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  トップ > IT特集 > 次世代インターネット概念 「Web 2.0」とは?
次世代インターネット概念 「Web 2.0」とは?
辻村智恵子 記事更新日.07.11.07
株式会社エイペクス  ネットワークソリューショングループ
■問合せ先
株式会社エイペクス 名古屋本社
〒460-0003
愛知県名古屋市中区錦1−5−28 ミワビル6F
TEL:052-229-1355 FAX:052-229-1356
 http://www.kk-apex.co.jp
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■始めに
皆さんは「Web 2.0」という言葉を聞いた事がありますか?「XXX 2.0」という某携帯会社の2.0についてはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが・・・。実はこの「Web 2.0」という言葉ちょっとした流行言葉なのです。実際に新しい何かがこれから始まるのではなくて、実はもう既に始まっている事(皆さんの中には経験されている方も多数いらっしゃるかと思います)を Tim O’Reilly氏が「Web 2.0」と言葉に表現してみたら世界中の多くの人から賛同を得て、そのまま言葉として定着した、といったところでしょうか。
では「Web2.0」とは何を現すかといいますと、誰しもが感じていたインターネットの変化、次世代インターネットを象徴する言葉なのです。
次世代インターネットといわれると少々難しい事のように思われるかも知れませんがそんな事はありません。もちろん次世代インターネットを構成している要素の一つとして「技術の進歩」がありますが、今回の目的は難しい技術論は抜きとしてWeb 2.0についてわかりやすく解説させて頂きたいと思います。
1. 何がWeb 2.0なのか
Tim O’Reilly氏の「Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル」からWeb2.0には7つの原則があるとの事、下記に列挙いたします。

(A) プラットフォームとしてのWeb

通常プラットフォームとはアプリケーションを動作させる際の基盤となるOSの種類や環境、設定等を指します。 ここでいうところのプラットフォームとはOSの種類に関係なく「アプリケーションを動作させる環境」の事を指します。 例えば、Windows上で動作するブラウザでGoogleの検索サービスを利用した場合と、Linux上で動作するブラウザでGoogleの検索サービスを利用した場合、 Mac上で動作するブラウザでGoogleの検索サービスを利用した場合其々得られる検索結果が大きく違うということはありませんよね? (もちろん検索キーワードが違うとか検索した時間や日にちが大きく違うという場合は除いて)

(B) 集合知の利用

口コミサイトやオンライン百貨辞典の 「Wikipedia」に象徴されるように個人だけの知恵や知識でなくて大多数の人の意見や智恵から得られる「知」の事をさします。 例えば一評論家が推奨している本より大多数の人が「これは面白い」「これは為になる」とインターネット上に評価を沢山書き込んでいればよりその本を購入する気持ちが強くなりますよね。 また「Linux」のようにインターネット上で公開され、世界中の知識も経験も様々な人たちの「集合知」によって開発されていったプログラム(OS)も存在します。

(C)データは次世代の「インテル・インサイド」

言葉通りに受け取ると「インテル製のCPUが搭載されていないといけないのか?」と疑問に思われるかと思いますが、 実はコアデータを制するものが市場を支配し莫大な利益をあげることが可能となる、つまりはインテル・インサイド的なビジネスが可能ということです。 皆さんの中には「intel insaide」のシールが貼られているパソコンをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際のデータ提供ビジネスの例としては日本の「グーグルマップ」がわかりやすいかと思います。「ZENRIN」は「グーグルマップ」に地図データベースを提供しています。 グーグルマップを見ていただければわかりますが地図の下のほうに「@2007google 地図データ@2007 ZENRIN」と記載されています。

(D)ソフトウェア・リリースサイクルの終焉

Web2.0の世界ではソフトウェアのリリースという概念が無いという事です。 例えば、「Google1.0のサポートを終了しますから皆さんGoogle2.0の購入をお願いします。」というGoogleからのお知らせ記事をご覧になった方はいらっしゃらないと思います。だからといってGoogleが全く進化、進歩していないといったらこれは間違いでWebを通して常に新しいサービスが提供されていると思います。また追加される機能も永久ではなく使われないものは削除されます。 Webで提供されるサービスは常にアップデートされるため永久のβ版であるともいえます。

(E) 軽量なプログラミングモデル

軽量なプログラミングモデルを採用し、プログラムにシステムを連携させる橋渡し役を担わせることで低コストで全く新しいサービスを提供できること、 再利用する際の障壁が少ない事から更に改良され、より良いものを提供しやすい、されやすい事を指します。

