【ゼオライトの固体酸性質の評価について】
産業技術センター
昇温脱離法(以下TPD法)による測定事例として、触媒評価装置を用いたH型ゼオライト(H-ZSM-5)のNH
3-TPDの測定を行いました。水蒸気処理を行わずに昇温した試料のスペクトルから、Lowピーク(低温)、Highピーク(高温)の2つのピークが検出されました。
一方で、水蒸気処理を行った試料のスペクトルでは、Highピークのみが残存していることが確認できました。OHの極性がNHよりも強いため、水素結合したNH
3が置換されることで、Lowピークは除去されます。
一方、Highピークは、水がNH
3よりも弱い塩基であるため、酸点上のNH
3は置換されず残存します。したがって、水蒸気処理によりH型ゼオライトの真の酸点を検出することができました。