ITツールお助けマニュアル

【テレワークのススメ】

3.2 テレワークあれこれ!

テレワークを行うにあたって重要となるのが「リモートアクセス」です。
リモートアクセスとは、社内デバイスに自宅やお客様先などの外出先に持出しているデバイスからネットワーク経由で遠隔操作や閲覧をすることです。
テレワークに欠かせないリモートアクセスを行うための方法を2つ説明します。

・リモートデスクトップ

リモートデスクトップは社内PCのデスクトップ画面を手元のPCに転送することで、遠隔操作を行います。
このような画面転送方式では操作しているのは手元のPCですが、実際の動作を行うのは社内PCになります。
これは手元のPCでのキーボードやマウス操作の情報を社内PCに転送しているからです。
そのため、操作しているPCの性能がどうであれ、社内PCを通常の業務と変わらず操作することができます。
社内PCのデータが外部に流出することもないため、セキュリティに関しても安全です。
ネットワーク機器を新規に購入して、ネットワークを構築する必要もないため、容易に導入ができるのもメリットの一つです。

日本テレワーク協会https://japan-telework.or.jp/)は、特別な知識がなくても簡単に導入できるツールを紹介しています。
今回はその中から簡単にリモートデスクトップ向けの3つのツールを紹介します。

  • Magic Connect
    https://www.magicconnect.net/
    NTTテクノクロスが提供するツールです。2004年のサービス開始以来、高いセキュリティ対策と国内導入数を誇っています。
  • Splashtop Business
    https://www.splashtop.co.jp/products-service/business.html
    スプラッシュトップが提供するツールです。初期費用が掛からず、1秒当たり30フレームという画面の高速描写で操作画面に遅れが出ることなく、リアルタイムに操作ができます。
  • Remote View
    https://content.rview.com/ja/
    RSUPPORTが提供するツールです。ログ管理や2段階認証など100種類以上の企業用遠隔制御ソフトウェアが備わっています。

リモートデスクトップ方式のツールはまだまだあります。
詳しく見たい人は、「中堅・中小企業におすすめのテレワーク製品一覧 第4.0版」
https://japan-telework.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/06/tools-for-small-and-medium-sized-businesses.pdf)を確認してください。

・VPN

VPN(Virtual Private Network)とは仮想専用通信網」という意味を表す接続方法です。
インターネットは世界中どこからでも使うことができる公共の通信回線です。
何も対策せずにインターネット上でデータを送受信するのは「どうぞ中身を見てください」と言っているようなものです。
そのため、企業等の組織内で安全に通信ができるネットワークが必要になります。
しかし、物理的に企業専用の回線を張るとなると、莫大なコストがかかってしまいます。
そのため、物理的に新たに専用線を張るのではなく、公共回線を使い安全に通信をする必要があります。
VPNは公共のインターネット回線を仮想的に専用線として使う方法です。
仮想的な専用線を設定する為に、2つの拠点や機器をつなぐための仮想的なトンネルを作ります。これを「トンネリング」と言います。
そして、そのトンネルをくぐる際に送信するデータの中身が分からないように暗号化します。
トンネルを走っている車は、トンネルの外からは分からない様に、暗号化されたデータは他人からは見ることができません。
そのため、データは安全に通信することができるのです。

このようにリモートデスクトップやVPNなどの利用で安全にテレワークを実施することができます。
しかし、それだけでは防げないリスクもあります。
次項では、テレワークに潜む危険性について説明していきます。