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経営改善と資金調達
興津 覺 (おきつ さとる) 記事更新日.08.11.04
ブレーン・コンサルティング 所長
東海学園大学・愛知産業大学 非常勤講師
中小企業診断士(鉱工業)
■PROFILE
昭和21年、兵庫県淡路島生まれ。 
名古屋工業大学・経営工学科卒業後、政府系ベンチャーキャピタルである名古屋中小企業投資育成株式会社で、約350社の投資・審査業務と育成業務を担当し30社の株式公開の手助けを行なっている。
平成14年4月独立開業し、ベンチャービジネスに対して事業計画書のブラシュアップや資金調達のアドバイス、また、企業再生や事業の再構築で実績を重ねている。

・㈶あいち産業振興機構 地域力連携拠点事業 応援コーディネーター
・(独)中小企業基盤整備機構中部支部 中小企業・ベンチャー総合支援センター チーフアドバイザー
・東海ものづくり創生協議会 アドバイザー
・㈶あいち産業振興機構 登録診断員
・愛知県中小企業再生支援協議会 中小企業再生支援事業登録専門家
・岐阜県中小企業再生支援協議会 中小企業再生支援事業登録専門家
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T. 経営状態の信号チェックと資金調達
多くの中小企業が資金調達に苦労されています。経営者の本来の仕事は、明日に向かって会社の舵取りを行ない、そのための前向きな資金調達(青信号)をすることだと思いますが、今日を生き延びるために資金調達(黄信号)に奔走している社長様も大勢います。 ところで、現在の金融機関は、「正常先(青信号)」には積極的に「貸し奨め」を行い、「要注意先(黄信号)」には「貸し置き」を、そして「破綻懸念先」には「貸し渋り」や「貸し剥がし」を実行しています。したがって、「黄信号」のサインが出た企業は、金融機関に言われる前に自ら経営改善計画を実行し、絶対に赤字決算をしないということと、キャッシュフローの5年以内の借入金にとどめておくことが重要な経営戦略となってきています。金融機関は、従来の「担保価値重視」の貸付から、今では本業による「事業収益重視」の貸付に方針を転換しています。
1.それでは、経営の黄信号をチェックしてみましょう
  兆候 黄信号 青信号
1. 支払利息が営業利益を超えていないか 超えている 超えていない
2. 毎月の決済資金が不足していないか 不足することがある 不足することは無い
3. 現預金の平均残高は、1ヵ月分の支払額を超えているか 超えていない 超えている
4. 売上高の3%程度の預金を継続しているか 継続できない 継続している
5. 売掛金の回収率が悪化していないか 悪化している 悪化していない
6. 受取手形のサイトは伸びていないか 伸びている 伸びていない
7. 金融機関から返済条件を厳しく言われていないか、追加担保要求は無いか 厳しく言われている 厳しく言われることは無い
8. 得意先に倒産などのうわさがないか うわさがある うわさは無い
9. 大口得意先からの受注が減少していないか 減少している 減少していない
10. 大口得意先から取引条件変更の要求は無いか 要求がある 要求は無い
11. 死に筋商品の在庫が増えていないか 増えている 増えていない
12. 仕入先から現金取引などの条件変更を言われていないか 条件変更を言われている 言われていない
13. 幹部社員の退職がおこっていないか おこっている おこっていない
黄信号が、5つ以上あるようであれば、すぐさま「経営改善」に取り組んでください。
参考までに、銀行の「格付け基準」を示しておきます。
決算書 延滞なし 条件変更(軽度) 条件変更(重度)
債務超過なし 黒字・繰越損失なし 正常先 正常先 要注意先
黒字・繰越損失あり 要注意先 要注意先 要注意先
赤字・繰越損失なし 要注意先 要注意先 要注意先
赤字・繰越損失あり 要注意先 要注意先 要注意先
債務超過 1期のみ 要注意先 要注意先 破綻懸念先
2期以上 要注意先 破綻懸念先 破綻懸念先

2. 通常は融資が行なわれない「赤字資金」
「赤字資金」「資金繰り資金」「後向き資金」などいろいろ表現されますが、借りた「お金」を返すために、「借りたい!」というのが本音でしょうが、このような「資金繰り資金」は、借りた当座はしのげても、借りた後のことを考えれば、その後の月々の返済資金は、利息が上乗せになるため増えていくもので、ますます「返済資金」が窮屈になってきます。
「融資の返済は利益によって得た資金から」というのが融資の原則なので、赤字が続けば当然ながら返済原資が出てきません。金融機関は、返済が確実になされることを見越して融資を行ないますので、赤字資金の融資は行なわれないことになります。

