#12

日本の物流を引っ張る、
地域のリーディングカンパニーになる

処理はデジタルに、判断はアナログに

株式会社 セイリョウライン

DX事例:株式会社 セイリョウライン

デジタル化の背景・目的

 株式会社セイリョウラインは一般貨物自動車運送事業を全国規模で展開しています。最近では二種免許を取得して内航の取引も可能となり、陸路や海上運輸の提案もお客さまからご好評をいただいております。

 最大の重要経営課題は、「決して事故を起こさないでお客さまに安全に荷物をお届けすること」です。安全に運送作業を進めるため、ITを最大限駆使した仕掛けをいくつも用意して「絶対に事故をおこしてはいけない!」と安全を守り続ける運送業を目指しています。

 当社で開発した「顧客カルテ」は、配送先の地図情報、具体的な荷受け場所の特定、荷姿、受付時間、受付方法の詳細など、新人乗務員でも顧客の細かい要望に完全に応えることができるように構成しています。この情報はインターネットとタブレット端末、スマホなどで、いつでも、どこでも参照できるようにしています。こうした機能はインターネットを介したクラウドサービスの活用がなくてはできないものです。

 全車両に最新のデジタルタコグラフを設置して、運行情報をクラウド上に収集、これを分析して運行管理のIoTデータとして活用するために全社のデジタル化が必須となってきております。

デジタル活用の概要

 社長のITスキルと強力なリーダーシップによりデジタル化が進んでおり、それによる高い生産性や従業員満足度の実現、コンプライアンス(特に運行管理、燃費改善、残業時間の短縮化など)の対策を実現しています。

 プライベートクラウドのDBサービスを活用して、運送業基幹システムと社内ポータルサイトを自社開発しました。また、パブリッククラウド上で提供されているMAP共同配送サービスを活用して、顧客の配送センター、荷受け場所やGPSデータによる全トラックの運行状況をMAPとして確認することができ、協力会社のネットワークを活用することによる全トラックの運行状況をMAPとして確認することができ、協力会社のネットワークでこの情報を共有することで空便の有効活用など、効率的な配送業務の最適化が可能となりました。基幹システムは日次管理(配車管理、日報管理、デジタルタコグラフのデータ管理など)、月次管理(請求管理、会計管理など)、営業管理(顧客管理、顧客カルテなど)の各システムを社内にて開発しました。

デジタル活用の効果

 デジタル活用における最も大きな効果は、全社員の安全活動に向けた意識改革が進んだことであります。これは、いままで煩わしい管理作業や処理(報告やデータ解析など)が全てIT化され、「処理はデジタル」が実現、データに基づいた「判断はアナログ」が実践できています。年4回開催する安全活動推進大会では、各部門のグループが本気になって安全活動や改善活動に取り組んでおり、事故件数の低下、人材定着化、業務処理スピードの大幅向上など、年々活動成果が上がっております。この内容はすべて社内ポータルサイトに掲載され、全社員がいつでも、どこでも参照できる環境が整っています。

 必要な情報が社内共有サイトに集約されたことにより、社員それぞれが、どこで何を探せばよいかということが明確になり、作業時間の効率化につながっており、この仕組みを導入する前に比べて約20%改善されています。

 また、顧客カルテの効果は絶大で、お客さまが要望する高品質運送作業が徹底されたことによって、お客さまの信頼を獲得することができ、売上高はIT導入前に比べ約15%の増収となりました。

 高品質作業や業務スピード向上の結果、お客さまからの高い評価が得られたことで全社員のモチベーションが向上し、これまでは社内で特定の人しか知りえなかった情報を、社内共有サイトを通して全社員に広められるという環境ができたお陰で、これまであまり人に伝えようとしなかった社員たちも、積極的に自分が持っている情報を伝えようとする姿勢に変わり、情報共有化の大きな効果が出ています。

デジタル活用の効果

今後の課題・目標

デジタルプラットフォームの構築

 自社開発したトラック運送の運行管理システムを同業他社の中小企業運送業者にクラウド活用によって開放し、トラック運送業者の生産性を大幅に向上させるとともに、デジタルプラットフォームへの参加を募り、協業体制をとることによって集車力を大幅に向上させ、中小事業者単独ではなしえない集車力を拡大して安心・安全な荷物の運送品質を高めて新しい顧客価値を創造します。

DX認定申請

 こうした新しい価値創造を以ってDX認定を申請します。
 DX認定を得ることで、デジタルプラットフォーム事業のブランド力を高めて事業を軌道に載せる計画です。

デジタル活用の概要

代表者からのメッセージ

代表者の写真

株式会社 セイリョウライン
代表取締役

幣旗貴行

 2025年の運送業者の危機は、トラック運転手の人手不足の危機とともに、デジタル企業化できない企業がもう存続できない危機のダブルパンチに見舞われます。

 今回掲げたテーマ「日本の物流DXを引っ張る、地域のリーディングカンパニーになる」を実現するために、2025年の危機をチャンスとして捉え、当該業界全体を改革するつもりで頑張る所存です。

企業情報

株式会社 セイリョウライン
会社の写真
本社所在地 愛知県大府市横根町坊主山 1-116
T E L 0562-45-2300
F A X 0562-45-2302
創業年月 1991年12月
資本金 2,000万円
売上金 12億円
従業員数 65名
H P http://seiryogroup.com/
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