(F)単一デバイスの枠を超えたソフトウェア

パソコンだけでなく、PDAや携帯電話など様々なデバイスでもサービスを提供できるということを指します。

(G)リッチなユーザー体験

Ajaxなどの技術を背景に利用者に対して双方向のデータのやり取り、グラフィカルであるなど、ユーザーにわかりやすく快適なサービスを提供できる事を指します。 わかり易い例としては「グーグルマップス」ですね。 地図上で自由にドラッグしながら位置を変更させたり、キーワード検索できたりといったユーザーにとっては非常に便利な機能が提供されています。

上述させていただいたAからGのいずれかの原則に当てはまればWeb2.0といえるそうですが、皆さんいかがですか?Web2.0とは何か掴む事ができましたか?
そもそもWeb2.0とは新しいテクノロジーの事をさしているわけではありません。実はインターネットが生まれてからの今日までのインターネット上での成功事例で使われている技術やコンセプトを整理したものになります。
  使われている技術は過去にも存在した技術になります。原則の7番目(G)にAjaxと技術名が出てきましたがAjaxは Asynchronous JavaScript + XMLの略称のことで以前からも利用されている技術の事で「新技術」というわけではありません。
2.何故「Web 2.0」というキーワードが重視されるのか?
そうなると何故「Web 2.0」というキーワードが重視されるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。重要なのは「Web 2.0」が

(1) 人々の行動に変化をもたらした。
(2) 広告の世界に変化をもたらした。
(3) マーケティングの世界にも影響を及ぼすようになった。

という大きな3つ変化をもたらしたことです。

(1)人々の行動に変化をもたらした。

Web2.0とそれまでのWebの違いには「情報発信者の変化」があります。 今までのWebではユーザーがサイトを構成している企業もしくは特定の情報発信者から情報を得るという形態が主体で情報自体が一方通行であったものが Web2.0では個人がより気軽に情報を発信できる場としてブログやmixiのようなソーシャルネットワーキングサイト(SNS)が提供され個人の情報発信が容易になりその結果人々の意見が集まり、 一企業や一情報発信者では莫大な投資をしないと取りまとめる事の出来なかった情報が個人の集合知によって形成されるようになりました。

    

(2)広告の世界に変化をもたらした。

これまでのWeb広告はサイト訪問者数の多いサイトにバナー広告を掲載してもらうことで、より多くの人々に「見てもらう」事を目的としたマス広告が中心でした。 Web2.0の世界では「グーグルアドセンス」のようにサイトに関連するキーワードを元に広告を表示する検索連動型広告も台頭してきています。 検索連動型広告のメリットはユーザーがキーワードで検索した結果、表示されたサイトに広告が表示されるため、ユーザーにとって興味のある、 価値のある広告として情報提供する事ができるためユーザーへのより高い宣伝効果が期待できること、 且つマニアックなサイトであってもユーザーが検索してサイトを表示すれば広告が掲載されることからニッチ層に向けた広告掲載が可能となった事です。 これらのニッチ層への広告戦略は今まで一部の人にしか需要が無いとされてきた商品のプロモーションを可能にし、多品種少量のマーケットである 「ロングテール」(後述)を生み出すことになりました。
※「グーグルアドセンス」は以下のサイトを参考にしてください。
http://www.google.co.jp/ads/     

(3)マーケティングの世界にも影響を及ぼすようになった

(1)の情報発信者の変化による口コミサイトや(2)の広告モデルの変化によるニッチ層への商品プロモーションが可能になったことから企業の多くは今までのマーケティング戦略だけでは通用せず、 「口コミサイト」に掲載される多くのユーザーから投稿される自社製品の評価に神経を配ったり、インターネット上のオピニオンリーダーと呼ばれる個人サイト運営者に対して 自社の新製品を評価してもらったりと商品を売る為の活動手法を変えてきています。またニッチ層への商品プロモーション活動が可能になった事から「ロングテール」とよばれる現象が生み出された事などWeb2.0でもたらされた影響は大きいといえます。     

