開閉動作をする作動フォルムの美しさに加え、折りたたまれることで従来のゲートに比べて省スペースとなる特徴を持つ。またティー・イーシステムズとの連携により、無理やり開けようとする等の異変を感知すると守衛へ通報するセキュリティ機能を加えた製品づくりが可能になった。このゲートは県内の大学に導入されるなどの実績をあげている。


ティー・イーシステムズ社との連携の成功から、平成21年には迷惑駐車防止システム(U-Platz)の開発へと発展する。 これは、コインパーキングにある車止めバーで見られるストッパーの簡易設置版ともいえる製品で、地面に穴を開けるなどの大掛かりな工事が不要で、接着剤で設置することができる。動作についても乾電池単一4本で1年以上作動(10回/日)するため配線も不要、ストッパーとなるバーの上げ下げもリモコンで行うことができる他、セキュリティを重視するのであれば、無線LANを利用して監視カメラによる映像を見ながらの遠隔操作も可能である。
横浜や安城でのショッピングセンターの身障者用駐車スペースなどで導入されており、身障者用スペースに健常者車両が駐車しているなどの苦情が全くなくなっているとのこと。
ショッピングセンターでは身障者手帳を本人が持参した際にリモコンをデポジット(預かり金制度)で貸し出し、利用者は駐車する際にこのリモコンを作動することで車止めバーを下げて所定のスペースに駐車することができる。リモコンの利用回数は一定のリミットが設定されており、リミットが近づいた段階で、引き続き利用したければ、再度ショッピングセンターで身障者手帳を確認の上、再び使用可能回数をリセットしてもらう。このようなリモコンの不正使用も防止可能な仕組みも準備している。


この事業は国の「新連携事業」に認定を受けるなど評価も高い。 「導入されたお店からは『身障者の方が駐車場を心配せず来店できるため、来店頻度が増えるなどの営業上のメリットもある』というお話もいただいています。こうした用途の他、緊急患者用のスペース確保用途で病院などへも提案を行っており、用途も今後拡がっていきそうです」と高須社長。

■大企業製品を向こうに回した挑戦で手ごたえ、挑戦は続く
今年3月に開催された「とよたビジネスフェア」では、両社で共同開発した放射能測定装置「ガンマポスト」を展示・発表した。設置タイプで、放射能を連続的に定点観測することが可能である。測定値を表示画面が一体となっており、その場で放射線量を見ることができる。電源は100V型の他、太陽電池型も用意しており、電源が確保しにくい場所で設置しても計測が可能である。計測結果は表示画面のLEDで表示される他、自動的にサーバーへ送信されるためデータ蓄積やスマートフォンへの転送も可能。一旦設置すれば無人でデータ転送がされるので、従来のように線量計を持ち歩き計測した後データ入力するという手間もなくなる。


「実は昨年の夏、福島で放射線量を計測するモニター装置について国で入札があったのですが、この製品で挑戦しました。最終ヒアリングまで行ったのですが、残念ながら金額面で負けてしまい採用とはなりませんでした。しかし、中小企業の製品であっても大企業の製品を向こうに回して充分に戦えたため『自分たちでもここまでできるんだ』ということが判りました」。
今後もこうした挑戦は続けていく、と高須社長は語る。
「いろいろな分野で挑戦することで、自分たちの技術を客観視することができるようになりました。生産者目線だけでなく、消費者目線、主婦の目線、子供への安全性の目線など、一つの業界だけで仕事をしているとわからなかった様々な見方がわかるようになります。こうした取り組みを積極的にしていることから『挑戦する姿勢のある企業だ』とご評価いただけるためか、省力化技術に関する難しい課題のあるものもしばしば当社へご相談いただけるようになりました。省力化装置は企業ごとで課題が異なるため、その多くが『一品料理』なのです。ですからこうした様々な挑戦を通じて視野を広くすることで得られた発想力や技術力が自分たちの武器になっています。まだまだ挑戦は続けます」。

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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