デジタル化の背景・目的
当社は、1978年に創業以来、プラスチック製の板や丸棒を加工して工業用プラスチック部品を製造してきました。高難度樹脂加工に取り組み、技術力の高さを武器に取引先を拡大し、近年ではJIS Q 9100を取得して航空宇宙向けの部品市場の開拓に取り組んでいます。
2009年より毎年「経営指針書」を作成して、全従業員、仕入先、及び金融機関に向けて、その説明を行っています。現在、会社のIT化は進めていますが、会社全体の取り組みとして、「経営指針書」にDXの取り組みを打ち出せていません。
今年度はデジタル技術を会社の業務にどのように活かせるかを探索するために、推進組織として3名を指名し、公的機関の研修に参加させています。
生産管理システムはすでに導入出来ており、受注から出荷までの生産体制を構築しています。しかしながら、生産管理システムの受発注は未だに手入力が多く、各段階でのチェックが複雑化しており、間接業務が肥大化しています。また、データの蓄積は進んでいますが、それを活用した業務改善までは至っておらず、データ活用が十分できていません。
今後は、間接業務を見直して不要な業務を削減し、可能な限り自動化を進めること、そして蓄積したデータを活用して、製造現場の工数低減を進めることの二つを目的として、新たな取り組みとしてDXを推進します。
デジタル活用の概要
EDIの利用
大手の仕入先とEDIで支払いデータの交換が可能となっており、支払先と単価など不一致を探す作業の短縮が可能となっています。
仕入先とのデータ照合
これまで紙の伝票を1枚ずつ照合して行っていた仕入締め作業を、データによる照合に変更しました。取引先もIT化を進めており、依頼さえすれば必要なデータはすぐに入手できることを実感しております。
材料の在庫管理
材料の受け払いの徹底とバーコード管理により、在庫の正確性が向上した結果、受注後の材料在庫の確認と無駄のない手配が行えるようになりました。
製造現場に関係するIT化の取り組みとして、以下の取り組みも行っています。
・顧客から支給される3Dデータから、CAD/CAMによるツールパス作成、NCデータ生成までの工程をデジタル化しています。