図1 Web2.0による変化イメージ
  ユーザー側 サイト側
要素 集合知の利用 基幹サイトのWebAPIを公開
現象 群集の英知(ブログ、Wikipedia) サイトの互換性
技術 RSSやXMLなどのメタ情報 マッシュアップ
将来 即時性と検索性の向上から人工知能化 軽量なプログラミングモデルとそれに伴う軽量なビジネスモデル
Wikipedia:利用者個人の統合により作られたネット上の百科事典
      日本語版のWikipediaのTOPページのURL http://ja.wikipedia.org/ 
メタ情報:意味を持つように構成された文字情報のこと
マッシュアップ:公開されているWebサービスを掛け合わせて新たな用途を創り出す事。     
ここで皆さんに是非ご理解いただきたいのは「Web2.0とは何か」という意味合いや定義を探求するよりは「Web 2.0」がもたらす変化が今の世の中にどのような影響を与えているのか、 その変化が具体的にビジネスに、また私たちの生活にどのような影響を及ぼしているのかを知っていただくことの方が重要であるということです。     
3. ロングテールとは?
ロングテールとはWeb2.0的なビジネスを行っている物販サイトに見られる現象で、 全売上のうち1/3が極稀にしか売れないニッチ商品の合計販売額で構成されている現象を指します。 販売ランキング順に販売額のグラフを描くとベストセラーが恐竜の長い首(ヘッド)にあたり、ニッチ商品が長い尾(テール)のようになっていることから名づけられました。

http://www.keyman.or.jp/3w/prd/20/30001720/

元々マーケティングの法則に「パレートの法則」(2:8の法則)があり、売上の8割は全体の2割が作るといわれていましたが、 インターネット上でのロングテール現象は今まで売れないとされてきた8割の商品がニッチ層の支持を受けて売れるという今までの常識では通用しない現象になります。 インターネット上でのビジネスの場合コミュニケーションコストがかからないことから、 今まで売れないとされてきたニッチ層への商品提供を切り捨てる必要も無く新たな市場として発展したことが要因と考えられます。
4. Web2.0企業
「Web2.0」そのものよりも「Web 2.0」で引き起こされた現象の方が重要な事は前述させていただいたとおりです。 「Web 2.0」に対応している企業は技術ありきのお仕着せネットビジネスではなく、ユーザーやサービスを主軸としたネットビジネスを展開している企業ともいえます。 Tim O’Reilly氏の「Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル」に記載されているWeb2.0企業とは以下の7つの項目を満たしているかどうかのようです。
(1) パッケージソフトウェアでなく、費用効率が高く、拡張性のあるサービスを提供する。
(2) 独自性があり、同じものを作る事が難しいデータソースをコントロールする。このデータソースは利用者が増えるほど、充実していくものでなければならない。
(3) ユーザーを信頼し、共同開発者として扱う。
(4) 集合知を利用する。
(5) カスタマーセルフサービスを通して、ロングテールを取り込む。
(6) 単一デバイスの枠を超えたソフトウェアを提供する。
(7) 軽量なユーザーインターフェース、軽量な開発モデル、そして軽量なビジネスモデルを採用する
上記の項目を満たしている項目が多ければ多いほどWeb2.0企業と呼ぶに相応しく、 特定の分野で突出した能力を示している事は上記の7つの項目全てを少しずつ満たしているよりはその企業がWeb2.0的であることを示している場合があると論文では結ばれています。
ユーザーからしてみますとWeb2.0企業とは
(1) デバイスや場所、時間、環境に依存しない「いつでも何処でも」を実現できるサービスを提供できる企業
(2) 共有から価値を見出せるまたは価値を生む仕組みを提供できる企業
(3) 真にユーザーが求めているサービスを提供できる企業
(4) マスとニッチの関係の変化に気付き自社の商品の販売、展開方法を柔軟に変更できる企業
(5) ユーザーを信頼する企業
といったところでしょうか。いずれにしてもWeb2.0がビジネスに大きな変化を与えようとしている事は間違いありません。 実感できない方がいらっしゃれば是非インターネットのGoogle や アマゾンのサイトにアクセスして実際にユーザーとなってみてください。Tim O’Reilly氏の7つの法則や7つの項目を満たしているかどうか、検証してみるのもよいでしょう。そうすればきっと「Web2.0」を体感できるだけでなく、その影響の大きさを改めて実感いただけるかと思います。

◆参考文献◆

・キーマンズネット 新潮流「Web2.0」ってなんだ!?
http://www.keyman.or.jp/3w/prd/20/30001720/

・CNET Japan Web2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(前編)
http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000055933,20090039,00.htm

・CNET Japan Web2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(後編)
http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000055933,20090424,00.htm

・ソフトバンク新書013 Web2.0でビジネスが変わる 著者:神田敏晶

・ちくま新書582    ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まるー 著者:梅田望夫

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