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  トップ > 経営相談Q&A 労務管理Q&A > 労働条件引き下げの注意点
労働条件引き下げの注意点
小藤 省吾 記事更新日.09.08.03
小藤経営労務事務所
■PROFILE
1957年愛知県生れ
社会保険労務士、中小企業診断士として企業の経営戦略、組織活性化、労務管理のコンサルティングを行うとともに企業、経営者団体における研修セミナー講師として活躍中。
現在、労使が力をあわせて作る「人を育てる人事制度」の普及に力を注いでいる。

連絡先
小藤経営労務事務所
〒470−2531
知多郡武豊町富貴茶ノ木15−1
TEL/FAX0569−73−7140
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7月に内閣府より発表された景気動向の調査結果では「景気の現状は,厳しいながらも下げ止まっている」としています。エコポイントや環境対応車の購入に対する減税・補助、そして定額給付金やETC搭載車の高速道路1,000円乗り放題等の景気対策の効果かもしれません。 しかし、エコノミストや経済界では、急回復を示すV字回復は期待できず、横ばい状態が続くL字回復、つまり「底打ちはしても回復感に乏しい」状態が続くと見ているようです。

厳しい経営環境に置かれている企業では、製造業を中心に雇用調整助成金(中小企業緊急雇用助成金)を活用しながら雇用の維持に努めています。しかし、先行きの見えない現状から、雇用は守るが労働条件を引き下げたいと考えている経営者もいて雇用環境は厳しさを増しています。

今回の労務管理Q&Aは、長引く不況に対して今後の課題となりそうな労働条件の引き下げについて考えてみます。
Q : 
仕事量が大きく減り、毎月赤字の状態が続いています。従業員の賃金を引き下げたいと考えていますがどのような方法をとればいいでしょうか?
A :  賃金は従業員の生活に直結する重要な労働条件であり減額などの労働条件の引き下げは使用者の意思で自由にできるわけではありません。厳しい経営状況は理解できますが使用者側が一方的に引き下げるのは深刻な労使トラブルの原因になりますから十分な注意が必要です。

賃金や労働時間などの労働条件は原則として労使の合意により決まりますが、労働基準法等の法令や就業規則、労働協約の制約も受けます。
会社が労働条件を引き下げる場合は

       1. 就業規則の変更により引き下げる
       2. 新たな労働協約を締結する
       3. 就業規則、労働協約によらず労働者の合意を得て引き下げる

などの方法を取る事になります。
  
Q : 
具体的に注意する点は何がありますか?
A : 
労働条件を引き下げる合理的な理由と問題がない手続きが必要です。

       1. 就業規則の変更によって引き下げる場合
就業規則を変更するときの手続きは労働基準法で定められており、労働者代表の意見を聞いたうえで労働基準監督署に届出なければなりません。この労働者代表の意見を聞くとは、文字通り意見を聞くことであり、同意を得る、意見に対して対応するというものではありませんから労働者代表の意見を聞けば会社は変更することができます。
しかしこれはあくまでも手続きの問題であり労働条件を引き下げた就業規則が有効であるかについて裁判所は
(1) 変更の業務上の必要性
(2) 労働者の不利益の程度
(3) 変更内容の程度
(4) 変更に伴う代償措置
(5) 労働者代表や労働組合等との交渉の経緯
(6) 他の労働者や組合に対しての対応
(7) 同業他社との比較
を総合的に判断して労働条件を引き下げた就業規則が有効か無効かを判断します。
       2. 新たな労働協約を締結する
労働協約により、労働条件が引き下げられた(不利益に変更された)場合、原則として労働協約によりそれまで有利であった条件や労働契約は無効とされ、新たな労働協約が定めた条件となります。ただし、更に発生している権利は事後に締結した労働協約によって遡及的に適用することはできません。
また新たな労働協約が適用される範囲は、原則として当該労働組合の組合員です。しかし例外として拡張適用により他の労働者にも適用されることがあります。
       3. 就業規則、労働協約によらず労働者の合意を得て引き下げる
個々の従業員の同意を得て賃金を減額する場合は自由な意志に基づく明確な同意が必要とされ、黙示の合意では有効とはいえません。
後日のトラブルを避けるためにも従業員と個別に面談して労働条件引き下げに至る状況を説明し同意書を得るなどの手続きをとったほうがいいでしょう。全員を集めて説明し反対の意見がなかったから同意を得たと解釈することはトラブルの原因となります。また労働基準法等の法令や就業規則、労働協約に違反する同意は無効となります。

また使用者が従業員に労働条件の切り下げを申し入れ、同意しない従業員を整理解雇する場合は整理解雇の4要件により判断されます(労務管理Q&A 「整理解雇は慎重に」を参照してください)。
Q : 
従業員と話し合いをする場合の注意する点はありますか?
A : 
誠意を持って話し合う姿勢が必要です。「解雇されたくないのならこの条件を受け入れろ」という姿勢では話し合いはうまくいきません。
従業員の賃金を引き下げてでも雇用を守ろうとする姿勢は立派です。現実にハローワークでは仕事を探す人たちで大混雑です。愛知県下の有効求人倍率が0.5倍を下回る厳しい状況では再就職も簡単ではないでしょう。しかし従業員にも生活があり一方的な労働条件の引き下げには反発の声が上がるのも理解できます。

長引く不況を労使が一体になって乗り切るためにもお互いが誠意を持って話し合いを行い、理解を深めることが必要です。場合によっては決算書、損益計算書、貸借対照表等を示して厳しい経営状況を知ってもらうことも必要でしょう。
また役員報酬の引き下げなど自らの努力の姿勢を見せることも大切です。
また引き下げの代償措置として、労働時間の短縮や休日の増加、福利厚生の充実等を行い、今までより良くなった面も作ることも必要です。
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