#17

DXによる
経営体質強化

ボルト生産事業拡大を通して地域貢献

株式会社 尾北

DX事例:株式会社 尾北

デジタル化の背景・目的

 当社は、1951年に設立して以来、溶接ボルト、六角ボルト、六角フランジボルトなどを一貫生産してきたねじ類の専門メーカーです。当社の強みは溶接ボルトの一貫生産体制(頭部圧造-焼鈍-ショットブラスト-ねじ転造)であります。主要顧客に対しての強みを一層強化し、強固な関係を築き、今後の更なる受注につなげる必要があると考えています。

 現在、会社の経営方針として、DXの取り組みが必要と感じています。現在の取り組みを踏まえて、今後の全社システム化を検討しております。

 主要顧客のかんばん注文に対応できており、「かんばん」を用いた生産体制を構築しております。しかしながら、運用はエクセルベースであり、システム化は遅れています。そのために、会社全体の業務効率化を図り、作業工数の低減を行い、生産性を向上させることを目的として、新たに生産管理システムの導入に至りました。

デジタル活用の概要

 DXの第一ステップとして、当社独自の「かんばんシステム」を基本として、内示、かんばん発行、製造、出荷、売掛、材料手配等すべてをIT化(見える化)する生産管理システムの導入を図っています。

内示と「かんばん」発行

 EDI化により、内示データの自動展開が可能になります。生産管理担当者は、支給された加工前製品の客先かんばんのバーコードを読み取ることにより、その場で「かんばん」を発行させます。
かんばん発行時には、注文された日、および客先と取り交わされているLT(リードタイム)から算出された納期を印字させます。また、工程毎の納期も印字することで、各工程での納期が明確になります。

製造と出荷

 各製品は入荷時のバーコード読み取りにより、入荷日、納期等のデータを収集します。製品加工後は各工程で加工実績をバーコード読み取りにより、データアップさせます。これらのデータを会社内で閲覧できる端末を導入することで、瞬時に製品の進捗状況、遅れの把握をできるようになります。

デジタル活用の概要
デジタル活用の効果

 基幹システム(生産管理システム)は導入途中であり、部分的な稼働に留まっていますが、徐々にかんばんの動きが見える化でき、業務の流れが把握できる段階となってきました。

 今後は、生産管理システムの全社の稼働を実現して、次に、EDIによる受注の自働化やIoTによる生産現場稼働状況把握などを進めていきます。このような業務改善活動の中でDX認定申請も進める予定です。

 部分的ではありますが、以下の効果が少しずつ出てきている状況です。

  1. 事務及び生産管理の効率化(働き方改革の推進、品質の向上)
    入力作業低減、かつ記入ミス低減により事務及び生産管理の作業効率化が可能となり、進捗・納期回答の短縮により、顧客の満足度向上に繋がった。
  2. 製造の生産性向上(生産性の向上)
    全ての工程で日程情報を共有し、効率的な作業を実現でき、生産性の向上が図れた。
  3. 金型管理業務の効率化(生産性向上)
    仕入かんばんと連動したシステムによる金型納期管理の効率化と在庫確認が可能となった。

今後の課題・目標

 今後の課題としては、経営方針としてのDXの取り組みを、全社活動として全従業員に徹底し、この活動に参加してもらうような体制を構築することが重要だと考えています。DXの取り組みが1次的な活動で終わらせないために、経営者、管理職、従業員それぞれの立場で継続的に取組む必要があります。

 DXを進めるうえで重要なこととしてIT人材の育成があります。従来、社長が中心となって推進してきたIT化の体制から、IT人材を育成又は採用して、人的投資を進めていく予定です。

代表者からのメッセージ

代表者の写真

株式会社 尾北
代表取締役

河村 和幸

 当社として、今後、成長していくためにはDXの取り組みは必須と考えています。DXの取り組みは始めたばかりではありますが、現在進めている当社基幹システムの早期完全運用を図ると同時に、DXを推進するためのIT人材の育成を図りたいと考えています。

企業情報

株式会社 尾北
会社の写真
本社所在地 愛知県江南市安良町地蔵136番地
T E L 0587-50-5155
F A X 0587-55-1797
創業年月 1951年4月
資本金 1,000万円
売上金 17.5億円
従業員数 60名
H P https://www.k-bihoku.co.jp/
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