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3.2 バックアップ
   
バックアップとは
データの消失、破損時に備えてデータのコピーをとっておくこと。 バックアップの種類としては大きく下記4種類のバックアップ方法がある。

バックアップの種類

概要

単純コピー

すべての選択ファイルをコピーし、各ファイルをバックアップ済みとしてマークする。 (アーカイブ属性が削除される)。通常バックアップの場合、最新のバックアップ ファイルまたはテープがあれば、すべてのファイルを復元可能。

増分バックアップ

バックアップ対象とするドライブ(ボリュームやフォルダ)にあるファイルのうち、アーカイブ属性が設定されているもののみバックアップを行い、ファイルのアーカイブ属性をクリアする。 このため,増分バックアップは、必ずフルバックアップと組み合わせて行う必要がある。
また、増分バックアップのリストアは、フルバックアップを戻した後、すべての増分バックアップを順にリストアする必要があるため、リストアはかなり複雑で手間がかかる。

差分バックアップ

バックアップ対象は、増分バックアップと同じで、ファイルのアーカイブ属性は変更しない。 このため、差分バックアップも、必ずフルバックアップと組み合わせて行う必要がある。また、差分バックアップを最新の状態に戻すには、フルバックアップを戻した後、最後の差分バックアップをリストアすればよいので、増分バックアップより管理がしやすい。

コピーバックアップ

バックアップを取る対象は、フルバックアップと同じで、ファイルのアーカイブ属性はクリアしない。

 
   
バックアップ方法例
モデルケースによるバックアップ方法のメリットデメリット
モデル 月〜土 木曜日にリストアする場合

メリット

デメリット

フル フル フル 水曜日(前日)のメディアのみ

管理が容易
リストアが容易

容量が多いと1日でバックアップが終了しなくなる

フル+増分 フル 増分 フル+月曜日〜水曜日までのメディア

平日は短時間でバックアップが終了
メディア本数を減らせる

リストアが複雑

フル+差分 フル 差分 フル+水曜日(前日)のメディア

平日は短時間でバックアップが終了
メディア本数を減らせる
リストアが容易


 

バックアップメディア

 

メディア

特徴

ハードディスク

NASやSANなどのネットワークストレージ技術とRAID技術の発達により、固定ディスクであるハードディスクもバックアップメディアとして使用する機会が増えてきている。
磁気テープにバックアップを取る前の1次バックアップやあ一定の期間分保存し世代管理をする場合などがある。
そのまま業務用に利用するLANの帯域を利用してハードディスクにバックアップデータを保存する場合もあるがSANのようにバックアップデータ専用のネットワークを利用しLANに大きな負荷をかけない構成にする場合もある。
いずれもバックアップデータの容量やバックアップデータの取得方法により構成を検討する必要がある。

光ディスク

CDやDVD等の光ディスクはフロッピーディスクに変わるデータの保存先として一般的になりつつある。
CD,DVD以外の光ディスクではブルーレイディスク、HD DVDなどがある。
ブルーレイディスクの記録容量(片面1層)は最大27 GB、データ転送速度は36 Mbpsで、最近では50GB (片面2層)タイプのメディアも販売されている。
HD DVD-Rewritable(記録用、書き換え可)の記録容量は片面1層で20GB、両面1層で40GB、データ転送速度は3655Mbpsである。
光ディスクは非接触で記録再生できるので長寿命が期待できるがサーバデータを保存するためにはドライブをサーバ製品に接続するまたは別途クライアントからバックアップするなどの必要がある。
データの保存先としては有効なメディアなのだがバックアップするデータによっては運用面含めて検討する必要がある。

光磁気ディスク

MO(Magneto-Optical disk)はフロッピーディスクと同じ大きさのリムーバブルディスク(ただし厚さは6mm)で、現在、23GBタイプまで製品化が進んでいる。
光ディスクよりも低温で記録を行うことからメディアに対するダメージが小さく、1000万回という繰り返し記録再生が可能で、その寿命も50年〜70年といわれているが前述の光ディスクと同様に別途ドライブを用意する必要やバックアップデータによっては運用面含めて検討する必要がある。

磁気テープ

50年以上の歴史をもつ磁気テープは、1990年代から2004年までの間に1カートリッジあたりのネイティブ容量が1GBから400GBにまで増加し、今後は800GB〜1TBの製品も実用化される予定。
サーバのデータ(システム含む)バックアップ用メディアとして広く利用されている。

 

磁気テープ 規格別テープ機器比較表

 

フォーマット

記録容量(標準時/圧縮時)

媒体概観

特徴

AIT

AIT-1

25GB/50GB

Advanced Intellgent Tape

8mm巾のメタル蒸着テープ。

2リール形状

メタルテープでヘッドを汚さない超寿命テープ。メタルチップ内臓でデータ管理をサポート。

普及率小

AIT-2

50GB/100GB

AIT-3

100GB/200GB

DAT

DDS

2GB/4GB

DDS規格の1/4インチ巾テープ。

スタンドアロン、小規模のバックアップ向き。

2リール形状

DDS-2

4GB/8GB

DDS-3

12GB/24GB

DDS-4

20GB/40GB

DAT-72

36GB/72GB

DLT

TapeV

10GB/20GB

 

Digital Liner Tape

1/2インチ巾のコンピュータ専用バックアップテープ。

保存期間30年間。1リール形状。

大容量。ライブラリと組み合わせることにより中規模から大規模までバックアップを可能にする。

普及度大

TapeVXT

15GB/30GB

TapeW

40GB/80GB

SuperDLT1

110GB/220GB

LTO

Ultrium-1

100GB/200GB

 

Liner Tape Open

IBM,HP,Segateの3社共同開発により標準化されたオープン規格

 

Ultrium-2

200GB/400GB