6.1 5Gって何?
そもそも5Gの「G」とは何でしょう?
5Gは「5th Generation Mobile Communication System」(第5世代移動通信システム)の略で「G」は「Generation」(世代)の略です。
つまり、携帯電話の通信システムの世代は今回で5代目となるのです。通信システムは時代の需要に応じて常に進化をしていきました。
まずはこれまでの世代の変遷を見ながら5Gの特徴を見ていきましょう。
・第1世代(1G:1980年代)
最初はアナログでの通信方式でした。できることと言えば、音声による通話がほとんどで、盗聴の危険もありました。機器の大きさも今とは比べ物にならないほど大きいものでした。
・第2世代(2G:1990年代)
2Gになると通信方式はアナログからデジタルへと移行します。1Gでは音声のみでの通信でしたが、デジタル化によって音声が文字に符号化されました。これにより、メールの利用やインターネット接続などができるようになりました。
・第3世代(3G:2000年代)
3Gではこれまで通話中心であった携帯電話が様々な機能を持つようになります。カメラ機能、動画配信、ゲームなどのマルチメディア通信が活発となりました。データ通信も高速となり、より高性能な通信が可能となりました。
・第4世代(4G:2010年代)
4Gが登場する前、3Gをさらに高速化させたものとしてLTE(Long Term Evolution)という通信規格がありました。このLTEの導入により、3Gで高速となったデータ通信がさらにパワーアップし、光ファイバー並みに高速化されました。このLTEは3.9Gとも呼ばれ、これとほぼ同じ技術を用いたのが4Gです。大容量データの通信がよりスムーズに行えるようになり、3Gでは何時間もかかった大容量ファイルのダウンロードも4Gでは数分で完了するようになりました。
ただし、一つのエリアで同時に接続することができる台数が限られたり、環境によって動作が遅くなったりしてしまうこともありました。
・第5世代(5G:2020年代)
5Gの特徴として「大容量での高速化」、「遅延の低下」、「同時接続数の増加」の3点があげられます。
5Gでは4Gよりも大容量のデータをより高速に通信することができるようになりました。4Gではダウンロードするのに数分かかったデータが数秒でダウンロード完了となるのです。
通信の遅れも改善され、遅延速度は4Gの10分の1になるといわれています。
また、4Gで課題だった同時接続もより多くのデバイス間で可能となりました。これにより、人が密集する場所からの通信もより快適になりました。
これだけではありません、自動車や家電、建物などのモノをインターネットに接続させることも期待できるようになったのです。
このような、PCだけでないあらゆるモノがインターネットにつながることを IoT(Internet of Things)と呼びます。
次項ではこの IoT を始め、5Gによってどのような影響をユーザーにもたらすのか説明します。