創業サクセスマニュアル~専門家による創業取扱い説明書~

公益財団法人あいち産業振興機構


マーケティング【プロモーション戦略】売るための方策を考える

皆さんも街角や居酒屋などで商品サンプルを配布しているのを見かけたり、受け取ったことがあると思います。プロモーションは、このような販売促進のことを指して言います。

このプロモーションは4つの要素で構成されています。この4つをひとまとめにした考え方を広義のプロモーションといい、どの様に組み合わせるのか計画、実行することをプロモーション・ミックスといいます。この4つには、①人的販売、②広告、③パブリシティ、④狭義のプロモーション、を指します。

人的販売とは、営業担当者や販売員のことです。②の広告と③のパブリシティは、基本的にはどちらも新聞、ラジオ、雑誌などのマス・メディアを使いますが、両者の違いは、②は料金が発生するのに対し、③はメディアの取材や情報提供によって記事やニュースとして扱われるため料金が発生しない点に大きな違いがあります。

このように言うと③のパブリシティは無料で宣伝できて都合がいいように思うかもしれませんが、実際にニュースや記事で取り上げてもらえるかどうか、自分の思ったタイミングや番組などで取り上げられるかはわからないため、本当に宣伝できるかどうかはわかりません。また報道されることが決まったとしても、その日に大きな事件などが発生するとボツにされることもあります。

④狭義のプロモーションとは、直接、購買者の予算に直結するような特典、おまけ(ノベルティ)、割引などを指します。

これら4つをどのように組み合わせるのかは、扱う製品・商品やサービスのタイプによります。これらは大別すると2種類に分類されます。

一つは生産財、もう一つは消費財です。生産財とは、ある製品を作るのに投入される原材料、部品などの対法人(BtoB)で、もう一方の消費財は、個人ユーザーが購入する商品・サービス(BtoC)を指すと考えて言いでしょう。

通常、生産財の場合、自社の製品やサービスを受ける企業の所在地などがわかるため、人的販売にて販売活動を行います。逆にBtoCの場合、自社製品を「今」購入してくれそうな人を見つけるのは至難の業なので、後半に広告宣伝を行います。ただし事業所向けであってもどのような事業所にでも販売できるような商品やサー椅子の場合は、消費財と同じようなことになります。

また財を価格で見てみると、①ぜいたく品と②日用品に大別することができ、ぜいたく品は見込み客に納得して購入して頂く必要性が高くなったり、価格が高い分、説得という作業が必要となるため、人的販売が必要となります。

生産財と消費財で共通しているのは、狭義のプロモーションが2番目に重要となっている点です。これは企業や個人の予算に直接影響を与えるためですし、購入を決めていただく最後の一押しのような効果があります。プロモーションを組み立てる時はこのような点を考えながら行います。

プロモーションの要素は上述の4つですが、このうち④以外は見込み客への到達する方法を指しており、プロモーションを設計するときにはまずこれらから効率・効果的に到達できそうな手段を考えます。たとえばメディアであれば、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ミニコミ誌、メルマガ、SNSなどからどれが最も良いのかを選択します。

プロモーションでの注意点は、一つの手段ではなく、様々な手段を組み合わせる必要があるということです。これは一つの手段(ルート)では効果が限定されるため、複合させて広告宣伝の相乗効果によって目標、目的を達成できるということです。これは小さな支流が束になって大きな川になるようなイメージです。

手段(ルート)の組み合わせが決まったら、次にそのルートに乗せるメッセージをターゲット見込み客にあった表現を使って考えます。
このようにプロモーションとは、ルートの組み合わせとメッセージの2本で考えます。


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