電話営業手法

電話営業の必要性

新規開拓営業を行う手段には様々なものがあります。電話、ダイレクトメール、広告、Webでのプロモーション、展示会、セミナー、飛び込み訪問・・・等々です。

商品・サービスに対する市場の認知度がなかったり、営業活動を開始して間もなかったりすると、Webサイトや広告を活用したプロモーションを行っても十分な予算が確保できないため、大きな効果は望めません。人脈に頼っての営業活動は人脈には限りがあるため、大きな成果に繋がる前に当たる先が無くなってしまう事も多くあります。

そのような状況になってくると、やはり能動的に新しい見込み客を発掘する方法が必要になります。その中でも代表的な方法が「電話営業」です。
「電話営業」は、精神的・肉体的な負担から多くの企業(営業担当者)が、できれば行いたくないと思っています。また、この方法は長期に渡って永続的に行う営業方法ではないとも考えます。十分な顧客数や市場の認知度が確保できれば、安定した一定以上の発注と問い合わせによる新規受注が見込めるようになります。しかしそれを実現するまでの間は、この方法を取らざるを得ない状況があることもまた事実として存在しています。

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電話営業に必要な3つの要素

できることならばやりたくないが、やらなければいけない状況がある。電話営業とはそういった性質のものですが、やるのであれば効果的かつ効率的に行うべきであり、実際にその方法をご紹介していきます。

電話営業とは、次の3つの要素からできています(図5)。

3つの必要要素 | 1.企業リスト。2.トークスクリプト。3.コール技術。

電話営業を行うための準備とは、すなわちこの3つを準備することであり、電話営業がうまくいかない時も、改善をする領域はこの3つの中のいずれかになります。

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企業リスト

企業リストについては、どのように入手をするかという点で記載をしていきます。まずは、大手電話帳のインターネット版から、業種やエリアなどを指定してCSVにダウンロードができるアプリケーションが存在します(無料版・有料版あり)。また、一般に出回っているリスト情報を取りまとめて、安価(~10円/1リスト)で販売をしている業者も数多く存在します。もし、コール先の財務情報、信用情報まで必要とするのであれば、大手調査会社からの購入をする方法もあります。当然費用は高くなりますが、その分アプローチをするリストの質を向上させることができます。

企業リストについては、自ら収集することを行うと膨大な時間がかかってしまいます。ある一定のコストをかけて対象とする企業リストを入手するという方法を取ることによりリスト収集という時間を浪費することなく、本来かけるべき業務に時間をかけることができます。

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トークスクリプト

電話営業を行う際には、トークスクリプトを準備する必要があります。トークスクリプトとは、電話をかけてからアポイントを獲得するまでの流れを記載したマニュアル・フロー図になりますが、電話営業を行う人の中には、企業リストだけを準備してトークスクリプトを作成せずに電話をしている人もいます。

いかにその商品・サービスについて詳しくても、トークスクリプトの作成ならびに明文化が必要です。理由として、電話営業の世界というのは、電話の相手と声だけで繋がっているコミュニケーションであり、話すべきトークを記憶して話しているという時点で、相手との会話に集中すべき自らの脳の容量を浪費していることになります。

図6はトークスクリプトの構造です。ニーズ選定をしながら、相手の信頼度が高まる内容を明文化する必要があります。トークスクリプトは綺麗なフォーマットで作られている必要はありません。こちらがこう話す、相手がこう話してくる、それに対してこう話す、という想定ができる内容をイメージができ、実際のコールを行っていきます。

図1:トークスクリプトの構造について

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コール技術

リスト・トークの準備ができれば、実際の電話営業を行う事ができます。そこで必要になってくるのが、実際に電話をかける人のコール技術です。表5は電話営業における代表的なコール技術です。この中でも、ここでは代表的な「相槌の技術」と「日程設定の技術」をご紹介していきます。

1. 相槌の技術
2. 日程設定の技術
3. 質問を行う技術
4. 質問に答えつつトークを続ける技術
5. 価格を伝える技術

表5 電話営業における代表的なコール技術

「相槌の技術」とは、文字通り電話の中で相手の話したことに対して、相槌を行うことです。電話営業においては非常に重要な要素です。前述もしましたが、電話営業は相手と声のみで繋がっているコミュニケーションです。対面での商談の場合は、相手の声と共に身振り手振りや表情を見ることができます。声以外にも理解する要素が多くあり、様々な要素を使いながら会話を続けることができます。しかし、電話営業は声のみで相手との信頼関係を醸成し会話を続けていかなければなりません。そこで重要な要素が「相槌」です。相手の言ったことに対して、「はい」「ええ」「なるほど」「そうなんですね」などの相槌をしっかりと打ち、「私はあなたの話をよく聞いています」というシグナルを送る必要があります。これを行うことにより、電話の相手も「この人の話は1度聞いてもいいかな」と思う可能性を高くすることができます。

「日程設定の技術」とは、実際に訪問をするお約束を頂く時に、明確にその日程を決めていくということです。しかし、電話の相手も忙しいことが多く、いざ日程を決めようと思うと、「今月は予定が見えないから来月にしてほしい」「来週出張だからその後にかけてほしい」といったことを言われがちです。そのように言われて後日かけても、また同じように言われ、結局お伺いする日程を決めることができない、ということが発生します。
「日程設定の技術」とは、そういった状況を回避する方法です。ポイントは2つで、1つ目は「候補日は2~3日程を打診する」、2つ目は「曜日で打診する」となります。1日程のみ打診すると、すでに日程が埋まっている可能性があります。では他の日程では・・・とモタモタしていると、「また後にしてくれ」と言われやすくなります。2~3日程を打診することにより、そういった空振りを防ぎます。曜日で打診をする理由は、仕事を行っている人は自らの予定を日付ではなく曜日で認識をしています。○日か○日と言われるよりも、○曜日か○曜日と言われた方が、自らの予定が空いているかどうかを瞬時に把握できるため、その打診に応じやすくなります。このような技術を活用しつつ、実際のアポイントを獲得していきます。

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