U 経営改善と融資交渉
赤字となっていても、次のような場合は、金融機関は融資実行を考えることもあります。
通常は黒字であるが、一時的な要因によって赤字となっただけであり、次の決算では黒字が確実に見込める。
黒字になるための計画が、「経営改善計画書」などによって明確となっている。
したがって、融資の申込においては、運転資金であれ設備資金であれ、確実に返済できるということが、「経営改善計画」を基に経営者自ら「自分の言葉」で説明することが肝心です。
何よりも、黒字にするための方策、(1)売上高の向上、(2)利益率の向上、(3)経費の削減、(4)固定資産の売却やリースバック、(5)不採算事業からの撤退などの自助努力が必要です。
1. 「経営改善計画」に盛り込むべき内容
再建にあたって金融機関等の関係者が最も重要視するのが、(1)苦境を招いた事に対するトップとしての責任の自覚と(2)経営再建に挑むトップの熱意です。この両者が揃えば再建の可能性が大きく広がります。そして、次のような手順で経営改善を進めるのが良いでしょう。
  手順と内容 補足説明
1 トップとしての企業再建に対する決意表明 企業再建はトップ次第
2 現状の正確な財務・収益状態の開示(粉飾があれば修正すること) ここから改善がスタート
3 経営が苦況に至った原因・影響度の分析、経営をとりまく環境の分析(SWOT分析) 原因が分かれば改善策が見えてくる
4 遊休資産及び赤字事業部門の整理 資金化と出血を抑えるのが改善の重要ポイント
5 トップ主導の新たな収益増大活動(販路開拓、原価低減など)の実行プラン 縮むだけでは再建できない。事業活動の強化も不可欠
6 上記4及び5を今後5年間の年度計画として数値化する 妥当性のある実行計画と数値計画で関係者の納得を得る
7 「リスケジュール(1年程度の借入返済ストップ)」が必要であればお願いする 改善計画実行のため、体力を温存しておくことが重要
8 実質債務超過に陥っている場合は、3年後にはそれを解消できる改善計画を示す 正常先へランクアップを目指す
(参考) 経営改善計画の正常先ランクアップの目標指標
1 債務超過の改善 5年以内
2 経常利益の黒字化 3年以内
3 有利子負債のキャッシュフロー倍率 5年以内で10倍以内
4 (正常な運転資金を除く金融機関借入の完済) (10年以内)
2. 融資申込み前に条件整備に取り掛かる
しかし、以下のような状況であれば、返済は難しいと思われますので融資申込みをしばらく見合わせ、条件を整えた上で再度申し込むようにした方が良いでしょう。
営業利益の段階で既に赤字である。(償却前で赤字は重症)
本業での本当の「儲け」である「営業利益」が「マイナス」。ここで「儲かっていない」ということは、「何のために、商売やってるの?」と金融機関でなくても言いたくなるでしょう。それも、何年も「営業利益」が「マイナス」の状態ですと、「商売自体をどうするか?」を考えるべきでしょう。金融機関からは大概の場合、「お金をつぎ込んでも、結果が見えているでしょう」、と言われるでしょう。
繰越欠損があり、当期に解消できる見込が全くない。
債務超過に陥っていないとしても、繰越欠損が解消できる見込みがたたなければ、経営が悪い方向にズルズルと滑り落ちていくのが通常です。いわゆる「赤字癖」がつくということでしょう。債務超過にならないよう、この時点で「経営改善」を確実に推進しましょう。
既に債務超過に陥っている。
実質債務超過に陥っている場合は、前述しましたように遅くとも3年後には債務超過を解消するという出血も覚悟した「経営改善計画」をたて、具体的な改善活動を実行しましょう。
社長様の経営に対する思い入れ(思い込みではなく)と計画性ある実行力、社内外の協力があれば、苦境は必ず乗り越えられます。
3. リスケジュール(リスケ)による事業継続・事業改善資金の捻出
既存の借入がある場合には、「リスケジュール(リスケ)」を交渉し、毎月の返済額の減額や凍結をしてもらうことで、事業継続・事業改善の資金を捻出しましょう。

当然、金融機関には、黒字にするための方策、(1)売上高の向上、(2)利益率の向上、(3)経費の削減、(4)固定資産の売却やリースバック、(5)不採算事業からの撤退などの自助努力を「経営改善書」に纏め上げたものを提出することが必要です。

特に社長の「裏の給料」となっている「地代家賃」や多額の「役員報酬」、「接待交際費」の削減などで、社長の経営改善に取り組む姿勢が評価されることでしょう。

けっして、高金利ローンなどで、一時しのぎをしてはいけません。高い支払金利に追われて、ますます苦境に陥ってしまうことは目に見えています。はたして、あなたの会社の売上高営業利益率は、高金利ローンよりも高い収益を上げているでしょうか。よく検討して下さい。
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